イギリスのマナーハウスのような『Still Rooms』(スティル・ルームス)
『Still Rooms』(スティル・ルームス)名前の由来と代表者について
埼玉県新座市、バス通りから細い道を入り数分、イギリスのカントリーサイドにあるマナーハウスのようなお屋敷が現れます。
お屋敷の名前はStill Rooms。
“スティル・ルーム”とは、もともとはヨーロッパの大きなお屋敷のひと部屋で、薬草などの調合を行っていた蒸留室のことだそう。エリザベス1世の時代には香料を手作りしたり、紅茶のブレンドやジャムなどの保存食を作るお部屋として利用されていたそうです。
Still Roomsの代表田中公子(たなかさとこ)さんは、ハーブ・アロマセラピストや、日本紅茶協会専属講師として長年にわたりティーインストラクターの育成などされ、現在もシニアティーインストラクターとして紅茶の普及に尽力されています。
そのため田中さんは香りに造詣が深く、香りのあるハーブや紅茶そして英国文化を発信する場所を提供したいという想いから、『Still Rooms』と名付けた場所を作られたそうです。
Still Roomsの素晴らしいお部屋に調度品、そしてアンティークに心躍る
Still Roomsの設計は田中さんが、鎌倉山ハウスオブポタリー代表の荻野洋子さんにイメージを伝え、図面引きから一緒に作り上げたそうです。
構想に2年、その後1年かけて完成した建物は田中さんが荻野さんと一緒にイギリスを周り、調度品を購入したりしてイメージを伝え共有されたそうです。
そして、細部まで全て田中さんのこだわりが詰まっており、コンセントひとつから自ら探されたものを全て使用されているそうです。
ダイニングルームを兼ねた明るいコンサバトリーには、お庭のお花がさりげなく活けられていたり、キッチンにはイギリスで大人気の小麦粉メーカーのマスコットフレッドくんが飾られていたり、田中さんのセンスが光ります。
そしてダイニングルームキャビネットに使われている色は、実にイギリスらしいわたしの好きな色でした。
真ん中の柱で分けられているリビングルームとドローイングルームには、暖炉と薪ストーブがあり、たくさんのアンティークや調度品がこちらも実にセンス良く飾られていました。
そして扉の向こうはライブラリー。
明るいダイニングやリビングルームとはうって変わり、シックな赤を基調にされていました。
そこは以前わたしが宿泊したイギリスのホテルのような感じでした。
わたしが参加したイベントの紹介
Still Roomsがオープンしたのは2019年4月。
そしてわたしが初めてStill Roomsに伺ったのが、オープンの翌月に開催された焼き菓子のコンペティションイベント”ベイクオフ”。麻布十番モーニングクレセントのステイシーさんとUK Walkerにコラムを寄稿いただく英国菓子の先生、安田真理子さん主催のイベントの時でした。
その日は作り手15名、審査員35名、総勢50名がStill Roomsに集合。
まるでイギリスにいるような会場で、出品された15種類の英国菓子のほかにステイシーさんと安田真理子さんのお菓子もいただけて、大満足だったのは言うまでもありません。
ほかにもStill Roomsでは茶摘みや紅茶作り、安田真理子さんの英国料理レッスンなどイベントが開催されていましたが、ここ2年くらいはコロナ禍ということもあり自粛されていたようです。
そしてつい最近、ミモザのリースを作る会があり、わたしも参加させていただきました。
花材のミモザはStill Roomsのお庭から。
広大なお庭にはたくさんお花が植えられていて、これからの季節次々と咲いてくるそうです。
なかでも田中さんはお庭のバラやエルダーフラワーなどを使ったコーディアルも作られていて、今年1月の三越英国展や、鎌倉山ハウスオブポタリー、代官山のヒルサイドパントリーなどで販売されています。
”Great Taste 2021”で「2つ星」受賞した紅茶
敷地内には茶畑もあります。
そしてその茶畑で作られた紅茶2種類が、2021年イギリスの高級食品小売組合が主催する、食のオスカーとも呼ばれる”Great Taste 2021”で「2つ星」を受賞されたのです。
2015年から紅茶作りをはじめられた田中さん、初出品での快挙です。
手摘み手もみで丹精込めて作られたという紅茶を、ミモザのリースの会でいただきました。
まろやかで深みがあって、なんともおいしい紅茶でした。
そして、長いことティーインストラクターの指導をされていたという田中さんの、紅茶をいれる所作の美しさに、なによりうっとりしたわたしでした。
Still Rooms田中さんの次なる目標は
いろんなことにチャレンジして成功されている田中さん。
次なる目標はワイン作り。
もともとはイギリスの暮らしには欠かせないサイダーを作ろうというところからのスタートで、
イギリスで見たデンビーワイナリーのブドウ畑の景色が忘れられず、Still Roomsで作れれば…と思われたそうです。いよいよ、2022年4月2日、新座と長野でブドウ栽培を開始されるそうです。
最後に田中さんより、”香りのある豊かな暮らしが提案できれば幸せです。”
田中さんのこだわりがいっぱいつまったStill Rooms。お話を聞いて、益々魅かれてしまうのは言うまでもありません。
Still Rooms 公式サイトはこちら:https://still-rooms.co.jp/