サマープディングのお話しとレシピ

イギリスの夏を彩るフルーツ”ベリー”

深紅のサマープディング
使うベリーによって色が変わるサマープディング

短いイギリスの夏を彩るフルーツがベリー。グーズベリーから始まり、ラズベリーにブラックカラント、レッドカラントにいちご、ちょっと遅れてブラックベリー。キラキラと宝石のようなベリーがスーパーにも、マーケットにも並びます。
いちご?そう、いちごもイギリスでは夏を象徴するフルーツ。日本ではハウス栽培なのでどうしても、クリスマスシーズンの冬から春にかけての果物という印象ですが、露地ものであれば6月に旬が来るのが自然と言うもの。

ウィンブルドン選手権の名物も

6月末に始まるウィンブルドンのテニス選手権の名物も「ストロベリー&クリーム」。
いちごに生クリームを泡立てずにかけたものです。日本では練乳ですが、イギリスではイチゴと言えば生クリーム。テニスを観戦しながらストロベリー&クリームを食べる、イギリスの夏の風物詩です。去年は残念ながら中止になってしまったウィンブルドン選手権、今年は何とか無事開催。皆が毎年心待ちにしているイベント、今年のストロベリー&クリームは格別に美味しかったことでしょう(^^)
ちなみに、毎年話題になることですが、今年のストロベリー&クリームのお値段はおいくらだと思いますか?
大体10個のいちごに生クリームです。

答えは~
2.5ポンド。いちごも生クリームも高級品の日本と比べるとかなりリーズナブル。1日何回か買ってしまいそうです(笑)

夏の季節にあった軽く爽やかな”サマープディング”

サマープディングに生クリームをかけて
生クリームをかけて召し上がれ

、、、はじめから脇にそれてしまいました、、今日のお題はサマープディングです。
夏に採れるベリーをふんだんに使った鮮やかな深紅のプディング。ここ数年少しずつイギリス菓子が浸透してきているので、目にしたこと、召し上がったことがある方もいらっしゃるでしょう。イギリスプディングと言うと、クリスマスプディングを筆頭に、とかくずっしりどっしりのイメージですが、さすがにイギリスの人達も夏にああいったプディングを食べたいとは思わないらしく、これは軽い爽やかなプディング。
ですがとてもイギリスらしいプディングでもあります。一見、フランスのシャルロット風なのですが、実は外側を覆うのはスポンジではなく食パン。プディング型に食パンを敷き詰めて、そこに軽く煮たベリーを詰め込んで冷やすだけというそんな合理的なデザートなのです。

身体に優しい”サマープディング”

材料は食パンとベリーとお砂糖だけなので、卵もバターもなし。とにかくシンプルで胃に優しそうなプディングですが、それもそのはず、このプディングの昔の名は「Hydropathic pudding」。Hydropathic とは水治療の意味。水治療だけとは限らないのですが、病院や高齢者用施設などで、いつものこってり重いバターやスエットたっぷりのプディングを食べられない人たちのために考えられたプディングと言われています。
もちろん、誰が食べても美味しいデザートだったこともあり、じき名前もサマープディングと呼ばれるようになりイギリス中に広まりました。

美味しい”サマープディング”作りのポイント

サマープディング作りの一コマ
イギリスの友人宅でのサマープディング作り

作り方はとにかくシンプルなのですが、気を付ける点がいくつか。
まずはベリーの選び方。いちごを多く入れてしまうと、水っぽい冴えない色のプディングになってしまうので、入れても構いませんが小粒のものにするか少量にとどめておきましょう。ちなみに、イギリスの超有名料理研究家Nigel Slater氏のおすすめは、ブラックカラント(黒スグリ、カシスとも)150g、レッドカラント(赤スグリ)250g、500gのラズベリーだそうです。日本でこのベリーたちを生で揃えようとすると大変なことになるので、果樹園を持っている人以外は冷凍ベリーを上手に使うのが良さそうです。

次のポイントは食パン。買ってすぐの新鮮なパンだと、果汁が染み込まず、まだら模様のプディングになってしまいます。数日置いた乾燥気味のパンを使いましょう。そして、食パンはスーパーの特売品ではなく、できればパン屋さんの美味しいシンプルな食パンを使いましょう。イーストフードで膨らませた大量生産のパンを使うと、色はしっかり染まっているのに、何故かしっとりではなく、ぬるっとした気持ち悪い食感になってしまうので要注意です。
そして最後にもうひとつ、ベリーを煮た時に出るジュースを全部使ってしまわず、少し残しておくこと。型から出した時、赤く染まっていない場所があったら染み込ませて修正できるようにしておきたいのです。
さぁ、この三つのポイントを踏まえて、これから来る夏本番、ビタミンC補給にもなるベリーたっぷりサマープディングを是非お試しください。

イギリスのPYO(Pick Your Own)
イギリスのPYO(Pick Your Own)でベリー狩り
収穫したベリーたちと、ラズベリー&クリーム
収穫したベリーたちと、ラズベリー&クリーム

サマープディング<レシピ>

Summer Pudding

~サマープディング~

容量800mlプディングベイスンまたはボールなど1台分

食パン(薄切り)_____ 6~8枚
ベリー類 ___________ 500g
(ラズベリー・ブラックベリー・ブラックカラント、ブルーベリーなど)
グラニュー糖 ________ 130g
お好みで風味付けにシェリー酒やクレームドカシスなど _____ 少々

付け合わせ用 生クリーム 適宜

  1. グラニュー糖と水大さじ2を鍋に入れ、砂糖が溶けたらベリー類を入れます。
    沸騰したら5分ほど、あるいはベリーが柔らかくなり、かつ形が崩れない程度を目安に煮ます。好みでリキュールを加えて冷ましたら、シロップとフルーツに分けておきましょう。
  2. プディング型(器)からはみ出すようにラップを敷いたら、次は食パンのカット。耳を切り落とし、まずは型の底と蓋となる部分、そして側面はほんの少し重ねながら敷き詰められるように考えながらカットします。
  3. 食パンの片面にシロップを染み込ませ、その面がラップ側になるようにまずは底、次に側面部分をほんの少し重ねながら敷き詰めます。
  4. シロップをパンの内側に染み込ませるように少しずつかけます(シロップは全量使わず、少し残しておきましょう)。フルーツをぴっちり詰め、蓋部分の食パンをかぶせます。はみ出させておいたラップで蓋をし、皿などで軽く重石をして、シロップが染み込むまで一晩冷蔵庫で休ませます。
  5. お皿にひっくり返し、ラップを外します。もしパンに白い部分があれば残しておいたシロップを染み込ませましょう。
    お好みで、生クリームをかけて召し上がれ。

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安田真理子

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仙台市出身 宇都宮にてイギリス菓子教室「Galettes and Biscuits(ガレットアンドビスケット)」を主宰。イギリスの暮らしに息づくお菓子の味・...

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