フォートナム&メイソンでマイブレンド作り

昨年末(2022年12月)久しぶりにイギリスに行ってきました。最後に行ったのはパンデミック前2019年の暮れでしたので、ちょうど3年ぶりです。

今回渡英の主目的は昨年亡くなられた友人のお母様を偲ぶ会だったのですが、ついでに英国のあちこちにも行き、古い友人たちと再会をして楽しみました。

ロンドンで一番好きな場所

旅の最後はロンドン。美術館やらレストランやら、都会のお楽しみがいっぱいです。
「ロンドンに飽きた人は、人生に飽きた人だ」という有名な言葉がある通り、ロンドンには見たいもの、行きたいところがたくさんありますが、私の場合、「ロンドンで一番好きな場所は?」と問われたら迷わず答えるのが、フォートナム&メイソンの本店です。

フォートナム&メイソンロンドン本店の外観
フォートナム&メイソンロンドン本店
12月はお店の窓がアドベントカレンダー仕様になります
(コラム内の写真は全て筆者撮影)

1707年創業のフォートナム&メイソンは王室御用達の紅茶ブランドとして世界的に知られていますが、スタートは食品を扱う商店でした。現在は紅茶以外にビスケットやチョコレートなどお菓子類はもちろんのこと、上のフロアにはセレクトショップとしてのアパレルあり、自社ブランドの陶器や小物雑貨などもあり、古い建物そのもの、置いてある商品、そしてパッケージなど全てが美しく観光客にも大人気のスポットです。

久しぶりに行った昨年末のイギリスではコロナは完全に終わったかのような状態で、海外からの観光客もたくさん。12月初めでしたのでクリスマスショッピングたけなわで、店内はどこもごった返していました。

激混みの紅茶フロアに恐れをなして、さてどうしようかと店内を見渡したら目に入ったのが、セミオーダーで自分だけのブレンド紅茶を作れるコーナー。

フォートナム&メイソンの店内、紅茶の缶が並ぶ棚
量り売りとオーダーメイドのコーナー

そうそう、これやりたいと思ってたんだわ、といそいそとカウンターに行きました。

マイブレンドができるまで

まず下の写真のように、ディスプレイのトップに6つの大まかなカテゴリーがあります。
そのうち4つは紅茶、2つは緑茶です。
緑茶は近年イギリスではものすごい人気で、特にフレーバーのついた緑茶は普通のスーパーマーケットでもたくさんの種類が置かれています。ほんの20年ほど前、来日したイギリス人ゲストが緑茶を出されるとすごく嫌そうな顔をしていたのを覚えている私には、隔世の感です。

オーダーメイドコーナー

さて、この6つのカテゴリーは、大まかな味や香りの傾向を決めるためのものです。残念ながらこの部分のアップ写真を撮っていないので具体的な文言は忘れましたが、例えば「ナッツを思わせる」といった表現があります。これは実際にナッツフレーバーが加えられるわけではなく、あくまで香りのイメージのこと。ワインを説明するのに使われる様々な表現がありますよね?あれと同じです。

この文言について係の人にいろいろ尋ねてイメージが湧いたところで、私は「イングリッシュ・ブレックファスト系(しっかり出るのでミルクティー向け)」と言われたものを選びました。

6つの中からひとつを選んだら、今度はその中で味の濃い薄いを選びます。Strong(濃い)、medium(中間)、weak(弱い)の3段階です。
私はストロングを選びました。がっつり出せるミルクティー狙いです(笑)

これで、どの茶葉をどういう割合で混ぜるのかが決まるわけです。たくさんある種類の中から、2種類の茶葉を選んで測り、混ぜてくれます。私のここまでのセレクトの結果、係の方はルワンダとアッサムの大きな缶を取り出して測り始めました。

紅茶の缶から茶葉を計量してブレンドしてくれるフォートナム&メイソンのスタッフ
要望に沿って紅茶をアレンジしてくれるフォートナム&メイソンのスタッフ

これでベースの紅茶は完了。
今度は好みでデコレーションです。

ディスプレイされている色付きの花びら
ディスプレイされている色付きの花びら

このディスプレイの一番上にある色つきの花びら、これも色を選べます。2色までOKなので、私は青紫と濃いピンクを選びました。「あくまでデコレーション用で、味と香りには影響ありません」とのことです。

すべてをよく混ぜて、フォートナムの美しい缶に入れてくれます。

「LONDON 2022」と名付けたカスタムブレンドの紅茶

このカスタムブレンド作りのさらなるお楽しみは、ブレンド名を自分で決められるのです。
文字数に制限はありますが、タブレットに自分で打ち込んで決定。この時私は久々のロンドン訪問を記念して、「London 2022」と名付けました。
そして封印されて完成です。

LONDON 2022のラベルが貼られたカスタムブレンドの紅茶缶
LONDON 2022のラベルがついたカスタムブレンドの紅茶

セミカスタマイズとは言え、大好きなフォートナム&メイソンで自分の意図で紅茶缶を作ってもらえる……お店のファンにはたまらないお遊びです。

さて、写真についてはこのプロセスが始まる前に、「作っている間に写真撮ってもいいですか?」と尋ねて許可をもらいました。

店員さんたちも観光客慣れしているとはいえ、もし皆さんがここで同じ事をなさるときは「写真を撮っていいか」と必ずお聞きくださいね。

さてこの完成品は、後日友人達を招いたお茶会でお披露目しました。味や香りには関係ないと言われていたデコレーションの花びらは、私が欲張って2種類選んだせいなのか若干香りがありました。が、ミルクティーにすると紅茶の味も牛乳の甘みも際立って、とても美味しかったです。
フォートナム&メイソンのお好きな方、ロンドンでのお遊びリストに加えていただければ幸いです。

《ライターさんの告知情報》

【イギリス旅行の様子を日本語と英語で視聴してみませんか?】
このときのイギリス旅行全体について、以前オンラインでお話しました。オックスフォードでのお葬式イベントを皮切りに、学生時代にお世話になっていたエディンバラのホストファミリーを訪ね、あちこちで旧友に会い、最後はロンドンに戻って過ごした約10日間の旅について、1時間ほどで語っています。
日本語と英語のバイリンガル進行です。どちらかだけをお聞きいただいても流れがお分かり頂けるように、話しているつもりです。
このコラムに書いたフォートナム&メイソンでのことを英語で話すとどうなるか、というのもお楽しみいただけるかと思いますので、よろしければいかがでしょう?
ご希望の方は録画をご購入いただけます。下記のリンク先からお申し込みください。

https://forms.gle/PthLwtpqqHAJQg6E8


高島まき

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イギリス英語発音スクール British English House 代表。日本では数少ない正統派イギリス英語発音の専門家として定評があり、自身のスクール主...

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