ズッキーニチョコレートケーキのお話しとレシピ
夏の定番野菜ズッキーニ
気が付くと、日本でもすっかり夏の定番野菜になっているズッキーニ。一体いつの間に?
子供の頃は絶対になかったはずだけれど、今では緑色のものから黄色のもの、縞々もあれば、黄色と緑の二色のものもあり、形も丸やUFO型のものまで実に様々。シーズンになると、イタリアさながらにズッキーニの花まで並んでいます。
このズッキーニ、どうやら日本には80年代に輸入され始めたそうですが、イギリスでも実はそう古くから食べられてきた野菜ではありません。ズッキーニを巨大にしたようなマーローという野菜は古くから食べられてきたものの、ズッキーニがイギリスに入ってきたのは1930年代、一般の食卓にあがるようになったのは70年代頃のことのよう。
日本と違ったサイズ、イギリスのズッキーニ
今では日本以上にすっかり定着しているズッキーニですが、イギリスでは「ズッキーニ」ではなくフランス風に「courgette(コジェット、クルジェット)」と呼ばれています。そしてもう一つ、日本と違うのはそのサイズ。
日本のスタンダードなサイズは、きゅうりを一回り大きくした感じですが、イギリスのズッキーニは日本のきゅうりサイズか、もう少し短め。その代わり?と言っては何ですが、きゅうりは特大です。かなり太めで、長さは30cm位。ですから、一本売りなのはもちろん、スーパーでは半分にカットされているものもよく見かけます。きゅうりとズッキーニのサイズが日本とは逆転しているようなイメージです。
ズッキーニを使って作るチョコレートケーキ
このきゅっとしまった小ぶりのズッキーニを使って作るのが今日ご紹介するズッキーニのチョコレートケーキ。
ズッキーニとチョコレート??と危ぶむなかれ。
これが想像以上に美味。生地に対して、千切りにしたズッキーニをかなり投入するのですが、もともとそれほど香りも味も薄いズッキーニのこと、言われなければその存在には気づきません。言われて味わってみてもよく分からないほど。では何のために入れるのか?
作り方としてはキャロットケーキの人参の代わりにズッキーニを入れる感じなのですが、人参の甘味と風味を活かすキャロットケーキと違い、ここでのズッキーニの役割は、ケーキをしっとりさせることと、ボリュームを出すこと。つまりチョコレート味だけれど、夏に食べても美味しいあっさりしっとりケーキに焼きあがるのです。
ヘルシーで人気のベジタブルケーキ
また他のお野菜系ケーキ同様、バターではなく植物油を使うのも軽く仕上がる理由の一つ。オリーブオイルよりは、風味の少ないヒマワリ油や菜種油、グレープシードオイルなどがおすすめです。卵は使うのでヴィーガンケーキというワケではありませんが、ヘルシーブームの今のイギリスでは、カフェやファームショップ併設のティールームなどでよく見かける、キャロットケーキと並ぶ人気のベジタブルケーキになりました。
ズッキーニチョコレートケーキを美味しく作る”コツ”
美味しく作るコツは、チーズおろしなどで千切り状にしたズッキーニの水分をペーパータオルなどを使ってしっかり切ること。
そしてできればイギリスのもののように身の締まった小さめのズッキーニを使うこと。きゅうりと一緒で、大きくなり過ぎたズッキーニは、中の白い水っぽい部分の割合が多く、スポンジ状になっていることが多いので。どうしても大きなものしか手に入らないときは、おろす時に中央(芯の)部分を少し残すといいでしょう。
キワモノ風に聞こえるズッキーニチョコレートケーキですが、一度味わってみれば夏のチョコレートケーキとして定番化すること間違いなし。
ここでご紹介しているのはイギリスで一番一般的な2パウンドローフティンと呼ばれる900g生地が入る型一台分。18~20cm程度の丸型で焼いてもいいですし、ミニパウンド型に分けて焼いても可愛いもの。
お手持ちの型で是非一度お試しを。
ズッキーニ チョコレート ケーキ<レシピ>
Courgette Chocolate Cake
~ズッキーニ チョコレート ケーキ~
2パウンド用ローフ型(約21cm×11cmのパウンド型)1台分
または11×6cmミニパウンド型4台分
卵 __________2個
ブラウンシュガー __130g
植物油 _____80ml(ヒマワリ油、菜種油、グレープシードオイルなど)
ラム酒 _____大さじ1 (あれば)
【A】
┏ 薄力粉 ___________160g
┃ ココアパウダー __40g
┃ ベーキングパウダー __小さじ2
┗ 塩 _______________ひとつまみ
ズッキーニ _____225g
チョコレート ___50g
<下準備>
型には底と側面に紙を敷いておきます
オーブン予熱170℃
- ズッキーニを余分な水分が出ないようチーズおろしなどで粗めの千切り状態におろし、ペーパータオルにのせてしっかり水気を切っておきます。チョコレートは細かく刻みます。
- ボールに卵とブラウンシュガーを入れ、ハンドミキサーでふんわりするまで2~3分混ぜます。植物油とラム酒も加えて軽く混ぜます。
- Aの粉類を全て合わせてふるい入れ、千切りのズッキーニと刻んだチョコレートも加えたら、粉が見えなくなるまでゴムベラで混ぜ合わせます。
- 型に生地を流し入れて170℃のオーブンで約50分ほど焼きます(焼けたかどうか竹串を刺してチェックすると、とろけたチョコレートが付いてくることがありますので生焼けとお間違えなく)。
Tip: お好みで湯煎で溶かしたチョコレート50gに植物オイル小さじ1を加えたものをかけるとさらにチョコレート感がアップしますよ。
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