春を呼び込む ~イースターアフタヌーンティー~

イースターとは?

陽射しが柔らかくなると、もうすぐ「イースター」の季節ですね。
日本では、まだまだ馴染みのないという人も多い行事ですが、いったいイースターとは何でしょうか?
イースターは日本語で「復活祭」の意味。イエス・キリストが十字架にかけられて3日目に復活したことを祝う行事で、キリスト教ではクリスマスと並ぶ大切な祝祭です。宗派によってはキリストが降誕したこと(=クリスマス)よりも復活したこと(=イースター)のほうが重要と位置づけることもあり、盛大にお祝いする国もあります。

イースターっていつ?

イースターは教会暦で移動祝祭日に定められています。西方教会と東方教会では暦が異なりますが、イギリスの英国国教会ではグレゴリオ暦を採用し、「春分の日を過ぎた最初の満月の次に来る日曜日」がイースターサンデーになります。
クリスマスの祝祭も教会暦では1か月以上に渡って行われますが、イースターも同じ。
レント前のShrove Tuesday(懺悔の火曜日)Maundy Thursday(洗足の木曜日)
Good Friday(受難の金曜日)などイースターサンデーに向けての礼拝や行事が粛々と行われます。

イギリスでのイースターの祝いかた

イギリス人はイースターが大好き。イースターの語源はゲルマン語の春の女神を意味する「Eostre(エオストレ)」からきているともいわれ、宗教行事というよりも、長い冬に終わりを告げて春がやってきたことをお祝いするムードに包まれます。

そして、紅茶の国イギリスでは、もちろんイースターとティータイムは切り離すことができません。
たとえば、Shrove Tuesday(懺悔の火曜日)は罪深い名前とは裏腹に、みんなが待ちわびる楽しみな日。
別名パンケーキデー(Pancake Day)といって、翌日からのレント=断食期間に備え「冷蔵庫にある卵やミルクなどの乳製品を使い切る!」という名目でパンケーキを焼いて、紅茶と一緒にいただきます。
それだけではなく、イギリス各地でパンケーキレースが繰り広げられるのです。レースの歴史は古く1445年、一人のおっちょこちょいな主婦からはじまったとされています。
朝から大忙しの彼女は、礼拝を知らせる鐘を聞いて、パンケーキを焼いていたフライパンを持ったまま慌てて家を出て礼拝堂へ走っていった…というエピソードから生まれた微笑ましいレースです。
また、みんな大好きホットクロスバンズは一年中出回っているポピュラーなパンですが、クロス模様は十字架を象徴していて、キリストを偲びGood Friday(受難の金曜日)にいただくという慣習がありました。

イースターアフタヌーンティー

イースターのアフタヌーンティーのお愉しみといえば、この季節ならではの英国菓子。
ティーテーブルの中心を飾るのはシムネルケーキです。ケーキそのものはクリスマスにいただくドライフルーツと洋酒をたっぷり含ませた伝統的なフルーツケーキなのですが、このケーキの美味しさは何といってもマジパン。市販のマジパンではなく、手作りのマジパンにペールトーンのイエローで色をつけて飾り、11個のボールを並べます。なぜ11個かといえば、イエス・キリストの使徒の数を表しています。シムネルという名前はラテン語で上質の小麦粉を意味する similaに由来するといわれ、街中でもこの時期に沢山のシムネルケーキを見かけることができます。
そして、イースタービスケット。薄く焼いたビスケットを3枚重ねてリボンで結び、ビスケットホルダーに飾ります。3枚というところにも意味があり、三位一体(神と子と聖霊の三位は元来一体であるという教理)を示しています。そのまま口に運ぶのではなく、リボンを解いて一枚ずついただくのがアフタヌーンティーの流儀です。

イースターのシンボル、たまごやうさぎ、色とりどりの春の球根花たちでコーディネートしたティーテーブルに集い、イースターティー片手に美味しいティーフーズを頬張れば、気分は春爛漫。
ちなみに、今年のイースターサンデーは3月31日。ちょうど桜の季節と重なりそうですよね。イースターアフタヌーンティーでお花見…、春の訪れを五感で味わってみてはいかがでしょうか?

《ライター》藤枝理子の著作紹介(一部)


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藤枝理子

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RICO FUJIEDA アフタヌーンティー研究家 東京都世田谷区にて紅茶教室「エルミタージュ」を主宰。 紅茶好きが嵩じてイギリスに紅茶留学。帰国後に東京初...

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