イギリスのマーマレードの世界
~おいしいマーマレードが食べたい時~
イギリス旅行中に手作りのマーマレードが食べたい時
イギリス旅行中に手作りのマーマレードを味わいたい、そんなマーマレード大好きさんは、ローカルなものを売っているファームショップでマーマレードを購入したり、または朝食に手作りのジャムやマーマレードを出すB&Bに泊まるという方法があります。
B&Bとは、「ベッド&朝食(ブレックファースト)」を提供する民宿の意味ですが、イギリスの方の生活が垣間見られて、私は大好きです。
B&Bと一口にいっても、お部屋や朝食、宿泊代もピンからキリまで、そして朝食に、ごく普通の市販のマーマレードが並ぶ時も多いです。しかし、手作りのマーマレードが朝食に出てきたら、それはとてもラッキー。
以前、ロンドンから湖水地方に行く途中、宿泊したのがチェシャー州、クルー(Crewe)にあるコーナーファーム(Corner Farm)というB&B。ネットで偶然見つけ、朝食に手作りのジャムがサービスされるという口コミに惹かれて、ここに決めたのでした。
期待しながら朝食のダイニングルームに行くと、手作りのジャムやマーマレードがテーブルに並び、「ジーンのマーマレード」とラベルに名前が入ったビンもありました。作った方の自慢のマーマレードかもしれませんね。
イギリスでは、ジャムやマーマレードは保存食なので、フルーツに対して砂糖も同じ量を使い、日本の甘さ控えめジャムとは一線を画します。しかしジャムの味わいがパンに負けず、おいしいものでした。
ペンリスで出会ったマーマレード
ダルメインのマーマレードフェスティバルの際に泊まった、ペンリスのB&B。その朝食に出てきたのは、セヴィルオレンジとレモンで作った、とても美しい色あいのマーマレード。聞いてみると、マーマレードフェスティバルにあわせてマーマレードを作ったのですって。「初めてだから、ちょっとゆるめのマーマレード」なんて、謙遜されていましたが、いやいやなかなかおいしいマーマレードでした。
そうそう、ダルメインのマーマレードアワードには、「B&B・ホテル・レストラン」のカテゴリーがあり、ホテルや飲食店を営んでいる人がマーマレードを出品します。受賞したお店の一部は、ダルメインのホームページにも掲載されているので、それを見ながら、次のイギリス旅行に思いをはせるのも、楽しいものです。
★ダルメインのマーマレードアワード「B&B・ホテル・レストラン」カテゴリー 受賞施設のマップ★
Dalemain Marmalade B&B and Hotel Award Winning Map
フォートナム&メイソンで買う方法も
効率よく、いろいろな種類のマーマレードを買いたい時は、ロンドンのピカデリーにある、フォートナム&メイソンもお薦めです。フォートナム&メイソンは、ダルメインのマーマレードアワードをサポートしているので、ダルメインのマーマレードだけでなく、その年のマーマレードアワードで金賞受賞したマーマレードのうち、いくつかを販売しています。買いに行くタイミングは、マーマレードアワード発表の後。
ダルメインのアーティザン部門でゴールド受賞のマーマレードは、やはりおいしいので、旅行中に見かけたら、お買いになるのがよいと思います。
マーマレードは朝に食べるもの?
そうです。知り合いのイギリス人に聞いても、「マーマレードは朝食べるもの」と言います。そして、アフタヌーンティーでは、マーマレードではなく、ベリー類のジャムを添えます。
もともと15世紀頃のイギリスでは、クインス(マルメロ)で作ったものをマーマレードといっていましたが、その後オレンジで作られるようになりました。クインス(マルメロ)のマーマレードの頃は、夜もデザートとして食べていたそうです。しかしオレンジのマーマレードになると、当時オレンジは消化に時間がかかると思われていて、朝食べるものになったと聞きました。
そうはいっても、ダルメインのティールームでは、スコーンにマーマレードがついてくるし、ダンディーケーキや、マーマレードを使ったブレッド&バタープディングなど、お菓子や料理にマーマレードを使います。
私は、好きなようにマーマレードを楽しむのが一番だと思います。ちなみに私の毎日のランチは、パンにマーマレードを挟んだサンドイッチです。
マーマレードを食べる時はホワイトブレッドに限る?
マーマレードを食べる時のパンは「ホワイトブレッドに限る」というイギリスの人もいます。
ブラウンブレッドより、ホワイトブレッドの方が、マーマレードの繊細な味がわかるのだそうです。なるほど、そこまでこだわるマーマレード。私達が考える以上にマーマレードは、イギリス人の生活に密着したものかもしれませんね。
私が好きなマーマレードの種類
マーマレードの種類は、数えきれません。柑橘類の種類によって味は変わりますし、お酒を入れる、ルバーブやパッションフルーツなど他の果物を入れる、ハーブやスパイスを入れる、もう星の数ほどの組み合わせがあります。
そんな中で私が好きなマーマレードの1つが「スリーフルーツ」または「フォーフルーツ」マーマレード。これは3種類または4種類の柑橘類をミックスした、それぞれの柑橘類の持ち味を生かしたマーマレード。使う柑橘類は、「スリーフルーツマーマレード」の場合、グレープフルーツ、レモン、オレンジ。そこにライムなど、もう1種類が入れば「フォーフルーツマーマレード」。
私も好きな柑橘類を組み合わせて、自分好みのスリーフルーツマーマレードを作っています。
セイヴォリーマーマレードとは?
ダルメインのマーマレードアワードでは、料理に合わせるマーマレードのジャンルの1つとして、「セイヴォリーマーマレード」があります。
セイヴォリー(Savory)とは、つまり、食事に合わせるマーマレード。
その1つがこの「バーベキューマーマレード」。名前の通り、バーベキューのソース代わりに使うマーマレード。どんな味わいだろうと一口食べてみると「おぉ、スモーキーな味わいで、やはりマーマレード」なのです。
写真は、2014年ダルメインのマーマレードアワード、アーティザン部門でダブルゴールドを受賞したマーマレード。あまりにクリエイティブで、私がすごいと思ったマーマレードです。
マーマレードの色は茶色。材料は、オレンジ、パイナップルやトマトピューレ、ニンジン、スモークパプリカ(スモークの香りがついてパプリカの粉末)など。私達が考えるマーマレードの範疇を超えています。このスモーキーな香りこそが、バーベキューをイメージさせるのです。
以前このマーマレードを作った方に「なぜこのマーマレードを考えたの?」と、聞いてみたところ「バーベキューソースをあれこれ作った時に、ふとマーマレードの材料と似ていると思い、作ったのよ」との事でした。残念ながら、もうこのメーカーは、製造販売はしていません。
しかし、バーベキューマーマレードはなくても、ソーセージをソテーした時に、マーマレードを絡めるだけで、「スティッキー(ネトネトした)ソーセージ」の出来上がり。ソーセージの塩味に甘いマーマレードがとてもよくあいます。
EnglishKitchenのYahooショッピングサイトで常時販売しています
また、『UK Walkerオンラインストア』でも取り扱わせていただく予定です