サンドイッチのお話し
~ローストビーフと飴色玉ねぎサンドイッチ~

ローストビーフのサンドイッチ
残ったローストビーフで作るおしゃれなサンドイッチ

サンデーローストのリメイク

イギリスで日曜日に食べる「サンデーロースト」は、今でも現地で愛されている食文化である。
ローストした塊肉と茹でたりローストした野菜をワンプレートに盛り付けて食べる。
日曜日以外には決して食べないこだわりもすごいと思う。

今は子供が巣立ち、夫婦二人だが日曜日はサンデーローストを作る習慣は続いている。私が一番好きなローストビーフは最低1Kgの塊肉で作るので当然余る。そんな時はサンドイッチにリメイクして食べることが多い。
ちなみに、残った野菜はバブル&スクイーク (Bubble&Squeak)という炒めてフライ返しで上から押さえつけながら焼き固める料理がある。

サンドイッチのお話し

サンドイッチは、18世紀のイギリスで生まれたと言われている。この料理の名前の由来にはいくつかの説があるが、最も有名な一つは、ジョン・モンタギュー(John Montagu)というサンドイッチ伯爵に関連している。
ジョン・モンタギューは、賭博に夢中になり、カードゲームの合間に食事をとるのが面倒だったので、肉やチーズをパンで挟んで片手で手軽に食べられるようにと、食事の形態を考案したとされている。
サンドイッチはその便利さと手軽さから、世界に広まり様々なバリエーションが生まれたのである。

パブで出されたローストビーフサンドイッチ

手にもって見せる半分に切り分けたローストビーフと飴色玉ねぎサンドイッチ
パブで見かけるローストビーフと飴色玉ねぎサンドイッチ

ある日パブで、ビーフラザニアを注文したのだが、運ばれて来たのがこのローストビーフサンドイッチだった。まだ私がイギリスに来て間もなかった頃なので発音もわかりづらく、ウエイトレスはビーフという言葉だけをキャッチしたのだろう。
気分はラザニアだったのだが、自分の注文したのはビーフラザニアだと主張するにはあまりに英語力がなかったため、このまま食べることにした。

そして何より私が想像していたより美味しそうなものが運ばれて来たからだ。
イギリスのサンドイッチはその当時はパサついた食パンにバターをたっぷり塗ってあまり変化のない具のサンドイッチが多かった。(今は進化して工夫いっぱいの美味しいものが増えた)
そういうものを想像していただけに飴色玉ねぎのレリッシュと溶けたチェダーチーズがはみ出し、隠し味にマスタードを忍ばせていたこのサンドイッチは大袈裟ではなく驚きのサンドイッチだったのである。

家に戻って再現。
あっけなくパブで食べたものと同じ味が自宅で作れたのだ。

イギリスパブ風・ローストビーフサンドイッチの作り方

このサンドイッチの中で鍵を握るのは甘みが旨みの飴色玉ねぎのレリッシュだ。
手軽に作れるのでぜひ作っていただきたい。

小鍋で傷めたレリッシュ
飴色玉ねぎのレリッシュ

小さな紫玉ねぎ100g分を繊維に逆らってスライスする。
小鍋にバター20gを溶かし、玉ねぎ、砂糖大さじ1を加えて中火で焦げないように木べらで7分前後炒め、水大さじ1を加えて程よい硬さに仕上げる。
日本では市販のローストビーフが売られているのでそれを使うと手軽に作れるだろう。
海外でローストビーフを作る場合は1Kgのサーロインや牛もも塊肉を常温に戻し、塩、粗びき黒こしょうを表面に刷り込む。200℃(ファンオーブンの場合は180℃)に予熱をし、耐熱トレイにドリッピングという牛脂またはオリーブオイルを多めに入れてオーブンで温める。
温まった熱々のオイルで肉の表面をコーティングをして旨みを閉じ込め、オーブンに入れて約30分焼く。
180℃(ファンオーブンの場合は160℃)に温度を下げて約10分ほど焼いて取り出しアルミ箔で包んで 約30分休ませる。冷めたら薄く切ってメイン料理として食べ、余ったら今回のサンドイッチを作ることをお勧めする。
メイン料理として食べる時はじゃがいも料理のマッシュポテトやローストポテトと温野菜を添えるとイギリスらしい。

塊肉を薄くスライスして作るサンドイッチ用のローストビーフ
残ったローストビーフをサンドイッチ用に薄くスライス

今回はホールミール(全粒粉)のバンズを使った。
食パン以外のパンで作るものもサンドイッチと呼ばれこともある。
半分に切って断面にバターを塗り、トレイにアルミ箔を敷き断面を上に向けて乗せる。

まな板に並べたローストビーフサンドイッチの材料
ローストビーフサンドイッチの材料
オーブンで温められたバンズと、その上にのったチェダーチーズ
チェダーチーズがおすすめ

下になる部分はそのまま置き、上になる部分はイングリッシュマスタードまたはデイジョンマスターを塗り、すりおろしたチェダーチーズをのせて、トースターまたはオーブンでチーズが溶けるまで焼いて取り出す。
薄くスライスしたローストビーフ、飴色玉ねぎのレリッシュを乗せ、トーストしたパンで挟んで完成。

木製ボードに盛り付けられたローストビーフサンドイッチとサラダやチップス
食べ応えのあるイギリスのサンドイッチ

サラダとクリスプス(ポテトチップス)を木製ボードに盛り付け、サンドイッチを乗せたらさぁ、ビールを取り出して乾杯しよう。

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エリオットゆかり

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イギリス在住料理研究家 イギリス人の夫、23歳の日本在住の長男(現在ロンドン在住)、21歳の長女の4人家族。 2000年にイギリスに移住 食をメインにイギリ...

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