【ロンドン・五つ星ホテル 優雅なアフタヌーンティー セレクト3】
~コノート・ドーチェスター・マンダリン~

2010年から『紅茶でおもてなし教室 Tea Mie』を主宰しております”ミンミン”こと坂井みさきです。旅愛好家で紅茶とアンティークが好きなので必然と英国への訪問も多くなり、英国との関わりあるお仕事もさせていただいております。この度は友人の英国在住、料理研究家エリオットゆかりさんからのご紹介で、コラムを執筆させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。

第1回目は、昨夏、コロナ明けに久しぶりのロンドン五つ星アフタヌーンティー伺いましたので、3ケ所をご紹介させていただきます。
最近はロンドンホテルアフタヌーンティーにも”おひとりさま”で伺うことが多かったのですが、今回は3カ所とも「英国在住の友人と共に2名で予約」という条件での感想です。

どこのアフタヌーンティーに行くか?最大の悩みでもあり楽しみ

プロおすすめの「ザ・コノート」のお味に感動

まずは、2023年9月号、『家庭画報』の「新しい英国」特集で大きく紹介されていた、かねてから噂の高い「ザ・コノート」。高級店が立ち並ぶメイフェア地区でも伝統あるホテルに潜入です。

~メイフェアらしい煉瓦造りの外観に黄色のテントが目印~

マホガニーの吹き抜け階段が印象的なロビーに季節の装花が素晴らしく、以前は一見のお客様は受け入れNGの紹介制のホテルだった風格が漂います。

~生花で風格を表すフラワーアレンジはいつもお見事!~

一応ホームページで確認済みではありましたが、実際のアフタヌーンティーを提供するダイニングは、ステンドグラス越しに日差しが差し込む、案外カジュアルな雰囲気で、ロビーエントランスとのギャップに驚きます。

~重厚な雰囲気のロビーからドアを隔てたレストランは、いきなりカジュアル~

スタンド―ドなアフタヌーンティーをオーダーすると、定評のある5種のフィンガーサンドイッチが手作業とは思えないほど美しくカットされ、セレクトした紅茶と一緒に運ばれてきます。フィリングのバリエーションやパンのきめ細かさは、さすがにプロが認める味覚の高得点。お替りしたくなる気分を抑えてアフタヌーンティースタンドを待つ期待も膨らみます。

~1度は食してみたい絶品フィンガーサンドイッチ~

高級ホテルのティーメニューは、どこも紅茶の種類が多く目移りしてしまいます。メニューが運ばれ、1杯のTEAをセレクトするのは案外、時間がかかる作業。私はサンドイッチとのペアリングを考え、最初の紅茶はダージリン(セカンドフラッシュ)を選ぶようにしています。実は、同じダージリンでもホテルによってのセレクトを比較するのが興味深いという理由もあるのです。
ホテルの方に、おすすめをお尋ねすると、最近のトレンドのルイボスティーや緑茶ベースを推されたり、時々ホテルブレンドのフレーバーが強すぎる紅茶だったりした経験もあるので、最初の紅茶は保守的なセレクトが安全策のような気がします。

~4段のモダンなアフタヌーンティースタンドはカラフルで美しい~

スコーンも評判のお味で、なんといってもビジュアルが美しい生のケーキは、いわゆる英国菓子ではない最近、トレンドのフランス風。スポンジケーキやタルトと、繊細なお味が広がり飽きることがない。チョコレートフォンデュなど、新しいアイディアも加わり、伝統と革新との融合のようなアフタヌーンティーは味覚プラス、カラフルな色のバランスなど満点の評価と言っても過言ではありません。
スイーツにあわせては、アッサムやイングリシュブレックファーストをセレクト。味わい深く紅茶のサービスもフレンドリーです。

~スイーツの評判が素晴らしいのも納得のセレクション~

ただ、私が個人的にアフタヌーンティーに求めるのが”ラグジュアリーな非日常”。その観点からすると、席間が狭く、窮屈に感じてしまい、ゆっくりできない。生演奏がないのも残念でした。ガラス張りテラスのような空間はエアコンが適温にならず、熱い紅茶をいただくと汗ばむ結果となり、サービス面においても、75ポンド(2023年当時1ポンド=186円)を支払うには少し首をかしげてしまう印象だったと辛口な感想も正直に綴っておきます。

セレブが集うリニューアルした伝統の「ザ・ドーチェスター」

毎回の渡英で日程が限られているなかでのアフタヌーンティープレイスのセレクトはいつも直前まで悩みます。
以前の好みは「ザ・サヴォイ」、「ザ・レインズボロウ」など、サービスや”映え”なども高い要素だったのですが、私の選ぶ総合第1位は「ザ・ドーチェスター」。日本人の評価は、最近渡英した紅茶仲間の間では定評のある「ザ・リッツ」が1番に名前が挙がるのですが、英国在住のアフタヌーンティー通の友人が推すのは「ザ・ドーチェスター」なんですよね。私も過去の経験から異論のないところでした。

~各界のVIPが訪れる格式高いホテルの外観~

ならば、2022年末にリニューアルしたドーチェスターホテルの”パームコート”がどのように変わったのかを見てみたい。躊躇したのは、その当時、シャンパン付きのアフタヌーンティーしか選択肢がなく、最低料金でも120ポンド。これに税金やサービス料を加え日本円に換算すると、ひとり2万5千円越えなのです!高すぎると悲鳴ものの価格設定にも逆に興味が沸き、話題のひとつとして捉え、トライしてみました。

~エレガントな空間でのアフタヌーンティーは夢見心地~

以前はシノワズリーな空間も英国らしくて気に入っていたのですが、エントランスからのアプローチが上品なピンクの装花で飾られ、好みのインテリアに心拍数があがります。

~生花のボリュームも他のホテルを圧倒する迫力に魅せられる~

着席して、最初に目につくのがインテリアの雰囲気とマッチしたティーウェア。以前はフランスのアヴィランド製のミントグリーンのストライプでしたが、今回は英国高級メーカー「ロイヤルクラウンダービー」のオリジナルに変わっていて、フェミニンな印象が”姫気分”を押し上げます。

~ホテルオリジナルの作品はホテル公式HPから購入可能~

以前は極上の味と思っていたドーチェスターのサンドイッチですが、もちろん今回も美味しく見た目も最高。ただ、サンドイッチだけを比較すると、コノートのほうに軍配が上がるという感想。いや、かなりレベルの高い争いなので、正直好みは分かれるでしょうが、自分の評価も毎回、上書きされて当然です。

~サンドイッチ好きにはたまらない美味しさと参考になるビジュアル~

客席には日本からのゲストは見当たらず、おそらく英国在住のセレブリティ、あとは海外の富裕層の宿泊者がくつろぎにやってくるといったところでしょうか?庶民の旅行者が立ち寄るには敷居が高過ぎるのかもしれないですね。プライベートが保たれている空間はすばらしく、調度品にもときめき、まさに非日常が体感できる!これぞ、私が求める大切なエッセンスが広がっていました。

ただ、サービスがあまりにも遅い。サンドイッチのあとマカロンがサービスされたまま、1時間を過ぎてもスコーンやアフタヌーンティースタンドが運ばれてこないのです。遠くに置かれた最高級JIN紅茶のサービスも自分では手が届かない場所にあり、ホテルサービスの方に声をかけようにも他のゲストで手が回らない状況でした。

~マカロン1個が美しくも悲しく放置されたまま~

ようやく焼きたてスコーンとペイストリーのスタンドが運ばれました。空間が広いので大きなスタンドも違和感なくふたり分が綺麗に配置されています。もちろんお味は五つ星ホテルが誇る丁寧な仕事ゆえの美味しさで、サービス面で眉をひそめていたのですが機嫌がなおるお味ではありました。

~豪華なアフタヌーティースタンドに魅了される~

2023年のベスト・アフタヌーンティー受賞も納得の「マンダリン」

ラストにご紹介するのは「マンダリン・オリエンタル・ロンドン」。今回3ケ所のなかでは一番のおすすめ、「2023年ベスト・オブ・アフタヌーンティー」に選出されていたのも納得です。
アクセスが地下鉄ナイツブリッジからすぐで、アフタヌーンティー前後に、かの有名なハロッズデパートでの買い物もできるので、とても便利です。初めての訪問でも迷うことなく壮麗な外観のホテルはランドマーク的な存在でもあります。

~ナイツブリッジの駅を降りると美しいホテルが目の前~

エントランスのゴージャースな雰囲気にビクトリアンカラーのフラワーアレンジ。まさに非日常が味わえます。
一方、「ローズベリー」の内装はモダンで窓からの日差しを取り入れ、カラフルな色合いをうまく調和させていてセンスの良さを感じました。

~ロビーからの雰囲気と変わりモダンの中にもエレガンスあり~

マンダリンで提供されるサンドイッチはいわゆるホテルフィンガーサンドの定番の形とは違い、ハート型にアレンジなど、斬新。しかもどれも美味しく、とりわけコロネーションチキンの濃厚な味が好みで、ご一緒した友人と感動。帰国後、味の再現を試みていますが未だに、あの味にたどりつきません。

~可愛いサンドイッチやセイボリーも美味しく好評価~

セイボリーが多めで、スコーンも小さめ、枝を模した可愛いスタンドで運ばれる新感覚も人気が高いのが頷けます。
ペイストリーも、そのシーズンの”ロイヤルアスコット”イメージの帽子や”ウィンブルドン”のテニスボールなど意匠を凝らしていて、エンターテーメントとしての遊び心が随所に散りばめられています。甘すぎないスイーツは日本人好みかもしれません。
時折、声かけしてくれる紅茶のサービスはタイミング良く、ホスタピリティが素晴らしい。

~シーズンイベントにあわせたスイーツのクオリティが高い~

さらに「加点」がついたのはマンダリンホテルの扇マークがついたダークチョコレートのアイスバーがサービスされたことでしょうか?あの猛暑の6月、紅茶で熱くなった身体を冷やしてくれる絶妙なタイミングで運ばれたアイスに思わず歓喜の声をあげてしまいました。

~猛暑に冷たいアイスバーでおもてなし~

紅茶のサーブはユニークで、ポットからティーカップに円を描くようなパフォーマンス。窓から降り注ぐ太陽の光を浴びて、琥珀色の紅茶やハーブティーが美しく、何種類もティーフードに合せてサービスしてくれるおもてなしは毎回、笑顔のスペシャルサービスでした。

~独自の紅茶サービスの演出も楽しい~

時間が12時からスタートできるのでランチ代わりにもなりますが、75ポンドの値段が普通に思えてしまうのが怖かったです。

3つのホテルアフタヌーンティーから学ぶ?

さて、今回はロンドンホテルアフタヌーンティーで以上の3軒を選びましたが、円安の昨今、どれも常識を逸脱した金額になっていることは間違いありません。
ただ、もし同ホテルに宿泊するとなると、何倍ものプライスになってしまうので、一流ホテルに堂々と入り、最高の空間で提供していただけるティーフードや紅茶で、まずは満足し、いつの日か、お気に入りのホテルに宿泊する憧れを持つのもステキですね。

~3つのホテルアフタヌーンティーから学ぶ?~

WEB予約の際にできるだけ、「何時に退出したい」「SNSで紹介したいので写真撮影がしやすい場所希望」など、こちらのリクエストをお願いしておくのも、せっかくの旅の貴重な2~3時間のアフタヌーンティーを充実させるためには大切なことだと実感したので次回に役立てたいと思いました。

坂井みさき

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坂井 みさき/雑誌編集記者、趣味の海外旅行の経験を活かして、2010年に「紅茶でおもてなし教室Tea Mie」をオープン。その後、愛称の「ミンミン先生」とし...

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