イギリス王室70年ぶりの戴冠式、チャールズ国王3世のコロネーション

ここ数日、テレビでもイギリスのチャールズ3世国王の戴冠式が報道されるようになってきましたね。
現地、イギリスではこの戴冠式(コロネーション)に向け気運が盛り上がってきているようです。それもそのはず、前回のエリザベス女王の戴冠式は1953年ということで70年ぶりに国王が変わり、戴冠式のセレモニーが行われるのですから。 今日は、このチャールズ3世国王の戴冠式について、少しお伝えしていこうと思います。

チャールズ3世国王
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イギリス国王チャールズ3世とロイヤルファミリー

エディンバラ公フィリップ王配とエリザベス女王の長男として1948年11月14日にロンドンで生まれたチャールズ3世(Charles III)。
チャールズ国王は、王位継承者として数十年にわたって王室の公務や慈善活動、文化交流などに積極的に取り組んでこられています。環境保護やアーティスト支援など、社会的な問題にも関心を寄せ、自身の基金や団体を通じて活動しています。

1997年パリで起きた交通事故で非業の死をとげたダイアナ元妃と1981年に結婚し、ウィリアム王太子とヘンリー王子をもうけましたが、1996年に離婚。その後、2005年4月にカミラ・ローズマリー・シャンド(出生名Camilla Rosemary Shand)、現在のカミラ王妃(Queen Consort Camilla)と結婚し、王妃と共に公務に取り組んでおられます。

1981年ダイアナ妃と結婚時の新聞や雑誌の報道
sandidによるPixabayからの画像

イギリスファンのみなさんにとっては良くご存知のお話しと思いますが、カミラ王妃が王妃、女王と呼ばれるまでにはこれまで紆余曲折があったようです。昨年崩御されたエリザベス女王が生前に「チャールズの即位後、彼女がQueen Consort(王妃)と呼ばれることを望む」とのメッセージもあり、正式に国王の妃として認められてきたようです。
カミラ王妃のこれまでの称号クイーン・コンソート(国王の配偶者)は、今回の戴冠式を機に招待状にも記載されたクイーン(女王)と呼ぶように変わってきています。

ウィリアム・アーサー・フィリップ・ルイ皇太子とキャサリン皇太子妃
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チャールズ国王についてイギリス内ではエリザベス女王と比べられることも多く、またヘンリー王子とメーガン妃のニュースなどもあって英国王室の人気については賛否両論。この戴冠式を機に、イギリス国内でも王室への関心が高まることを願うばかりです。

イギリス王室と日本の皇室

今日の戴冠式にも秋篠宮殿下ご夫妻が出席されますが、ここで少しイギリス王室と日本の皇室についてお話しします。
日本の皇室とイギリス王室は、長い歴史を持つ王室同士であり、外交関係の中でも重要な役割を果たしていたと言えるのではないでしょうか。両者の最初の接点は、19世紀初頭に日本が鎖国を解いた時期にさかのぼります。当時、明治維新以降の日本の開国に尽力したイギリスの外交官、ラザフォード・オールコックは、日本の明治天皇と会見し、その後、イギリス王室と日本皇室の交流が始まりました。
その後も、両国の王室間には交流が続きますが、第2次世界大戦を機に戦勝国と敗戦国の立場に分かれてしまいます。その途絶えた関係も1975年旧交戦国最後の訪問地として、エリザベス女王とフィリップ王配の国王夫妻が訪日したことで再開されています。
また、1983年には、当時の日本皇太子徳仁親王(現・天皇陛下)が、イギリスに留学し、オックスフォード大学マートン・カレッジで学ばれています。

チャールズ3世国王のイラスト画像
ProsaCloudsによるPixabayからの画像

さらに、両国は現在でも、政治、経済、文化などの分野で協力関係にあり、イギリス国王チャールズ3世も、1970年の大阪万博での来日を皮切りに、1986年、1990年、2008年に加え5度目となる2019年の天皇徳仁の即位の例への参列のため来日されています。

王と皇帝の違い、天皇は?

今回のチャールズ国王の戴冠式にあたって良く目にする言葉、”王”王様ですが、同じような意味合いで使う皇帝、また日本の場合は天皇の呼称を使いますね。
はてさて・・・漠然とした違いは理解しているつもりでしたが、コラムを執筆するにあたっては、この言葉は明確にしておかねばなりません。
そこでネットやAIを使って再度確認してみました。みなさん”そんなことは知ってるよ”と言う方も多いかもしれませんが、少しお付き合いのほどを。

現在、王様、国王と呼ばれている方々のお名前を何人かは存じ上げています。今回のイギリスのチャールズ国王をはじめ、UAEなど中東の国々の王様、またアジアではブータン、タイ、カンボジアの国々の王様をメディアで良く目にします。
ただ皇帝は、その昔教科書でよく見かけたローマ帝国や中国の皇帝など、皇帝と呼ばれるのは昔の王様で現存はしていないのかと勘違いしていました。
王様とは英語でKing、行程はEmperor。
皇帝の「エンペラー」とは、ラテン語の「インペラトル(=命令権を持つもの)」という言葉から由来し、「帝国」や「勢力圏」を意味する「エンパイア(=”empire”)」の長という意味で、1つの国にとどまらず複数の国や民族を従える支配者を「エンペラー」と呼んだそうです。一方「王様」はエンパイアの一部である、単一民族による「国」の長にすぎません。「皇帝>王様」ということです。
先に、国王は数名知っているけど・・と書きましたが、世界には唯一おひとりだけ皇帝が現存するそうです。
ご存知ですか?
はい、日本の天皇陛下は、英語ではEmperorなんです。
どうして天皇はエンペラーなのかというお話しは、今回のコラムの本筋ではありませんので、割愛させていただきます。

参照:こちらのコラムの記事は、「言葉の疑問を解決するサイト”スッキリ”」さんを参考に引用させていただきました。

2022年9月18日エリザベス女王国葬前夜のレセプション
天皇陛下とチャールズ3世国王
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戴冠式~コロネーション(Coronation)~

70年ぶりの戴冠式

前回の英国王室での戴冠式は、昨年崩御されたエリザベス女王の戴冠式が行われた1953年6月2日。この戴冠式は、ウェストミンスター寺院で行われ、世界中から注目を集めました。女王は当時27歳で、戴冠式に際しては、古くから伝わるセプター(王笏)や王冠、王室の宝石などを身に着け、英国の象徴的な権威を象徴する光景となりました。以降、英国の王室では、王位継承者の戴冠式は行われておらず、今回の5月6日のチャールズ国王の戴冠式は70年ぶりのセレモニーです。

戴冠式とは?

さて、その戴冠式とはどのようなものでしょう?

エドワード王の王冠
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昨年、2022年の9月8日にエリザベス2世がご崩御されましたが、その時点で英国王室の王位継承順位1番のチャールズ3世が国王に即位されました。5月6日に開かれる戴冠式は、国王が即位ののち公式に王冠を受け、王位の就任を宣示する儀式です。
キリスト教国のイギリスでは、カンタベリー大司教がチャールズ国王の頭に聖油を注いで神への奉仕を誓う儀式になります。

儀式として行われる内容は、精油の塗布や聖エドワードの王冠を被せる任命式、カミラ王妃の戴冠式があります。チャールズ国王がいただくエドワードの王冠や、その際に座るスクーンの石をはめ込んだエドワード王の椅子も必見です。

sky newsより
”Holy oil to anoint King Charles III at his coronation is consecrated in Jerusalem”

戴冠式のスケジュール

時間:  2023年5月6日(土)11:00~(日本時間 5月6日 19:00~)
場所: ウェストミンスター寺院

戴冠式が行われるウェストミンスター寺院

場所はロンドン観光の名所、ビッグベンのすぐ近くに位置するウェストミンスター寺院。
バッキンガム宮殿を馬車で戴冠式の行われるウェストミンスター寺院へ向かいます。
戴冠式で使用される馬車も見どころの一つ。宮殿からウェストミンスター寺院までの間は、ダイヤモンド・ジュビリー・ステート・コーチが使用され、戴冠式後に宮殿へ戻る際には昨年のエリザベス女王のプラチナジュビリーでも使われたゴールド・ステート・コーチが使われます。このゴールド・ステート・コーチは、1762年に完成し、イギリス王室が代々戴冠式で使用する8頭立ての馬車です。外見は金箔が施された豪華絢爛な馬車ですが、案外乗り心地は良くないようで、1936年に即位したジョージ6世によると戴冠式のために宮殿からウェストミンスター寺院まで道のりは「人生で最も不快な乗り心地の1つ」であると述べられたというお話しから、その様子をうかがえるものです。

豪華絢爛なゴールド・ステート・コーチ

昨年のエリザベス女王のプラチナジュビリーから、女王のご崩御、そして今日のチャールズ国王戴冠式と1年の間に英国王室関係のニュースが続きました。
まだまだ目が離せない英国ロイヤルファミリー。
今回の戴冠式後の情報を含めて、こちらのコラムでも随時情報を追加していく予定です。


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