ロンドンのニューイヤーの風物詩!路上に横たわるモミの木

2023年、新年あけましておめでとうございます。
日本のお正月は門松やしめ縄飾りが厳かなシーズンですが、こちらロンドンのニューイヤーの風物詩は道路に捨てられたモミの木です。今回はイギリスのクリスマスツリーとクリスマス後のモミの木の運命?をお伝えします。

新年にロンドンの空に浮かび上がる花火と「2023 with LOVE from LONDON」のメッセージ
ロンドンの新年の花火

イギリスでクリスマスにモミの木を飾るようになった由来

クリスマスと言ってまず思い浮かぶのは綺麗に飾りつけされライトがキラキラ光るクリスマスツリーだと思います。イギリスではプラスチック製ではなく本物のモミの木を飾る習慣がありますが、一体それはいつごろから?そしてどこから伝わったのでしょうか?

ツリーの下にプレゼントが置かれたクラリッジズのクリスマスツリー
ツリーの下にプレゼントが置かれたクラリッジズのクリスマスツリー

クリスマス好きだったヴィクトリア女王とドイツ出身のアルバート公の1837年から1901年まで続いたヴィクトリア朝に始まったと思っている人が多いようですが、実際にはイギリスでモミの木を飾る伝統が始まったのは、もっと前のジョージ王3世のジョージアン朝にドイツから伝わったとされています。1790年ごろジョージ王のドイツ人のシャーロット王妃が家族のためにモミの木をクリスマスに飾りました。はじめは小さなモミの木しか手に入らなかった為、テーブルの上に飾り、その後ノルウェーから大きな木が手に入るようになったので床に飾るようになり、ツリーの下にプレゼントを置くのが定番になりました。モミの木は常緑樹で冬でも緑の葉っぱがあり明るいのでモミの木になったそうです。

モミの木はどこで買える?

11月末のファーストアドヴェント近くになるとモミの木が売られているのをあちこちで見かけるようになります。

屋外に並べられたツリー用に販売されているモミの木
お花屋さんに並んだモミの木

お花屋さんはもちろんのこと、ファーマーズマーケットや八百屋さん、教会にクリスマスツリー特設売り場も出来てロンドンではモミの木を手軽に買うことが出来ます。

教会のクリスマスツリー売り場
教会のクリスマスツリー売り場

気に入った木を選んだらネットで小さくまとめて貰います。

並べられた販売用のモミの木とネットで包装するための道具
ポートベローマーケットの八百屋さんのモミの木売り場とモミの木にネットをかける道具

モミの木を担いで歩く人を見かけるようになるともうすぐクリスマス!

モミの木を担いで歩く人

ボーブルを買いに行こう

クリスマスツリーに欠かせない飾り、ボーブル。

アンティークマーケットの店頭に並ぶ色とりどりのボーブル
アンティークマーケットのヴィンテージのボーブル

ロンドンでは8月末ごろからデパートなどにクリスマスショップがオープンしてクリスマスを心待ちにします。

フォートナム&メイソンカラーのボーブル
F&Mのモチーフのボーブル

まだ先!と思っていると人気があるボーブルはあっという間に売り切れて悲しい思い(笑)をすることもあるので気に入ったのを見かけたらちょっとずつ買い揃えるのも楽しみのひとつ。

お店の壁に掛けられた、たくさんの刺繍のボーブル
種類が豊富な刺繍のボーブル

毎年いち早くオープンするクリスマスショップはフォートナム&メイソンです。
ここで人気なのは刺繍が可愛い布地の物やクレイ製のF&Mのモチーフのボーブル。

デパート”リバティ”に設けられたクリスマスボーブルの販売スペース
リバティのクリスマスショップ

リバティも9月初めにはクリスマスショップがオープンします。リバティで人気なのは動物や食べ物などのガラス製のボーブルです。
それから忘れてはいけないのがロイヤルファミリー関連物。

エリザベス女王をモチーフにしたボーブル
エリザベス女王のボーブル

毎年エリザベス女王やコーギーのボーブルが並んでいましたが、今年は早くもチャールズ王とカミラ王配の物も登場しました。

お店の壁に掛けられた野菜をモチーフにしたボーブル
クリフトンナーサリーズの野菜モチーフのボーブル

その他、園芸店、家具屋さんなどにもボーブル売り場コーナーが出来るので、自分の好みの物やテーマを決めて集めると楽しいですよ。

ラックに入れられたガラス製の犬のボーブル
ガラス製の犬のボーブル

クリスマスツリーはいつ片付ける?

綺麗に飾りつけして楽しんだクリスマスツリーはいつお片付けするのでしょうか?

クリスマスツリーに飾られた2匹のダックスフンドのボーブル
ダックスフンドのガラスのボーブルを飾ったクリスマスツリー

イギリスの英国国教会ではクリスマスシーズンの終わりを告げる十二夜は1月5日とされていますが、翌日の1月6日のエピファニー(公現祭)までクリスマスツリーを飾るのが伝統的とされているので、この頃に片付ける人が多いようです。

クリスマス後のモミの木の捨て方

ニューイヤーになったころから道路のあちこちに横たわるモミの木を見ます。

家の前の歩道に捨てられている大きなモミの木
家の前に捨てられたモミの木

特に指定がなければ自宅前のごみ回収場に置いておくとガーデンごみとして回収されます。

住宅街に設けられたモミの木回収所には”Compost your Chrstmas tree here”の掲示が
住宅街の特設モミの木回収所

とても沢山のモミの木が捨てられる為、教会の前や住宅街の一角にその時期だけ特設のモミの木回収場が設置されモミの木があっという間に山積みに!エピファニーの頃にはお散歩していると1日で100本近くのモミの木が捨てられているのを見ました。

お店の前の歩道に捨てられたモミの木
お店の前の歩道に捨てられたモミの木

イギリスではクリスマスは日本のお正月のように家族で集まってお祝いをするので、家族やお友達とのパーティーに花を添えたクリスマスツリーのお役目が終了して捨てられている姿を見るとなんとも哀愁を感じます。

教会前のモミの木回収所に山積みになったモミの木
教会前のモミの木回収所の山積みになったモミの木

個人宅やお店などで飾られた後に廃棄されるモミの木はなんと年間800万本!
殆どはウッドチップや腐葉土にしてリサイクルされますが、莫大な費用がかかるそうです。

煌びやかなクリスマスの飾りが取り払われた後のロンドンの街は一気に暗く寒い冬に戻るので、黄色い水仙の花が咲き始める春が待ち遠しいです。

Chako

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6年ちょっとの香港駐在を経て2013年より、夫と娘、20歳のダックスフンドとロンドンに暮らす。好きな事はお菓子作り、お料理、編み物、バレエ鑑賞、アンティーク...

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