『ファブリークベーカリー』の春を告げるお菓子、セムラ
2月に入りお天気が良い日が増え春めいてきたロンドン。イギリスも大きな範囲では北ヨーロッパに属し冬の日照時間は短く、暗く長い冬が続くので春を心待ちにしていました。 北ヨーロッパ、そう日本人が大好きな北欧の仲間だからなのか、ロンドンはミックスカルチャーだからなのか、北欧系のベーカリーが沢山あります。
少々こじつけ感はありますが、ここでは北欧の仲間としておきましょう（笑）
スウェーデン発の石窯製法のパン、ファブリークベーカリー（Fabrique Bakery）
北欧系のベーカリーが年々増える中、ロンドンにすっかり根付いているのがスウェーデンのストックホルム発、ファブリークベーカリー（Fabrique Bakery）。石窯で焼くサワードウブレッドやペイストリーなど正統派のアルチザンベーカリーでランチというよりはコーヒーとペイストリーのコーヒータイムに重点を置いています。
ロンドンに６店舗支店がある中で私がよく利用するのはノッティングヒルのポートベローロード店。
細長い小さなお店はシンプルなインテリアと一列に並んだベンチ席にレンガ色チェックのタイルの床がお洒落。
店舗によって少しずつインテリアは異なりますが、テーブルにはキャンドルとお花が数本飾られているのが特徴的です。
看板メニュー、シナモンバンとカルダモンバン
ファブリークベーカリーの看板メニューはシナモンバン（Cinnamon bun）とカルダモンバン（Cardamon bun）。お店の前を通ると焼き立てのシナモンバンの良い香りが漂いついついコーヒータイムをしたくなるようなキケンな誘惑にかられます。
このお店のバンズは、ねじった形が特徴的でふんわりというよりは少し食べ応えがある食感です。生地にはシナモンがたっぷり練りこまれ、上に飾られた粒砂糖がアクセントになっています。シナモンバンのお味は想像がつくと思いますが、日本ではあまり馴染みがないカルダモンバンは、粒粒の粗目のカルダモンのすっとした清涼感のある後味が爽やかでしつこくないお味です。カルダモンには消化促進、抗炎症作用、呼吸器官の不調の改善やリラックス効果もあるそうなので、ここはカロリーの事は忘れて美味しくいただいちゃいましょう。
春を告げるお菓子セムラ
今回ご紹介したいのはイースター前にお店に並ぶセムラ（Semla）。
カルダモンが入ったブリオッシュ風のパンの上を切り取り、アーモンドペーストをたっぷり詰めて、その上にホイップクリームを絞り、切り取ったパンで蓋をして粉砂糖を振りかけたお菓子です。そのまま食べる事も多いですが、温めたミルクに入れて浸して食べる方法もあるそうです。
スウェーデンではイースター前のShrove Tuesdayから断食に入る前に栄養をつけるため、このお菓子を食べる風習があるそうです。
期間限定な上、人気で午後には売り切れていることも多く、かなり大きめでずっしりとして食べ応えがあるので、午前中にお腹を空かせて挑むことをお勧めします！
セムラが出始めると春はもうすぐなので春を告げるお菓子と言われています。日本でも最近セムラをいただけるお店が出て来ているようですね。
クリスマス時期限定のサフランバン、ルッセカット
スウェーデンではこのセムラのようにクリスマス前の一年の中で一番暗い冬至の日に、聖ルシアの日にルッセカット「ルシアの猫」という名前のサフランのパンを食べる風習があるそうで、ロンドンのファブリークベーカリーにもサフランバンとルッセカットが並びます。
シナモンバンと同じ形のサフランバンとルッセカット。どちらもサフランの色で綺麗な黄色が特徴で形は地方によって色々あるそうですが、ファブリークベーカリーに並んでいたのはこの二種。
ロンドンはミックスカルチャーなので、こうやって他国の美味しい物が食べられるのも魅力です。もしイースター前にロンドン旅行のご予定があったら、ファブリークベーカリーのセムラでコーヒータイムをお勧めします。
お店の情報
ファブリークベーカリー（Fabrique Bakery） ノッティングヒル店
住所：211 Portbello Road,London,W11 1LA
電話番号：020 722 13721
メール：nottinghill@fabrique.co.uk
営業時間：月-日 8am-6pm
HP: fabrique.co.uk
ショーディッチ、コヴェントガーデン、フィッツロヴィア、ハイホルボーンにも店舗あり。
