チョコレートビスケットケーキのお話しとレシピ

ホールのチョコレートビスケットケーキ
チョコレートビスケットケーキ

「リッチティー」と言う名のビスケット

マグカップたっぷりのミルクティーとビスケット。
イギリスできっと最も一般的なティータイムの図。紅茶の隣にあるのは市販の定番ビスケット。基本的にどれも見た目素朴なラインナップですが、中でも最もシンプルなのが「Rich Tea(リッチティー)」。これは日本人が「ビスケット」という言葉から連想する姿、いわゆる「マリービスケット」に近いもの。

マクヴィティのリッチティービスケット
リッチティービスケット

スーパーのいくつかのメーカーから出されていますが間違いなく一番メジャーなのはマクヴィティのもの。そのシンプルさは白米のごとく、きっと一生食べても飽きがこないのだろうと思います。

リッチティーでお菓子作り

リッチティーは、常備している家庭が多いこともあり、時にはお菓子作りの素材としても大活躍。砕いてバターと混ぜて、チーズケーキやバノフィーパイのベースにすることもあれば、子供たちの大好きな「フリッジケーキ」にすることも。
Fridge=冷蔵庫、つまりオーブンなしで、冷蔵庫で固めるだけで出来てしまうお手軽ケーキのこと。「チョコレートティフィン」あるいは「チョコレートビスケットケーキ」とも呼ばれる家庭のおやつの大定番です。

イギリス家庭のフリッジケーキ
イギリス家庭のフリッジケーキ

基本のレシピはバターと溶かしたチョコレート、ゴールデンシロップやお砂糖を混ぜたところに、砕いたビスケット(リッチティーかダイジェスティブビスケット)を加え、型に入れて冷やすというもの。ここにドライフルーツやナッツ、マシュマロが入ったり、型も丸や四角のトレーだったり、家庭それぞれのスタイルがあります。

ロイヤルファミリーも大好物

長年エリザベス女王やダイアナ妃のシェフを務めたDarren McGradyさんによると、エリザベス女王もチョコレートビスケットケーキが大のお気に入りで、最後の一切れがなくなるまで楽しみに召し上がられていたとか。もちろん、その頃小さな男の子だったウイリアム皇太子にとっても大好物。一切れではなく、自分のためだけの、大きな大きなチョコレートビスケットケーキを食べるのはその頃からの夢だったのか、2011年のご自分の結婚式の際にはなんと、Groom’s Cake(メインのウェディングケーキの他に用意する「花婿さんケーキ」)として、巨大なチョコレートビスケットケーキをマクヴィティにオーダーします。そのサイズたるや圧巻の一言。リッチティー1700枚、チョコレート17kgを使用し、とてもフリッジケーキとは思えない3段重ねの豪華なデコレーションが施されていました。

ウィリアム皇太子のグルームズケーキ
photo from Mirror

マクヴィティとイギリス人

マクヴィティは1839年からビスケットを焼き始め、ジョージ5世や1947年のエリザベス女王のウェディングケーキはじめ、昔からロイヤルファミリーの節目節目のお祝いのケーキを依頼されてきた会社(現在はユナイテッドビスケット社の子会社となっています)。一般庶民から王室メンバーまで、イギリス人のビスケット好きを象徴するような存在です。

イギリス人なら誰もが一度は口にしたことのあるフリッジケーキ(チョコレートビスケットケーキ)。家庭でよく作られる簡単バージョンと、ロイヤルレシピ、両方ご紹介しますので、気になるほうを是非一度お試し下さい。
どちらもそれぞれ、なかなかの甘さですが、その甘さだからこそ感じられるご褒美感とノスタルジーがあるような気がします。

レシピ

ョコレートビスケットケーキの作り方
チョコレートビスケットケーキの作り方

~超お手軽フリッジケーキの作り方~

  1. 小さく刻んだチョコレート250g無塩バター125gゴールデンシロップ75gをボールに入れ、湯煎、またはレンジで全体が溶けて馴染むまで時折混ぜながら加熱します。
  2. ”1”のボールに砕いたビスケット(リッチティー、ダイジェスティブ、マリービスケットなどシンプルなもの)225gを加えて混ぜあわせます。
  3. 20㎝角程度の型にオーブンペーパーを敷いて、”2”をぎゅっとすき間ができないように詰めて冷蔵庫で3時間以上、しっかり固めます。固まったら、型から出してお好きなサイズにカットして召し上がれ。

お好みで刻んだナッツやドライフルーツを加えても美味しいですよ♪

~Darren McGradyさんによる、エリザベス女王も召し上がられていた チョコレートビスケットケーキの作り方~

  1. 無塩バター112gを室温に戻して柔らかくし、グラニュー糖112gを加えて、ふんわりするまで泡だて器でよく混ぜます。
  2. ダークチョコレート112gを湯煎で溶かして”1”のボールに加え、全卵1個も加えて良く混ぜます。
  3. リッチティー(マリービスケットでも)225gをアーモンドくらいのサイズに砕いて”2”に加えて混ぜ、15㎝の丸型(バターを塗ってオーブンペーパーを敷いておく)にしっかり詰めます。冷蔵庫に入れ最低3時間冷やします。
  4. ケーキを型から出し、上下逆さまにして、網の上にのせます。ダークチョコレート225gを湯煎で溶かしたものを上からかけて、室温で固まるのを待って完成。

*溶かしたチョコレートではなく、ガナッシュでコーティングする場合は~
チョコレート125gを小さく刻んでボールに入れたところに、35%程度の生クリーム125mlを沸騰直前まで温めたものを注ぎ1分ほど置きます。中央からホイッパーで少しずつ乳化させて全体を滑らかな状態にします。粗熱をとって濃度が少しついてきたら、逆さまにしたケーキにかけて仕上げます。



安田真理子

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仙台市出身 宇都宮にてイギリス菓子教室「Galettes and Biscuits(ガレットアンドビスケット)」を主宰。イギリスの暮らしに息づくお菓子の味・...

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