季節限定のワイルド・ガーリック(Wild Garlic)
ワイルド・ガーリックのシーズン
日本に桜の季節があるように、イギリスにもいくつかの季節を感じる植物がある。
私の趣味はウォーキング。森や林の中を歩くのが好きだ。
5月のブルーベルの季節が終わりかけると、代わりに真っ白いかわいい丸い形の花が咲き始める。
ワイルド・ガーリックとの出会い
イギリスに来て初めての春、歩いているとほんわかと漂ってくるニンニクの香り。
周りにもちろんレストランがあるわけでもなく、大自然の中。
どこから来るのか、この香り。見回すと白い花が咲き乱れている。まさかこのかわいい花ではあるまい。と、思いながらも強烈な香りが充満する空間に可憐に咲いている白い花をじっと見た。
こんなかわいい姿をしてニンニクの香り。まさか・・・
近くに寄ってみるとまぎれもなく香りの主はこの花であった。
その後、この花がワイルド・ガーリックというなんともワイルドな名前をもつ植物であることを知り、かわいい姿と真逆のたくましいニンニクの香りの持ち主に興味を持ったのであった。
ワイルド・ガーリック・ペスト(Wild Garlic Pesto)とは
息子の幼稚園のママ友からこのワイルド・ガーリックが食べられる事を教えてもらった。後日そのママ友から、英語で「百聞は一見にしかず」的な言葉と共にワイルド・ガーリックで作った緑色のワイルド・ガーリック・ペスト(Wild Garlic Pesto)をいただいた。
ジェノベーゼ・ソースはバジルを使うが、代わりにワイルド・ガーリックの葉を使って作ったそうだ。
どんなお料理に使ったら良いのかわからなかったので聞いてみると「ジェノペーゼソースの代わりに使えばいいのよ」との事。家に戻って色々と調べてみると、パスタが一番定番のようだった。
それを使ってパスタに混ぜたり、ピザのトッピングにしたりして美味しくいただいた。
とても美味しかったと記憶しているが、子育て真っ只中の時でペストを作ってみようという気持ちはあまり芽生えなかった。ここ数年やっと子供達も巣立ったこともあり、時間と心に余裕が生まれたのだろう。季節の手仕事として楽しんでいる。
長期保存ができないので食べきれる量をその都度作るのが一番美味しいが、清潔な煮沸消毒した瓶に入れてしっかり蓋を閉めれば冷蔵庫で約2週間の保存ができる。
*BBC GOOD FOOD https://www.bbcgoodfood.com/recipes/wild-pesto
食べきれる量を考えながら自然の恵みをいただく。これが自然界へのマナーであるが、いつもシーズンが終わりかけると慌てて保存できる間に食べきれる量をまとめて作っている。
ワイルド・ガーリックを採る時に心がけていること
- 道路の近くではなく人や犬が通らないような自然中を選ぶ。私はカントリーサイドに住む友人の庭に大量に咲いていることを知り採りに行かせてもらっている。
- 根っこは引っこ抜かず葉っぱのみを摘み取る。
- 表面に傷や虫食いのあとがなく、色が濃くみずみずしいものを選ぶ。
いよいよこれを持ち帰ってジェノペーゼソースのワイルド・ガーリックバージョンを作ろう。
まずは一枚ずつ葉の状態をチェック。安心して美味しく食べられる食材をさらに厳選する。
自然の中に生息している植物なのでしっかりと洗うことも大切なポイント。
一枚一枚流水で丁寧に汚れを落とし、さらに大きなボウルにさらしてから、ざるにあける工程を3回ほど繰り返す。もちろん回数は自分の判断で多くも少なくもできるが私はこのぐらいやればしっかりと安心できる状態に準備できた感じがする。
今回使う食材の中の一つの松の実。フライパンで一度乾煎りすると格段に風味が増すので、面倒でも大切な工程だ。
ワイルド・ガーリック・ペスト レシピ
さて準備はできた!
結局はすべての材料を入れてフードプロセッサーで混ぜるだけ。
もちろん地道にすり鉢で丁寧に作る楽しみを味わうのも楽しい。
スイッチを入れて中を見ていると程よい感じに混ざったことがわかる。
イギリス国外でこのワイルド・ガーリックが手に入らないこともあると思うが、イギリスの「暮らしを楽しむ」様子をお伝えしつつ、いつかこの時期に来英することがあれば是非このコラムの話を思い出してもらえたら嬉しい。
材料 作りやすい量
- ワイルド・ガーリックの葉の部分(よく洗い水気を切る): 150g
- エキストラバージンオイル: 150ml
- 松の実(フライパンで乾煎りしたもの): 50g
- パルメザンチーズすりおろし: 60g
- ニンニク みじん切り: 10g
- 塩: 小さじ2
- ノーワックスのレモンの皮のすりおろしと果汁: 大1/2個分
作り方
- すべての材料をフードプロセッサーに入れて全体が混ざってペスト状になったら完成。
応用編
香りのよいワイルド・ガーリックは、シンプルにバターと一緒にパスタで和えるだけで十分に美味しく仕上がる。茹で上がったパスタ、ワイルド・ガーリック・ペスト、茹でて細かく切ったブロッコリーと4等分にしたプチトマトを一緒に混ぜ合わせた。
ペストの量に決まりはないが、味を見ながら少しずつ足していくのがよいだろう。2人分のパスタであれば大さじ山盛り3が目安となる。
そのほかクラッカーに塗って上にハムやサラミを乗せてカナッペにしたり、トーストに塗ってスクランブルエッグを乗せたり、肉や魚料理のソースとして添えることもできる。
白い花も食べることができるのだが、私は主にこの花をエディブルフラワーとしてデコレーション用として登場させることが多い。葉の部分はニラの代わりに炒め物や餃子や和風ハンバーグの具として使用することもできる。
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