日本のアフタヌーンティーの歴史を紐解く

五感で愉しむ 桜アフタヌーンティー

「桜は儚いからこそ美しい…」
染井吉野から八重桜へと季節が変わりつつありますが、まだまだ桜を堪能したい!
というかた、桜アフタヌーンティーはいかがでしょう。

イギリスにも桜の木はありますが、桜アフタヌーンティーは日本ならでは。
桜の紅茶を愉しみながらの桜風味のティーフーズ、ミックスマッチで粋な味わいです。

アフタヌーンティーを五感で愉しみたいかたに、おすすめティープレイスが「ホテル椿山荘東京」のロビーラウンジ。
桜&宇治茶アフタヌーンティーは、創業1860年京都の老舗「辻利兵衛本店」とのコラボレーション。気品ある桜と宇治茶のハーモニーを心ゆくまで味わうことができる絶品メニューです。

特筆すべきは抹茶のクオリティー。
通常お菓子に使う抹茶は、製菓用に作られているアイテムを使用することが多いのですが、こちらのアフタヌーンティーに使われているのは、贅沢にも辻利がセレクトした厳選抹茶。鮮やかな発色はもちろん、新緑の香り、口にしたときの苦味や甘みがまるで違います。

その繊細な抹茶の味を活かすために、シェフが何度も試作を繰り返して完成させた、
こだわりのティーフーズがぎっしりとスリーティアーズに並びます。
桜の季節になると、ここ数年桜アフタヌーンティーが登場していますが、毎年メニューも変われば、スコーンも進化を遂げています。

ホテル椿山荘東京のラウンジに用意されたアフタヌーンティーのセット

日本初 英国スタイルの正統アフタヌーンティー

日本で初めて本格的なイギリススタイルのアフタヌーンティーをはじめたホテル、
それが、ホテル椿山荘東京のロビーラウンジ「ル・ダルジャン」です。
いまや一大ムーブメントを巻き起こしているアフタヌーンティーですが、いち早く取り入れ牽引してきたのが、外資系ホテルでした。
日本がバブル景気に湧いた1990年代、外資系ラグジュアリーホテルが続々と上陸をはじめ、その開業にあわせて英国の紅茶文化の象徴であるアフタヌーンティーを取り入れたのです。

1992年、椿山荘は国際的ホテルチェーン・フォーシーズンズ・ホテルズと提携し、アジア進出第一号となるフォーシーズンズホテル椿山荘東京を開業します。
重厚感漂うロビーを抜けて、ル・ダルジャンに足を踏み入れると、まるでロンドンのホテルに訪れたような、優雅な雰囲気。そんな空間で味わうことができるアフタヌーンティーは、瞬く間に紅茶好き・イギリス好きの間で話題となり、流行に敏感な女性たち押しかけました。ロビーにはウェイティングの列ができ、順番を知らせるポケベル20台が毎日フル稼動していたといいます。

実は、私自身もその列に並んでいた一人。
日本でもバブル期になるとアフタヌーンティーを提供するティールームは少しずつ増えてきてはいたのですが、出てくるのは「フワフワしたパンのようなスコーン」や「クロテッドクリームのかわりにホイップした生クリーム」。日本式にアレンジしたスタイルしかなかったのです。それだけに、ル・ダルジャンの外はカリッと中はふんわりとした英国スタイルのスコーンを食べたときは感激したものです。

しかも、添えられていたのは生クリームではなく「デヴォンシャークリーム」というオリジナルクリーム。その時の感動は、今でも忘れることができません。
シェフに当時のお話を伺ったところ、開業にあたってアフタヌーンティーについても、
外国人シェフに話を聞いたり、書籍を調べてみたりと、必死で研究したといいます。
寝食を忘れて没頭した結果、作り上げたのが、英国風スコーンとオリジナルのデヴォンシャークリームだったのです。

テイクアウト用アフタヌーンティーのセット
テイクアウトアフタヌーンティー人気もここから

日本のアフタヌーンティーHistory

日本に英国スタイルのアフタヌーンティーが上陸したのは、昭和46年の紅茶輸入自由化を経て、バブル期へと向かう昭和50年代でした。
まずは、フォートナム&メイソンやローラ・アシュレイといった英国系ティールームがシルバーの3段スタンドというキラキラしたアイコンを高々と掲げて、女性たちの心をつかみました。
平成の幕が開けると、フォーシーズンズホテルでのアフタヌーンティーがトレンドとなり、外資系ホテル開業の際には、豪華なアフタヌーンティーを組み込むようになります。

この時期、イギリスへ駐在経験のある駐妻マダムや、卒業旅行などでヨーロッパへ行き、アフタヌーンティーを体験したというOL層が急増し、人気が定着していきます。
そのトレンドの波に乗って、日本のホテルも後を追い参戦するようになりました。

英国流アフタヌーンティーをそのまま再現するのではなく、和の食材を使って季節感を活かし、アレンジを加えてバージョンアップさせるのがTHE日本流。
それぞれがオリジナリティーを競い合い、さらに発展しながらブラッシュアップを続けています。

日本の風情を表現した桜アフタヌーンティーもそのひとつ。
桜の風景を眺めながらティータイムを愉しんだあとには、ぜひ日本庭園の散策を。
明治の元勲・山県有朋公爵によってつくられた庭には、河津桜から始まり、修繕寺寒桜、ソメイヨシノなど、開花時期の異なる約20種100本の桜があり、時折幻想的な雲海に包まれます。

ホテル椿山荘東京で見ることが出来る”東京雲海”
伝統と現代の技術の融合 東京雲海

「ホテル椿山荘東京」Afternoon Tea DATA

ホテル椿山荘東京 ル・ジャルダン(ロビーラウンジ)
桜&宇治茶アフタヌーンティー
期間 2022年3月15日(火) ~4月30日(土)
料金 5,450円(消費税込み・サービス料別)
住所 東京都文京区関口2-10-8
   ホテル椿山荘東京
   TEL:03-3943-0996

メニュー内容、システム、価格、時間などは変更あり。
詳細は公式HPで確認ください。
https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/


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藤枝理子

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RICO FUJIEDA アフタヌーンティー研究家 東京都世田谷区にて紅茶教室「エルミタージュ」を主宰。 紅茶好きが嵩じてイギリスに紅茶留学。帰国後に東京初...

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