ロンドン・テムズ川沿いで洋書探し「サウスバンクブックマーケット」

幼い頃、ハリーポッターの本に出会ったことから、イギリスが大好きになった私。在英中もよく大型書店や古書店に足を運んで、かわいらしいデザインの洋書を見ながら心を踊らせていました。

ノッティングヒルのブックショップ

Waterstones(ウォーターストーンズ)やFOYLES(フォイルズ)、Daunt Books(ドーントブックス)などの書店チェーンをはじめ、映画「ノッティングヒルの恋人」で一躍有名になったThe Notting Hill Bookshop(ノッティングヒルブックショップ)や、水上に浮かぶWord on the water(ワードオンザウォーター)など、ロンドンには魅力的な書店がたくさん。

洋書だけではなく、トートバッグやペン、ノートなど、旅の記念やイギリスのおみやげとしてもぴったりなグッズも豊富に揃えられている書店が多いので、洋書を読む習慣がない方も十分楽しめます。

今回ご紹介したいのは、観光気分で散策しても楽しい洋書のマーケット。テムズ川沿いの橋の高架下で開催される「サウスバンクブックマーケット」です。川沿いに広がるロンドンらしい景色を眺めながら、洋書や本のプリントをリーズナブルな価格で購入することができます。

テムズ川沿いで毎日開催

サウスバンクブックマーケットの看板

サウスバンクブックマーケットが開催されるのは、ロンドン地下鉄ウォータールー(Waterloo)駅から徒歩6分ほどのウォータールー橋の下。BFI Southbankという映画館の前のエリアで、近くにはナショナルシアター(National Theatre)、ロイヤルフェスティバルホール(Royal Festival Hall)という人気の劇場もあります。

サウスバンク

バスカー(Busker)と呼ばれる大道芸人やストリートミュージシャンも多く、観光客にも大人気の、非常に賑やかなエリア。カフェやレストラン、露天も集結しています。

ロンドン市内を360度一望できる、ヨーロッパ最大の巨大観覧車「ロンドン・アイ(London Eye)」や、体験型ホラーアトラクション「ロンドン・ダンジョン(London Dungeon)」、「ロンドン水族館(SEA LIFE Centre)」なども徒歩圏内。ロンドンの顔ともいえる「ビッグ・ベン」も、歩いて15分ほどです。

サウスバンクのマーケット

マーケットの開催は、毎日10:00(日曜は11:00~)~19:00まで。高架下で屋根があるため、雨天時でも開催されますが、冬の寒い日は少し早めに終了することも。川沿いの散歩や観光も併せて、日が昇っているうちに訪れるのがおすすめです。

マーケットの歴史

マーケットの様子

橋の下に並べられたテーブルの上には、小説はもちろん、絵本、写真集、レシピ集、辞典や詩集など、ソフトカバー(ペーパーバック)から単行本まで、さまざまな種類の本がずらり!

マーケットが開かれ始めた1980年頃、このエリアは段ボール(カードボード)で生活をしていたホームレスの人たちが多かったことから、「カードボードシティ(Cardboard City)」という名で知られていたのだとか。

マーケットで並べられている本

当初は2、3組のトレーダーが、それぞれ段ボール1箱分ずつほどの本を持ち寄って開催された、小さなマーケットで、人が集まるのは近くの劇場の公演前後の時間くらいだったそう。

1990年代になると、サウスバンク・エンプロイヤーズ・グループ(South Bank Employers Group)やコイン・ストリート・コミュニティー・ビルダーズ(Coin Street Community Builders)をはじめとする、ウォータールーエリアに拠点を置く企業・機関の働きで、エリア全体の雰囲気が大きく変わっていき、テムズ川沿いも徐々に賑やかに。

ロンドン水族館や、ロンドンアイのオープンも味方して、観光客がどんどん訪れるようになっていったのだとか。

マーケットで並べられている本

現在は約10店が出店する規模となり、テムズ川沿いにお馴染みの景色となりました。

カードもOK、掘り出し物を見つけて

出店者

出店者によって、値段の表示や価格帯にも幅がありますが、1ポンド前後で購入できる商品もたくさん。表紙裏に鉛筆で値段が書かれていることが多かったです。

まとめて数冊を買うと割引をしてくれたり、他の本をおすすめしてくれたりと、フレンドリーな出店者さんもいらっしゃいました。

マーケットで並べられている本

こちらも出店者の並べ方によって異なりますが、本はざっくりとカテゴリ別に分けられています。こちらは「POETRY(詩集)」のコーナー。ワーズワイスやシェイクスピアなどのイギリス詩人だけでなく、他国の刺繍もたくさん集められていました。

マーケットで並べられている本

SFやファンタジー、戦争ものなどのコーナーも。お手頃価格で購入できるものがほとんどなので、いつもと違ったジャンルのものに挑戦してみるのもおすすめ。

ずっと保管しておきたい、お気に入りの一冊を迎えることもありましたが、単語や熟語を書き込みながら使う英語学習用の本の購入に重宝していました。

マーケットで並べられている本

ちなみにキャッシュレス化が進んでいるので、カード支払いを受け付けているところも多く、購入もとってもスムーズ。

インテリアにおすすめのプリントも

マーケットで並べられているプリント

こちらはインテリアにおすすめのプリント(ポスター)たち。表紙を大きくプリントしたものや、洋書のページにイラストを描いたもの、物語のワンシーンを絵で表現したものなど、たくさんの種類のものが販売されています。

マーケットで並べられているプリント

一番多く揃っていたのは、私も大好きな「ハリーポッター」シリーズの商品。写真右側は、主人公のハリーポッターが、魔法学校から受け取った手紙を模したもので、左側はハリーポッターの小説の1ページにキャラクターの絵を描いたもの。

ページやキャラクターの組み合わせも一枚一枚違うので、一つひとつ手に取りながらお気に入りを探せます。

マーケットで並べられているプリント

私が気になったこちらは、ハリーポッターの映画に登場したスポットを、イラスト風にアレンジしたもの。奥はハリーが叔母の家で暮らしていた時に部屋と使っていた、階段下の物置。手前は魔法界のあるホグズミード村でした。

額にいれて飾っておけば、お部屋の良いアクセントにもなりそう。ハリポタファンの心をぐっと掴んでくれるようなデザインばかりです。

特急券

こちらは、ロンドンのキングスクロス駅から、ホグワーツ魔法魔術学校までの特急券(オフィシャルのものではありませんが……)。

本以外のグッズは、ハリーポッターのものの割合が圧倒的に多かったのですが、「パディントン」や「不思議の国のアリス」など、イギリスが舞台の物語のグッズも多数揃っていました。

洋書はあまり読まないという方も、ポスターやポストカードなどの雑貨を探しに、ふらっと立ち寄ってみるのもいいかもしれません。

旅の記念と思い出に!

並べられているハリーポッターの本

テムズ川沿いで毎日開催されている「サウスバンクブックマーケット」いかがでしたか?

購入した本が旅の記念になることはもちろん、屋外に本が並ぶちょっぴり非日常な空間でお気に入りの1冊を探す体験は、イギリス旅行のかけがえのない思い出になること間違いなし。
ビッグベンやロンドンアイの観光前後に、ナショナルシアターやロイヤルフェスティバルホールでの観劇前後に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

SOUTH BANK BOOK MARKET
住所:Belvedere Road, Lambeth, London SE1 7GA
アクセス:ウォータールー駅(Waterloo駅)より徒歩5分
電話番号:+44 020 7960 4200
営業時間:10:00~19:00(日曜は11:00~)


【Amazon】広告

「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本
Vol.1

¥550 Kindle版(電子書籍)
¥1,430 単行本

Harry Potter and the Philosopher’s Stone(『ハリー・ポッターと賢者の石』)を原書で読むためのガイドブック。ハラハラドキドキのストーリーに引き込まれ、やがて英語を読んでいることさえ意識しなくなってしまう「ハリー・ポッター」は、最高の英語の学習書といえます。しかし、使われている単語の大部分は高校1、2年までに習うものとはいえ、イディオムや話しことば、さらには背景知識がわからないと日本人には手強いのも事実です。そこで、英国ブッカー賞ノミネート作家で日本語翻訳家でもある著者、クリストファー・ベルトンが、難しい語句はもちろん、イギリスの文化的・社会的背景までわかりやすく解き明かします。
※全8巻分 ¥8,360も有ります!

山田志桜里

33,083 views

在英歴3年、現在福岡在住のフリーライター。ロンドンのティースクールを修了し、ティーインストラクターとしての活動経験も持つ紅茶好き。趣味は読書と舞台鑑賞で、愛...

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧