イギリスのマーマレードの世界
~ダルメイン・マーマレードアワード&フェスティバル リターンズ Part1 ~
マーマレード好きの聖地といえるダルメインのマーマレードアワード&フェスティバル。
ようやく3年ぶりに日本から訪れた私達を温かく迎えてくれました。
マーマレードアワード&フェスティバル2023
イギリスの湖水地方の北、ペンリスの町からアルズウォーターへ向かう途中に位置するダルメインは、NHKのドキュメンタリー「イギリスで一番美しい庭」の番組で紹介されているので、ご存じの方も多いでしょう。
そして2005年から始まったマーマレードアワードは、年々参加者が増え続け、世界的な規模になったコンテストです。今年も世界各国からたくさんのマーマレードが集まりました。
コンテストの結果発表は、3月がアーティザン(職人)とホテル・B&B(宿泊施設)のプロの部門、4月がアマチュア部門とフェスティバルに分かれています。
アーティザン部門の授賞式に参加できるのは、ゴールド受賞者とコンテストの関係者のみ。
まずはアーティザンの授賞式をご紹介しましよう。
アーティザンワークショップ
今年もダルメインよりゴールド受賞の連絡が入りました。
昼はアーティザンワークショップ、夜はゴールドの授賞式のスケジュールです。
ワークショップは、コンテストの審査員のダン・レパードさんとパム・コービンさんを中心に、ゴールド受賞者がマーマレードの製造や販売など、日ごろの疑問を質問できる時間です。
ダンさんは、このコンテストのヘッド審査員、また愛媛県八幡浜市で開催されるダルメイン・マーマレードアワード日本大会の最終審査員もなさっていますので、日本でもご存じの方も多いことでしょう。
パム・コービンさんは保存食の製造販売を経て、今は本の執筆など、保存食の分野では第一人者。彼女の経験に裏付けられた保存食の知識は、素晴らしいものです。
原料となる柑橘の種類は国によって違えども、おいしいマーマレードを作る苦労は皆同じです。
各国の方々とそんな話ができるのは、またとない素晴らしい機会でした。
その後は、ダンさんを先頭に参加者の人々とガーデンの散策。プライベートガーデンから、いつものダルメインのガーデンへ。花が咲き乱れる季節はまだ先ですが、春の訪れは確実に感じられます。
アーティザン部門の授賞式
ダルメインのミニチュアの館に自分のマーマレード3本見つけました。日本からダルメインへ、長い旅路を経たマーマレードとの再会は感慨深いものがあります。
Photo Credit: @hermionemccosh
授賞式が始まる前にテイスティング用のマーマレードも用意されていました
授賞式は、日本や海外の受賞者の方々と知り合いになるいい機会です。中でも海外の顔なじみの方を見つけて、お互い喜びあうのは楽しいひと時です。今回は以前ダブルゴールドを取った台湾の方と再会しました。彼女のマーマレードは複数の柑橘類と材料を使い、個性のあるマーマレードを作ります。パンチが効いた複雑な味わいで、いつも驚かされます。その国の好みが反映した海外のマーマレードは、日本のマーマレードとはまた違う味わいで、それがとてもおもしろく参考になります。ライバル?いえいえ、皆さんが来年はどんな素晴らしいマーマレードを出品するのか楽しみですし、私も頑張ろうと思います。
「また来年、ダルメインでお会いしましょう!」そんな気持ちを胸にしつつ、授賞式は終わります。
4月はホームメイド部門の授賞式
春を感じる4月のダルメインでは、ホームメイド(アマチュア)部門の授賞式とマーマレードフェスティバルが開催されます。
ホームメイド部門やフェスティバルの収益は、ダルメインからホスピスへチャリティーとして寄付されます。このチャリティーの精神があるからこそ、このイベントが長く続いていた理由だと思います。
受賞式では、各カテゴリーのトップの方々が表彰されます。その中でも今年一番のマーマレードがダブルゴールドです。受賞者のレシピを基に、製造されたマーマレードは、ダルメインとロンドンのフォートナム&メイソンで販売されます。販売価格の内、50ペンスは、チャリティーとして寄付されます。
今年はスコットランドの男性のマーマレードが受賞しました。それは、セヴィルオレンジにジンジャーが入ったマーマレード。ジンジャーの粒々の味わいが楽しめて、食べた後の香りの余韻が長く続くおいしいマーマレードでした。
次回Part2では、マーマレードフェスティバルをご案内しましょう。
ダルメインのウェブサイトは、こちらからどうぞ:https://www.dalemain.com/