聖夜に煌めくクリスマスアフタヌーンティー
伝統の英国王室クリスマスアフタヌーンティー
クリスマスシーズンが本格的にはじまるのは、12月25日から数えて4週間前の日曜日、
アドベントサンデー。
イギリスでは、更にその1週間前の日曜日からクリスマス気分が高まります。
その日はスターアップサンデー、クリスマスプディングを仕込む日です。
冬至に向けてクリスマス準備をはじめるその頃から、街中のイルミネーションと同じように
輝きを彩ってゆくのが午後のお茶時間。
キリスト教徒最大の祝祭でもあるクリスマスシーズンのティータイムは特別なひととき。
アドベントティーの窓を開けながらカウントダウンを愉しみます。
イギリス人にとってのクリスマスは、日本でいうお正月と同じようなイメージで、
家族で集まって過ごす習慣があります。
エリザベス女王をはじめとするロイヤルファミリーのクリスマスは、イングランドの
ノーフォーク州にあるサンドリンガム・ハウスで過ごすのが恒例となっていて、
クリスマスイブの24日の夕刻、クリスマスアフタヌーンティーが開かれます。
ティーテーブルに並ぶのは、様々な種類のサンドイッチ、スコーン、そしてイギリスの
クリスマスのお菓子、クリスマスケーキやミンスパイ。
ケーキは伝統的なフルーツケーキをロイヤルアイシングやマジパンで飾りつけをしたもので、
エリザベス女王とロイヤルファミリーのために大きなケーキをひとつと、
孫やひ孫たちのために小さなケーキをもうひとつ作るそうです。
アフタヌーンティーのあとは、お楽しみのクリスマスプレゼントを開ける時間。
これは、ヴィクトリア女王から受け継ぐ王室の習わしです。
クリスマスプディングの秘密
アフタヌーンティーのメニューを見て、「あら、クリスマスプディングはどこ?」と
思ったかたはいませんか?
せっかく5週間も前から仕込んで熟成させたプディングは登場しないのでしょうか?
イギリスではティータイムのお菓子とお食事のあとのデザートは区別されていて、
プディングといえばデザートの総称を意味します。
クリスマスプディングは25日のクリスマスディナーのクライマックスに登場し、
ブランデーバターとたっぷりのカスタードを添えていただきます。
このようなソースをかけていただくプディングの類はデザートに分類されるというわけです。
ただし最近はそれもボーダレスになりつつあり、たとえばクリスマスプディングも
スチームではなくオーブンで仕上げるレシピにして、焼き菓子風のミニプディングとして
アフタヌーンティーにお目見えしたり、逆にティータイムのお菓子にカスタードやクリームを
添えてデザートとして登場することもあります。
ティータイムに甘いお菓子を食べて、また食事のあとにもデザートを食べるの???
と思いますよね。これは食文化の違いも関係していて、料理の調味料として砂糖を使う
和食と違い、イギリス料理にはほとんど使われませんので、そのぶん食後のデザートで
糖分を補うという理由もあるようです。
ただ、イギリス人はエリザベス女王を筆頭として子どもから大人まで男女問わず、
紅茶好き・甘いもの好きというのは確か。「SWEETS TOOTH」という言葉がぴったりです。
イギリスへショートトリップ気分
イギリス旅行に行けない日々が続くなか、イギリスへショートトリップ気分に浸ることが
できればと思い、横浜にある山手西洋館へ足を運びました。
今年は、7か国のクリスマス文化を紹介。キリスト教といえども、国によってクリスマスの
祝いかたはそれぞれ異なり、各国のコーディネートや文化を体験できるイベントや
イルミネーションでクリスマス気分を満喫することができます。
赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットを散策したあとには、横浜ロイヤルパークホテルへ。
ロビーラウンジ「コフレ」には、Noël de Neige(ノエルドネージュ)というこの季節
ならではの限定メニューが用意されていて、雪の結晶が舞うタワー型のスタンドに、
ツリーやトナカイなど、可愛いスイーツの数々が並びます。
ティーフーズの美味しさはもちろん、特筆すべきは紅茶の味。
イギリスでも人気ロンドン発の高級ブランドNEWBYの茶葉がセレクトできます。
厳選農園で栽培された茶葉を手揉みしたハイクオリティーのダージリンもいいけれど、
この時期のおすすめはマサラチャイ。プレミアムアッサムにシナモン・カルダモン・
クローブ・ジンジャーなどをブレンドした紅茶は「香りの祭典クリスマス」にふさわしい
一杯で身体も心もあたたまります。
<DATA>
横浜ロイヤルパークホテル
住所 横浜市西区みなとみらい2-2-1-3
TEL. 045-221-1111(代表)
クリスマスアフタヌーンティーは完全予約制です。
詳細は公式HPで確認ください。
https://www.yrph.com/index.html