動物好きのイギリス人
犬と共生するイギリス人のライフスタイル<後編>
世界で最古のそして最大の動物愛護に関するチャリティーとして王立動物愛護協会(RSPCA 1824年設立)があることからもわかるように、イギリスの動物福祉には長い歴史があります。動物に関する法律も定められていて、例えば虐待に関しては最高5,000ポンドの罰金、5年の懲役が課せられます。
毎年クリスマスに近づくと、ドッグズ・トラストというチャリティーが発行しているステッカーをよく目にします。
どういう意味かと言いますと・・・・
クリスマスプレゼントに可愛らしい子犬をプレゼントする人が多いのですが、子犬の世話は特に大変です。そこで「こんなはずじゃなかった。」という人達が、クリスマスが終わったころ、動物のリホームセンターに連れて来るケースが多いのです。(イギリス語で”リホーム”と言えば家の改築ではなく、飼い主を失った動物のために新しい飼い主を見つけることを指します)
そこで、「犬はクリスマスだけではなく、一生家族としてお付き合いしましょう」というこのステッカーをつけて、キャンペーンに賛同している人たちが車のウィンドウに貼りつけています。
イギリスには動物をレスキューしたり、またリホーム先を探すチャリティーが多くあります。 その中でもバタシー(旧名バタシー・ドッグズ&キャッツ・ホーム)は、イギリス最古のレスキュー・ホームで1860年に設立されました。
バタシーが設立されて20年後、国民の動物レスキューに対する関心がかなり深まりました。
こちらの写真は、1886年に撮影されたヴィクトリア女王の孫娘プリンセス・アリス(Albany公爵夫人)と、バタシーからレスキューされた犬スキッピーです。
現在ではロンドン以外にも2か所レスキュー、リホームを持っていますが、その運営は300人のスタッフと1,000人のボランティアが行なっています。
イギリスには、このようなレスキューセンターから犬や猫を引き取る人が多く、バタシーに関しては、犬の場合平均34日、猫の場合は25日で引き取り手が見つかるそうです。因みに健康な犬や猫は殺処分されることはありません。
こうしてバタシーは設立以来300万匹の動物をレスキューしてきました。
イギリスの王族は動物好きとしても知られていますが、エリザベス女王は1956年から、90歳でカミラ皇太子妃が引き継がれるまで60年間、バタシー後援者(patron)でした。
また犬にマイクロチップをさせることが法律で義務付けられているので、迷い犬や猫が出た場合は、オーナーを探すことができます。
因みに我が家では過去に3匹の犬をバタシーから引き取りました。
バタシーから犬猫を引き取る場合は、最低175ポンドを支払います。この料金の中には、マイクロチップ、予防接種、去勢または避妊手術代、首輪、リード、最初の食べ物、4週間の保険代が含まれています。また引き取りたい場合は、オーナーの生活環境も綿密にチェックされ、初めての場合は家庭訪問もあります。
この他、野生動物のレスキューセンターもあり、怪我や病気の野生動物が自然に戻れるようになるまで、治療を受けています。
去年、庭で動かなくなったハリネズミを見つけ、『ティギーウィンクル』というレスキューセンターに連れて行きました。
ここも野生動物の治療を行っているチャリティーです。
『犬と共生するイギリス人のライフスタイル<前編>』では、動物が人と人を引き合わせてくれるとお話ししましたが、そのような動物に対して私たちが出来ることは、人間と同じく出来る限り幸せな人生(?)を送れるようそのお手伝いをすることでしょう。
バタシーの活動を説明するニュースが、Metro.co.ukのサイトでご覧いただけます。
また、以下はそのニュースで紹介されている動画です。
4分ほどの動画ですので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
イギリス製アートドッグコレクション
チワワや柴犬、ダックスフンド、マルチーズなど
キーホルダーやフィギュアをコレクションをご覧ください。