甘くないケーキもっちり「ポテトケーキ(Potato Cake)」
イギリスの主食じゃがいもについて
イギリスの主食はじゃがいもである。
そのためじゃがいもの種類が多く、売り場の広さは驚くほどだ。
日本の主食の米の種類の多さを思えば納得である。
イギリス料理にはじゃがいもは欠かせない。
メイン料理の脇役として添えられている。
茹でたじゃがいもを潰してバターと牛乳を加えて作る「マッシュポテト」、皮を剥いて茹でて粉ふきいもにした後、オーブンで焼く「ローストポテト」を始めとして、残り物を利用したリメイクじゃがいも料理も豊富である。
今日はそんなリメイク料理が原型になっている「ポテトケーキ」を紹介する。
甘くないケーキ
ケーキと聞けば甘いものを想像するが、イギリスでは丸く成形したお料理をケーキと呼ぶものがある。マッシュポテトに魚介類を混ぜ込んで円形に形成しパン粉の衣をつけて揚げ焼きにする「フィッシュケーキ」もその一つである。
ポテトケーキとの出会い
このお料理を知ったのは主人の友人夫婦の家に泊まった時に朝食として出てきた。
前夜のディナーはローストチキン。マッシュポテトが添えられていた。マッシュポテトを多めに作り翌朝ポテトケーキを作り、ベーコン、スクランブルエッグを調理しワンプレートにして出してくれた。
子供が食べやすいと思って作ってくれたのである。
ポテトケーキのモチモチとした食感がちょっと日本のお餅を想像させてくれる美味しさだ。子供たちもトーストより断然このポテトケーキの方が食べっぷりがよかった。
そして私自身もこの食感やシンプルなお味はどこか懐かしさを感じて一瞬にして虜になったのであった。
材料と作り方ポイント
作り方は簡単で材料は至ってシンプル。
材料はマッシュポテト、薄力粉、バター、塩、胡椒である。
どのご家庭にも必ず常備していそうな食材というのも魅力的だ。
じゃがいもの味をダイレクトに味わえるので、自分の好きなじゃがいもがあればそれを使うとより美味しく感じるであろう。ただし、でんぷんを多く含むじゃがいで作ろう。男爵いもなどが向いている。マッシュポテトはしっかり柔らかくなるまで茹でること。硬さが残っているとつぶしにくい。薄力粉を加えたら手で握たり捏ねたりしながらじゃがいもと薄力粉をなじませて生地を作る。この混ぜ具合がモチモチ食感の鍵になる。あまり難しく考えずに楽しく工作気分で作ってみよう。
ポテトケーキ レシピ
材料
6,5㎝の円形 約6枚分
- じゃがいも(男爵などのでんぷんが多いもの):皮を剥いて200g
- 有塩バター:15g
- 塩:小さじ1/2
- 粗挽き黒胡椒:小さじ1/4
- 薄力粉:55g
作り方
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、皮を剥き、4等分に切ったじゃがいもを入れて約12分前後、沸騰した湯の中で柔らかくなるまで茹でる。
*形が崩れるほど茹でない。 - ざるにあけて水気を切り、再び鍋に戻してバターを加えてマッシャーで固まりが残らないように潰す。
- ボウルに2、薄力粉、塩、粗挽き黒胡椒を加え、手で握ったり捏ねながらひとまとめにする。
- 軽く打ち粉をしたまな板の上に3を乗せて麺棒で5㎜の厚さに伸ばし6,5㎝の円形の型抜きで抜く。
*抜けなくなったらまたひとまとめにして5㎜の厚さに整え抜いていく。これを繰り返す。
*打ち粉を最小限に抑える。
- テフロン加工のフライパンに4を並べ中火弱で両面約3分~4分ずつ焼く。
焼き色が足りなければ最後に中火にしてひっくり返しながら好みの焼き色になるまで焼き色をつけ完成。
*テフロン加工のフライパンであればオイルは必要ないが、好みで少量使っても良い。
おすすめの食べ方
仕上がったポテトケーキにバター(分量外)を乗せて溶けたバターと絡めて食べる。
おやつとして単品で食べるのも良いが、私が最初にポテトケーキと出会った朝食として食べるのもおすすめだ。フライパンにオリーブオイルを少量熱し、弱火でじっくり返しながら焼いたカリカリベーコンと細いアスパラガス。細いものであれば下茹では必要ないが、太い場合はあらかじめ下ゆでをする。
卵と4等分にしたプチトマトで作ったスクランブルエッグを添えた。彩り豊かな朝のプレートは元気をチャージしてくれること間違いなしだ。