幸福感を与えてくれるLeek & potato soup(リークとポテトのスープ)
ガーデンセンターのカフェ
私が初めてこのお料理を食べたのは近くのガーデンセンターだった。
ガーデンセンターは園芸品からライフスタイル雑貨、衣料品、おもちゃなど、暮らし全般に関連する物がところ狭しと並んでいて、行ってしまうとついつい長居してしまう場所だ。長居すればするほど休憩をしたくなる。そんなお客様のことを考えてカフェが併設していることが多い。
早い時間帯はコーヒーモーニングをしている母親たち、お昼は老夫婦が仲良くランチをしていたり、夕方は学校帰りの子供をお迎えに行ったついでに子供も一緒におやつタイムに利用したりしていて、時間を問わず老若男女でにぎわっている。レストランではなくカフェなので値段も手頃でカジュアルで気軽で入りやすいのも人気の理由だろう。
初めてのLeek & potato soup
メニューはあまり凝った物ではなくシンプルなイギリス人に愛されているお料理が載っている。
サンドイッチ、スープ、サラダ、イギリスの定番一品料理まで幅広い。
この日、子供の学校のママ友と初めてのランチだったのだが、当時の私は英語のメニューを読むのも一苦労。いちいち説明してもらうのも気が引けたので自分が知っている単語の「LEEK」「POTATO」「SOUP」の文字が並んだLeek & potato soupとパンを頼むことにした。
周りを見るとスープとパンの組み合わせで軽くランチをしている人が多かったので、こういう頼み方もできるのだなと理解した。
食べる人を幸福な気持にしてくれるコンフォートフード
ママ友はお腹ペコペコなの。と言いながらイギリスのソウルフード「フィッシュ&チップス」をお昼からがっつりと頼んでいた。私も「FISH」と「CHIPS」の単語ぐらいは知っていたがチップスの恐ろしいほどの量を知っていたので頼めなかったのだが、ママ友は難なく平らげていたことも記憶に残っている。余談だがあれから月日は流れ今は私も大量のチップスを難なく平らげるようになってしまった。
話は戻るが、私の頼んだスープは、白いスープにグリーンのチャイブのあしらい。至ってシンプルであった。
湯気がふわふわと美味しそうオーラを出している。
柔らかな湯気を眺めながら、知っている英語のスペルだけを頼りにこのスープを選んだ自分を褒めてあげたかった。
寒い時期のスープはコンフォートフード。食べる人を幸福な気持にしてくれる。
ウェールズとアイルランドの両方が、この古典的なスープを国民的料理と主張しているがイングランドでも深く親しまれているスープである。美味しい栄養満点のお料理はこれからも受け継がれていくだろう。フランスのヴィシソワーズ(ビシソワーズ)と呼ばれるスープもとてもよく似ていることから、暑い時期は冷製スープとしても召し上がっていただける。
リークをじっくりを炒めて甘みを引き出し、じゃがいものこっくりした滑らかさが溶け合い、生クリームと牛乳で優しいまろやかな味わいが加わり、バランスのよい美味しいスープが完成する。
Leek & potato soup(リークとポテトのスープ)<レシピ>
材料 2人分
- じゃがいも(でんぷんの多いもの。男爵いもなど) 200g
- 玉ねぎ 75g
- リーク(リーキー・ポロ葱)200g *なければ長ネギで代用可
- バター 25g
- スープストック 500ml *固形スープ1個を500mlのお湯で溶く
- 牛乳 70ml
- 生クリーム 70ml
- 塩 小さじ1/2
- 黒胡椒 小さじ1/2
- チャイブ トッピング用 少々 *細いねぎで代用可
作り方
- じゃがいもはサイコロ型、玉ねぎはじゃがいもと同じぐらいの角切り、リークは薄く刻み、チャイブは細かく刻む。
- 中ぐらいの鍋にバターを入れ中火で熱し、じゃがいも、玉ねぎ、リークを入れて炒める。
- バターが馴染んでリークがしんなりしたら、弱火にして木べらで混ぜながら10分炒める。
- 3の中にスープストック、塩、黒胡椒を入れて強火で沸騰させ、沸騰したら弱火にして約5分蓋をして煮る。
- 4を火からおろしミキサーで撹拌し滑らかにして同じ鍋に戻す。
*耐熱のミキサーでない場合は粗熱を取ってから行う。ハンドブレンダーを使っても良い。
- 5を中火で温め、牛乳、生クリームを加えて全体に混ざったら味を見て必要だったら塩(分量外)で味を整える。火を止めてスープ皿に盛りつけチャイブを散らして完成。
ポイント
*生クリームと牛乳の脂肪濃度は高い方がコクが深まり、低いとあっさりした仕上がりになる。
スティッククルトン<レシピ>
このスープにぴったりの食べるスティッククルトンも紹介しよう。これはイギリス料理ではなく私のいつもスープを食べるときのお楽しみな食べ方だ。
食べやすく後引く美味しさ、とても簡単なので他のスープにも応用してもらえるだろう。
オーブンを200℃に予熱する。(コンベンションオーブンやファンオーブンの場合は180℃)
耐熱トレイにオーブンシートを敷き、短めのバゲットを横半分に切り、縦に4等分し長細くしたものを並べる。上からオリーブオイル、ハーブ塩(塩だけでもよい)をふりかけオーブンに入れて約6分前後、焼き色がつく程度焼いて完成。
*オーブンによって仕上がりが変わってくるので、様子を見ながらクルトンの食感を感じられるぐらいまでしっかり焼くのがポイント。
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