リンゴを楽しむイギリスの秋の一日 Part1
リンゴを楽しむ「Apple Day」
2年前の事ながら今でも思い出すのが「Apple Juicing」というリンゴジュースを作るイベント。
リンゴ好きの私にぴったりのイベントがあると誘ってくれた友人と一緒に、英国の北部カンブリア地方の小さな村で開かれたリンゴのイベントに参加しました。
これは、古くからの果樹園や地元で栽培される果物を保存する団体が開催したもので、リンゴジュースを作る以外にも、リンゴを使ったホームメイドのお菓子やアップルサイダーの販売など、まさしくリンゴ尽くしの「Apple Day」でした。
車で現地に着くと、建物の外に人が集まり、なにやらにぎやか。そこで小さな機械を使い、リンゴジュースを作っているのです。その様子を見ながら、建物の中へ入って行きました。
リンゴは料理やお菓子、保存食に大活躍
アップルチャツネ
リンゴはスープやサラダなど料理にも使います。リンゴをピューレにしたらアップルソース、これはローストポークに添えるのが定番です。
その上、リンゴは保存食を作るうえで欠かせない果物です。
ここに展示されているチャツネのビンのラベルを見ると、洋ナシとリンゴとクルミが入った「ペア&アップル&ウォルナッツチャツネ」。リンゴの酸味と洋ナシの甘さを持つチャツネ、これはおいしそうです。食べた時クルミが食感のアクセントになりますね。
「アップル&ジンジャーチャツネ」はリンゴに生姜が入ったチャツネ。ドライのジンジャーパウダーを使う事もありますが、生姜はチャツネには欠かせないスパイスです。
様々な形のチャツネのビン、それに手書きのラベル、この手作り感がアットホームでとてもいいものです。
私のチャツネの食べ方
ここでちょっとチャツネの使い方をお話しましょう。
日本人は、チャツネはカレーに入れるイメージですが、イギリスではカレーには入れません。チーズやお肉と相性がいいので、サンドイッチに使ったりします。イギリス人の中には、チーズはチャツネがないと物足らないという人もいると聞きました。
私はチーズのサンドイッチには、自分で作ったリンゴや洋ナシのチャツネを使います。
イギリスではあまり聞かない事かもしれませんが、写真のようにパンにチャツネとチーズをのせて、オーブンで少しチーズがとけるまで温めて食べるのも好きです。クルミなどがあれば、ぜひそれも一緒に、チャツネとチーズとナッツはとてもいい組み合わせです。
リンゴで作る保存食
リンゴで作るその他の保存食としては、リンゴとブラックベリーのジャム、リンゴとシナモンやクローブなどのスパイスを入れて煮詰めた「アップルバター」。バターという名前がついていますが、バターは入っておらず、ジャムよりもっとぼってりとした感じです。
そしてリンゴと卵とバターで作る「アップルカード」。レモンカードより酸味が穏やかで、とてもおいしいものです。
クッキングアップルや小さなクラブアップルを丸ごと煮て、汁を濾し、砂糖と少量のレモン果汁をいれて固めた「アップルジェリー」。そのままパンに塗ってもいいし、セージやローズマリーで香りをつけると、肉のローストにぴったりです。
イギリスの保存食の本をみると、リンゴのジャムは「リンゴとブラックベリー」や「リンゴとジンジャー」など、スパイスやブラックベリーなど、必ず何かと組み合わせをしています。シンプルなリンゴジャムというのを見かけないのです。
日本では、スパイスは入れずにリンゴとレモン果汁だけの、リンゴのピュアな味を楽しむジャムが多いのですが、これはリンゴとジャムに対するイギリス人と日本人の考え方や好みの違いなのかと、不思議に思います。
次は、リンゴジュース作りの見学です。
Part2へ続く。