英国を代表するお菓子”スコーン”を語る
まだ英国情報に疎かったころ、スコーンを目にし、そしてそれを口にしたとき・・
「む・む・む・、これはお菓子なのか、パンなのか、はたまたビスケットの一種なのか」と、考えてしまったものでした。
Wikiペディアをはじめ、その他のインターネット情報で探してみても、スコーンは英国菓子の一種であり、また文献によればスコットランド料理のバノックより重いパンとも記載がありますね。
そうなんです、スコーンは、スコーンなんだと、いまは(勝手に)理解して今回のUK Walker情報で、そのスコーンを考えてみることにしました。
この情報をみれば、スコーンについての見識がひとつ深まりますよ!
スコーンの由来とスコーンの名がつくお料理
スコットランド料理の「バノック」説
イギリス人に愛されるスコーン。その起源は諸説ありますが、Wikiでも取り上げられている一般的な説では、スコットランド料理の「バノック(bannock)」が起源と言われています。バノックは粗びきの大麦粉などを使って円形や楕円形に作る、重く平らな速成パンです。この円形のバノックを切り分けた一辺がスコーンとも呼ばれています。
「スクーンの石」説
また、そのほかの一説では846年にケネス1世がアルバ王国(Alba、のちにスコットランド王国)の王となるため、戴冠式を行った際に載った運命の石が、新首都スクーン(現在のパース近郊)のスクーン宮殿に移されました。その石は、以降、「スクーンの石」(Stone of Scone)と呼ばれるようになります。英国菓子のスコーンは、この「スクーンの石」にも由来していると言われています。
たしかに色んな形状があるスコーンですが、ごつごつとした形状のスコーンは石のようでもありますね。中はふんわりとしていても、外側はサクサクとしたスコーンはお気に入りです!
「スクーンの石」については、スコットランドとイングランド間での”いわく”も多くありますが、ここではお菓子のスコーンのお話しに徹するということで、ご興味のある方は少しインターネットで調べてみてくださいね。
スコーンの名がつくイギリス料理
スコットランドのホテルでもよく出される朝食の定番料理に、パンケーキのような見た目の「ポテトスコーン」(Potato Scone)があります。こちらは今回お話しをさせていただく紅茶と一緒に食べられているスコーンとは、また別のお料理ですね。
同じスコーンの名前がついていますので、少しご紹介させていただきましたが、また別の機会にイギリスの朝食、ブレックファーストを語らせていただこうと思います。
そのほか、イギリスでは「ドロップスコーン」(Drop Scones)もSconeの名がつく有名なお料理です。別名、スコティッシュパンケーキともいわれています。
はい、日本で言うところのパンケーキですね。
アフタヌーンティーとクリームティー
さてさて、スコーンの名前の由来などうんちくを延々述べていてもきりがありませんね。諸説、すべて調べていると記事がエンドレスになってしまいそうです。
由来はこのあたりにして、スコーンが登場するシーンを探っていきましょう。
英国ファンのみなさまには、何を今さらって言われてしまいそうですが・・・
イギリスの方々が紅茶を楽しむとき、もちろん紅茶だけを楽しむことが多いのですが、それ以外にも「アフタヌーンティー」や「クリームティー」として、紅茶を楽しむためのプラスαを用意されます。
紅茶大国の英国でティータイムを楽しむ、もちろん伝統的なあの「アフタヌーンティー」が最初に頭に浮かんできます。写真映えするので、インスタでも良くお写真を拝見しますよね。
三段重ねの厳かなティースタンドに、サンドイッチなどの軽食、ケーキ、スコーンなどスイーツがセットされ紅茶と一緒に提供される至極の時間。ただ、英国の方々がいつもこのアフタヌーンティーを楽しんでいるかと言えば、ノー。
日本でもアフタヌーンティーを提供されているお店では、5,000円くらいのお値段がするのではないでしょうか。イギリスでも、アフタヌーンティーはお誕生日や何かのお祝い事など、ちょっと特別なときにとられているようですよ。
普段は、紅茶とスコーンをセットにした「クリームティー」が気軽に楽しまれているようです。これなら、そんなにかしこまって考える必要は無いですよね。
え、クリームティーって紅茶にクリームを入れるだけ?って、最初に思っていた私はお馬鹿さんでした・・・
紅茶、スコーン、そしてスコーンには欠かせないクロテッドクリームとジャムのセットなんです。
スコーンの食べ方
“クロテッドクリーム”が先?”ジャム”が先?
スコーンを楽しむ際、食べ方の定番でクロテッドクリームとジャムをご紹介してきましたが、ここでもイギリスならではのこだわりが潜んでいるんです。
英国では、スコーンを食べる際にかかせない濃厚なクロテッドクリームと、いちごのジャム。クロテッドクリームは、イギリスのデヴォン州産の「デボンシャークリーム」と、コーンウォール州産の「コーニッシュクリーム」が有名です。
2つの州で有名なこの2つのクロテッドクリームですが、産地が違うだけで実は同じものなんですね。このイギリス南西部のお隣りどうしの2つの州では、スコーンの食べ方にとてもこだわりがあって、常に張り合っているようです。
それは、クロテッドクリームが先なのか、ジャムを先に塗るのか・・・
“我々の名産品のコーニッシュクリームをジャムで隠してしまうとは何事か!”と主張して、ジャムを先に塗るコーンウォールのみなさま。
一方デヴォン州では、”先にのせたほうが、たくさんクリームを楽しめる”と、デボンシャークリームを先にのせるデヴォン州のみなさま。
どちらでも良いじゃないかって、思ってしまうんですが、そこはやはりクロテッドクリームの産地でこだわりが強いようですね。
南西イングランドの観光情報は、すでにご紹介しています『イギリスへ行こう! 個人旅行のおすすめ~『南西イングランド』を満喫する~』もぜひご覧ください!
ちなみに、Twitterでも、#creamfirst(クリームが先派)と、#jamfirst(ジャムが先派)のハッシュタグでツイートが交わされていますよ。
#creamfirstのツイート
#jamfirstのツイート
国内で楽しむスコーン
新型コロナウイルスの影響で、当分の間は海外、イギリスには出かけらそうにありませんね(スコーンだけを目的にイギリスへ行くこともないですが)。
外出する機会が減り、おうち時間が長くなりますので、この際ご自宅でアフタヌーンティーやクリームティーにトライしてみるのはいかがでしょうか。
もちろん、ワクチンも進んできて少しお出かけして楽しもうってプランもありですよね。
その際のおススメは、東京だと『タイニートリア ティールーム』。以前、UK Walkerでもご紹介していますので、ぜひ参考にご覧になってください。
また、インターネットで全国からお取り寄せもできるスコーン専門店さんも発見しました。
岐阜県多治見市の『fam fam』さんです。
https://www.famfam.jp/
プレーンなスコーンからチョコチップ入りのスコーンなど、なんと常時20種類以上を扱っておられます。また、クロテッドクリームではありませんが、北海道産のチーズや生クリームで作った自家製のスコーンクリームをセットにしたスコーンセットなどもありますよ。
一度サイトをのぞいてみてください。
スコーンのレシピ情報を集めてみました
“スコーン”いろいろとうんちくやこだわりなども多く、奥のふか~いお菓子のひとつですが、作り方はいたってシンプル。すでに作ったことがある方も多いと思いますし、多くのページでもご紹介されていますので、今回、あえてレシピを掲載することは止めました。
こちらのコーナーでは、英国政府観光庁さんをはじめ、Youtubeなどスコーンのレシピや作り方を紹介されているページをご案内させていただこうと思います。
●英国政府観光庁:「スコーンの作り方:英国伝統の味」
https://www.visitbritain.com/jp/ja/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BD%9C%E3%82%8A%E6%96%B9
●クラシル(Youtube動画): 【ホットケーキミックスでお手軽】カフェ風チョコスコーンの作り方
こちらは、どちらかというとアメリカンスコーンの作り方になりますが、、
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UK Walkerでスイーツの記事を寄稿いただいています安田真理子さんの2018年の著書。
イギリスのおうちで作られてきた昔ながらのレシピをそのままに、毎日つくれる58レシピをご紹介。
144ページのたっぷりボリューム&すべてのお菓子にコラムがついています。もちろん、今回のスコーンについても上手に作る方法や、各種のアレンジスコーンの紹介まで含まれていますよ!
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クロテッドクリームが生地に練りこまれていますが、セットにはなっていません。
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