写真で巡るイギリスの旅
~英国で一番美しい村々コッツウォルズでアフタヌーンティーを~

バイブリー(Bibury) 「イングランドで一番美しい村」

アーリントン・ロウ

コッツウォルズで一番人気のある村はバイブリーである。ウイリアムス・モリスによって「イングランドで一番美しい村」と讃えられた。村に到着すると、コルン川を挟んでライムストーンで作られた蜂蜜色でよく写真で目にする「アーリントン・ロウ」の建物が目に入ってくる。14世紀に羊小屋として建てられた古い建物で、17世紀になると織物職人住み込み屋根裏部屋を付け足してきた。
「アーリントン・ロウ」の前は牧草地になって遮る物が無く、早朝や夕日に映える時等、被写体として美しくなり撮りやすい。

アーリントン・ロウのコテージ
バイブリー アーリントン・ロウに建つコッツウォルド・ストーンのコテージ
ISO200 | 絞りF8 | 焦点距離150mm

スワンホテル

バイブリーを訪れる際にはぜひ泊まりたいと思っていた『スワンホテル』に、今回は宿泊することができた。
外観から想像していたよりも中は落ち着いた装飾がほどこされていて、室内も17世紀頃の家具が置かれている。格式の高い感じの中にも安らぎのあるホテルである。アーリントン・ロウからも300mほどの距離で、コルン川のほとりにある。
夕食後にホテルのオーナーと話をする機会があった。大勢の日本人観光客が訪れていることを聞き、またこれからも積極的に日本人を招こうとする姿勢に触れ感心させられた。

スワンホテルの外観
コルン川のほとりに建つスワンホテル
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距離20mm

バイブリー・コート・ホテル(現在は閉業)

マナーハウスを改良した『バイブリー・コート・ホテル』が『スワンホテル』から歩いて10分ほどの距離にあった。残念ながら現在はホテル事業を閉業しており、一般客の受け入れは行っていない。
閉鎖前、私が訪問した際には、敷地の外れにコルン川が流れ白鳥が泳いでいた。17世紀に建てられ落ち着いた建物で静寂に包まれたホテルで、宿泊はもちろんアフタヌーンティーも楽しめた。テラスでもラウンジでも好きな場所で、バイブリーの風景を楽しみながらクリームティーやサンドイッチを楽しむことができたのに、惜しい名所を無くしてしまったものである。

バイブリー・コート・ホテルの外観
バイブリー・コート・ホテル
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距離100mm

バイブリー・コート・ホテルのアフタヌーンティー

取材、撮影を目的に訪問した当時、暖炉にある薪に火を付けてもらいアフタヌーンティーのセツトを用意していただいた。
重厚な雰囲気のあるホテルのラウンジで、薪を使った暖炉を背景にしたアフタヌーンティーを撮ることができた。アフタヌーンティーは、オーソドックスなサンドイッチやスコーンにケーキ、タルトで構成されていた。
撮影後に、このアフタヌーンティーを美味しく楽しませていただいたことは言うまでもない。

バイブリー・コート・ホテルのアフタヌーンティー
バイブリー・コート・ホテルのアフタヌーンティー
ISO400 | 絞りF8 | 焦点距離50mm

チッピング・カムデン(Chipping Campden) 「蜂蜜色の茅葺き屋根」

チッピング・カムデン

「王冠に飾られた宝石(the Jewel in the Crown)」と呼ばれる、チッピング・カムデン。最もコッツウォルズ地方を代表する村がチッピング・カムデンかもしれない。
ストラトフォードより車でルートB4081に乗り、夕刻に村に着くこととなった。チッピング・カムデンの夕日に染まっていく建物、まさに蜂蜜色に輝いていくようである。

チッピング・カムデン 町の風景
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距離 24mm

茅葺き屋根とはちみつ色の石壁

街のハイストリートを南の方に歩くと、「茅葺き屋根、はちみつ色の石壁」の家々が、今も変わらずに建ち並ぶ。花々が咲き乱れる玄関先、手入れの行き届いた庭を眺めていると、まるで絵本や童話の中に紛れ込んだかのように錯覚してしまう。コッツウォルズを代表する茅葺きの屋根が心あたたまる優しい印象を受ける。
花を植えている最中に「写真を撮っても良いですか」とお願いしたら、人が映らない方がいいだろうと仕事を中止して退いてくくれた。彼等にとっても自慢の庭なのだ。チッピング・カムデンの家々の壁が朝日に照らされ蜂蜜色に見事に染まって行く瞬間は言葉にならないほど美しい表情を見せてくれた。

茅葺屋根の家
チッピング・カムデンの茅葺屋根の家
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距離 24mm

チッピング・カムデンの中心 マーケットホール

1627年に建造された町のシンボル「マーケットホール」。チーズやバターといった乳製品販売する屋根つきのマーケットとして、地元住人たちで賑わった場所だ。
チッピング・カムデンは、コッツウォルズの中でも比較的古い町で、1173年に市場の権利を認められている。チッピングとは古英語で「市場」や「市の立つ場所」のことで、約800年前に町造りが行われた。羊の市が立つ日の為に通りは広く造られハイストリートが出来上がった。マーケットホールは、もっとも重要な羊毛取引市場として発展し中世時代はヨーロッパ中にその名を馳せていたという。

マーケットホールの内部
チッピング・カムデンの中心に建つマーケットホール
ISO400 | 絞りF8 | 焦点距離 24mm

バジャーズ・ホールでアフタヌーンティー

ハイストリートに、アナグマの足跡と”Traditional English Tea Room”と書かれた赤い看板のティールーム「バジャーズ・ホール」(宿泊もできるB&Bを備えている)がある。
取材で訪れ1時間ほどかけて撮影した。家族的なお店でスコーンを作っている様子や、お店のスタッフ全員の撮影ができた。もちろん、撮影後のケーキ等アフタヌーンティーを美味しくいただいた。

バジャーズ・ホールのアフタヌーンティー
バジャーズ・ホールのアフタヌーンティー
ISO400 | 絞りF8 | 焦点距離20mm

ローワー&アッパー・スローター(Lower & Upper Slaughter) 

ローワー・スローター

コッツウォルズ地方でも人気の高い村「ボートン・オン・ザ・ウォーター」から2kmほど西方に、ひっそりと佇むローワー・スローターの村がある。日没の長い夕日に照らされた小川や家々の美しさは、私にとっては最高の被写体になってくれる。看板も標識もないが、蜂蜜色の家の前には小さな花壇があり、アイ川には家並みが反射して映っている。川幅約3mのローワー・スローター村は、いそがしい観光客には見過ごされがちだった。ただ、最近ではそれでも少しずつこの村の良さが広まり人気がでてきたようだ。

アイ川沿いのローワー・スローターの町
アイ川沿いのローワー・スローターの町
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距20mm

村のシンボル水車小屋

村の中心を流れるアイ川には、今でも回り続けている水車小屋がある。この村のシンボルで、必ずと言っていいほどポストカードに使われている。11世紀に建てられたこの水車小屋は、小麦粉を挽くために何世紀にも渡って利用されてきた。今では水車小屋はお土産やアイスクリームなども販売する博物館になり、毎年多くの観光客が訪れている。

ローワー・スローターの水車小屋
ローワー・スローターのシンボル水車小屋
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距離35mm

アッパー・スローター

水車小屋を右手に見ながらアイ川に沿ってのんびり歩いていくと、約2kmでアッパー・スローター村に到着する。アッパー・スローターの村は小さな谷に挟まれた静寂な場所である。ここを流れるアイ川は川幅2mもなく水深も10cmほどで、車で渡ることもできる。川の近くまで家々は建っているが、周りを見渡しても人の気配がまったくない。この辺りは農家が多いため、牧場では牛や羊の放牧がおこなわれている。

アッパー・スローターの風景
アッパー・スローターの風景
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距20mm

『ザ スローターズ カントリー イン』で楽しむアフタヌーンティー

ローワー・スローターにあるホテル。アイ川に面して落ち着いた蜂蜜色の建物。
アフタヌーンティーを予約していたのでレセプションに行くと「何処で召し上がりますか」ときかれた。この時間は、まだ天気が良かったので運よく外で撮影することができた。無事に撮影が終わった瞬間に雨が降り出した。イギリスの天気はいつも気まぐれだ。

ザ スローターズ カントリー インのアフタヌーンティー

ボートン・オン・ザ・ウォーター(Bourton-on-the-Water) 「コツッウォルズのベニス」

ボートン・オン・ザ・ウォーター

わたしがコッツウォルズ地方を訪れる時には必ず立ち寄るお気に入りの村が、この「ボートン・オン・ザ・ウォーター」である。
村の駐車場に大型の観光バスが何台もやってきて大勢の観光客が訪れるのは、この村がコッツウォルズのベニスと呼ばれているほど風光明媚で、ほかの村とはまた違った魅力があるからだろう。駐車場から5分ほど歩くと村の中を流れるウィンドラッシュ川が見えてくる。清らかな水がさらさらと流れ、水深は20cmほどで鴨や小鳥などが水の上を泳いでいる。川幅は約7m、それぞれ特徴があり眼鏡橋や三角形の橋など7ケ所も架かり、川の両側は人々が散策できるように遊歩道が通っている。
のんびり川辺を歩いて30分も歩くと、村の端から端までたどり着く距離である。

ウインドラッシュ川に架かる橋
ボートン・オン・ザ・ウォーター ウインドラッシュ川に架かる橋
ISO100 | 絞りF8 |焦点距20mm

川辺での地元の子どもたちとの触れ合い

川のほとりで撮影していると、課外授業中らしい地元の小学生グループが話しかけてきた。
「何処からきたのですか」「コッツウォルズは初めてですか」などなど、さまざまな事を問いかけてきた。つたない私の英語であったが、なんとか答えることができ、地元の子どもたちとの触れ合いを楽しむことができたものだ。

ボートン・オン・ザ・ウォーターで知り合った子どもたち
ボートン・オン・ザ・ウォーターで知り合った子どもたち
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距20mm

飽きることのない川辺の風景

この街にはさまざまな博物館やお店、レストランが建ち並び、可愛い窓々で飾られている。川辺の風景を見ているだけで気持ちが和んでくる。世界中から観光客が訪れ記念写真を撮っていて、日本人観光客も多く人気の高さが分かる。
春や夏の季節になると川辺にはテーブルが用意され、お茶など楽しむことができる。家並みも蜂蜜色の建物で統一されている。このような景色を見せてくれるボートン・オンザ・ウォータでは、一日中観光客の姿が途切れることがない。

ウィンドラッシュ川の川辺に用意されるテーブル席
ウィンドラッシュ川の川辺に用意されるテーブル席
ISO100 | 絞りF8 | 焦点距20mm

ボートン・オン・ザ・ウォーターの川辺でのアフタヌーンティー

ウィンドラッシュ川のほとりにあるティールームでスコーンとサンドイッチを注文して橋をバックに撮影した。
スコーンは大好きなので、早く食べたいなと思いながらも撮影に徹した。
もちろん、撮影後にはクリームをたっぷりスコーンに乗せていただいた。写真をご覧いただければ、川辺の素晴らしい風景と相まって、アフタヌーンティーを満喫したことがお分かりいただけるだろう。

ザ スローターズ カントリー インのアフタヌーンティー
ボートン・オン・ザ・ウォーターのティールームで取ったアフタヌーンティー
ISO400 | 絞りF8 | 焦点距20mm

今回写真と一緒にご紹介したコッツウォルズ地方は、写真家辻丸純一が訪ねた数ある村々の中のほんの一部である。これらの村以外にも、まだまだ魅力的な村が数多くある。
海外へ、コッツウォルズ地方へ出かけることが可能になれば、ぜひみなさんそれぞれのコッツウォルズの村々を思い出とともに写真におさめていただき、ご自身オリジナルの『写真で巡るイギリスの旅』を完成していただきたい。


英国で一番美しい村々・コッツウォルズ
単行本
辻丸純一著
¥5,049より

イングランドの南西部に広がるコッツウォルズ地方には中世の面影が残る蜂蜜色の村々が点在している。ハート・オブ・イングランド(イギリス人の心の故郷)と呼ばれるの村々の魅力を写真とエッセイで紹介。英国政府観光庁推薦。
写真見開き2ページと旅日記が2ページの構成で、写真が綺麗と評価も高いライター辻丸の著書。

RSVP 第7号 コッツウォルズ 旅の全記録
大型本
¥1,870より

イギリス好きには延髄のシリーズ本、RSVP。
「世界一美しい」と表現されるコッツウォルズ、誰もが憧れるイギリスのカントリーサイドです。このエリアにのべ2週間滞在し、北から南まで主要な村や町を全走破。100ページにもわたる特集でその魅力を紹介しています。

辻丸純一

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イギリスと出会ってから50年過ぎました。私の人生の節目に必ずイギリスが絡んで来ました。今回も写真と映像参加せていただく事になり感謝、感謝です。 日本よりイギ...

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