イギリスでグランピングを楽しむ Part.1《Facility(施設編)》
グランピングとは
グランピングとはGlamorous camping(グラマラス キャンピング)の略である。
グラマラスを訳すると「魅惑的なさま」、「華やかな」という意味。
この2つの言葉を組み合わせてグランピングと呼ぶ。
そんな説明を聞くとホテルのような豪華な空間を想像する方も少ないかと思うが、私の今回のグランピングは、素朴でシンプルなあくまでキャンプというコンセプトを大切にした場所である。
キャンプは楽しそうだが、野性味溢れるキャンプは苦手だ。しかも小さい頃の息子はそうした場所へは行きたがらない性格。でも”人並みに家族でキャンプをしてみたい”と言い続ける私の言葉を聞き、夫が提案してくれたのがここである。かれこれ15年ほど前の話になる。
一般的には、キャンプといえば、お風呂やトイレやキッチンはなく、簡素なテントの中で不便を楽しむ。そんなイメージである。グランピングはそうした不便を少し便利にしてくれて、なおかつキャンプ気分は楽しめるのである。
本当のキャンプを愛する人からすれば、「そんなのはキャンプと呼べない」と言われてしまうのだが、小さな子供がいて安全に家族で楽しむのであればグランピングは魅力的である。
我が家も場所を変えてこのグランピングを5回経験している。
加盟農家をネットワークした『Feather Down Farm』
この『Feather Down Farm』は、農場の空いているスペースを有効利用しようと始まった。加盟している農家がイギリス全国にあるので、行きたいエリアを検索し日中は観光。夜はグランピング生活を楽しむようなホリデーを過ごせるのである。(イギリス国内のみならず、ヨーロッパ数か国で展開している)
農家の暮らしを垣間見れたり、動物と触れ合ったり小さなお子さんがいれば生きた学びがたくさんある。
今回は酪農農家にステイさせてもらったので、牛乳が出荷されるまでを詳しく説明してくれた。
21歳になる娘も含め、大人の私たち夫婦も楽しく社会科見学をさせてもらったのである。
テントからの眺めは美しい。
これぞイギリスのカントリーサイドという場所である。
今回は他のテントには宿泊者はおらず私たち家族だけ。この空間を独り占めならぬ家族占め。
オプショナルでは、にわとりを借りることもできるので私たちは生みたて卵を食べたい理由から、期限限定で2羽のにわとりを飼うことになった。
グランピング施設の設備
テントの中の床はフローリングでしっかりしていて、まるで家のよう。そのフローリングの床を囲む壁面や屋根がキャンバス生地なので、雨が降るとあのポツポツ、風が吹くとパタパタという音が聞こえ、屋外キャンプをしているという実感が湧く。
テントには、滞在中皆が集まれるリビングダイニングルームがあり、ダブルルーム、二段ベッド、隠れベッドのスペースをあわせて合計6名まで泊まることができる。テント内には、そのほかにトイレ、簡単な水道とシンクに蒔をくべて温めるストーブがある。このストーブは、朝晩寒いときにはテント内を暖める暖房器具として、また料理をするときには調理器具にもなる。
決してラグジュアリーではなく、あくまでキャンプというキーワードを感じる設備とインテリア。それがこのグランピングの魅力なのである。
外には温かいお湯が出るシャワー、追加料金を支払えば大きなホットタブと呼ばれる巨大風呂付きのテントに泊まることができる。
景色は違うが日本の露天風呂をつい思い出し、しばし日本にタイムトリップの時間。
美味しい空気を吸いながら至福の時間を過ごせる。
デジタルデトックス
電気もコンセントもない。
冷蔵庫の代わりは、木箱に保冷剤を毎日入れ替えて食料を冷やす。
電気もなく夜はキャンドルを使う。
電気がないのはこんなにも不便なのかと思い知らされるが、期限限定の生活なのでそれもまた楽しめるのである。
かなり田舎にあるためにWiFiも使えないことも多く、デジタルデトックスできるというのも私が好きな理由だが、今回泊まった場所では4Gが繋がってしまい100%デトックスはできなかった。
とはいえ電気は通っていないので、日中車の中で観光移動しているときに充電するしかないので、自然とゆるいデトックスになったことは確かである。
キャンプの楽しみといえば食事。
次回は私のキャンプ料理やテントのキッチンについて綴りたい。
『Feather Down』
https://www.featherdown.co.uk/
》グランピングで楽しむキャンプ料理のPart.2情報は、こちらからどうぞ
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本誌では、大都市圏からアクセスしやすい人気のグランピング施設を含め全126サイトを掲載。
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