愛犬と楽しむイギリス国内旅行 ロンドン近郊ラグジュアリーなホテル 第一弾

筆者が日本で犬を飼っていたのは今からかれこれ20年以上前。
当時は、まだまだ犬と一緒に泊まれるホテルなどの数は少なく、犬連れでの旅行というのは一般的ではなかった記憶があります。
今はきっとペットブームのおかげで、日本国内でも犬連れでも泊まれるホテルも増えているのではないでしょうか?

さて、愛犬家の多いここイギリスでの犬連れ旅行はどういった様子なのでしょうか?

よりどりみどりなペットフレンドリーホテル

筆者がイギリスに移住してきた20年前。実は既に日本で犬を飼っていた為、犬連れでの移住となりました。
渡英したばかりの20年前は、まだまだ今のようにインターネットも発達しておらずiPhoneも存在していなかった時代。
今ではネットですぐになんでも検索出来てしまいますが、当時はそんな便利な物はなく、どこか旅行に行く時は本屋でホテルガイド本を買って調べるという感じでした。ホテルのガイドブックには様々な種類があり、目的に合わせてガイドブックを購入する事が出来たのですが、愛犬家の多いこの国。もちろん「ペットフレンドリーホテルガイドブック」なる物が売られておりました。
そこに掲載されているホテルに電話もしくはe-mailにて予約をするのですが、部屋の雰囲気やホテルの外観の写真を掲載したホテルなどもありましたが、個人のB&Bなどでは設備マークだけが記載されていて、あとは住所と電話番号のみ、行ってみて初めてどんなホテルかを知るといったところも多々ありました。
驚くのは予算や旅のスタイルに合わせて様々なスタイルのホテルを選べるというところ。それは20年前も今も変わっていない気がします。
農家が運営するB&Bや、カントリーサイドで運営されているような個人のB&Bなんかですと、ホテルに看板犬のワンちゃん達がいて彼らとも交流が図れたり、リラックスした雰囲気で犬連れ旅行が楽しめたり、比較的日本でも想像できるようなペットフレンドリーホテルがあったかと思えば、こんなラグジュアリーなホテルに犬連れで泊まっていいのですか!?とこちらが恐縮するような4つ星、5つ星の豪華ホテルでもワンちゃんと一緒に泊まれるホテルがあったりするのが、愛犬家の多いここイギリスならではと思います。

AAが発行していたペットフレンドリーなホテルを掲載したガイドブック

より自然なスタイルで利用できるペットフレンドリーホテル

今回こちらの記事を書くにあたり日本のペット同伴可ホテルを検索させて頂いたところ、20年前と違い沢山の素晴らしいペットOKのホテルがある事を知りました。 また、日本の方がワンちゃん用のお食事を選べたり、ドックランが併設されていたり、ワンちゃん用のグルーミングがあったり、中にはワンちゃん用の温泉などもあったりしてあまりの至れり尽くせりぶりに驚愕! さすが日本!と思った次第です。これはワンちゃんの飼い方の違いにも感じられるのですが、イギリスは愛犬家が多く犬連れで行ける場所や利用できる物が日本より多いと思いますが、決してそれは「犬専用・優先」というよりはより自然な形で人間の生活の中に犬が共生しているように感じられます。
なので、ペットフレンドリーホテルであっても「ワンちゃん用のあれやこれやが完備されています!」という積極的なアプローチではなく、人間が泊まるついでに「ワンちゃんも泊まれるんでよかったら4つ足のお友達も一緒に連れてきてね。」と言った具合にそれが特別な事というより犬は家族なんだから、家族旅行に犬を連れてくるのは当たり前じゃない。というような気負いのなさを感じます。

ベットルームに置いてあったワンちゃん用おやつと注意書き

犬連れでも楽しめるラグジュアリーなホテル

さて、辞書のような分厚いガイドブックからペットフレンドリーなホテルを探さねばならなかった20年前と違い、今はネット検索で簡単にワンちゃんも泊まれるホテルを探せるようになりました。その中でも筆者が利用しているサイトは、ペットフレンドリーホテルだけでなく世界中の豪華ホテルが最大75%オフになるLuxury Escapes(https://luxuryescapes.com/)を利用しています。
イギリス国内のホテルをフィルター検索したのち、Amenitiesの欄をチェックしてPet Friendly の記載のあるホテルを探します。ただこちらのサイトはペットフレンドリーホテルに特化したサイトではないので検索に手間がかかるのが欠点。
なので、ペットフレンドリーホテルに特化したサイトPetsPyjamas(https://www.petspyjamas.com))などもよく利用しています。こちらはペットフレンドリーなホテルだけを掲載しているのでホテル選びが簡単。
また、通常どのホテルでもペットの宿泊代をチャージされる事がほとんどなのですが、このサイトを通じて予約を取るとペットの宿泊費が無料になるという特典がついてきます。

Luxury Escapeサイト内ホテル詳細Amenitiesの欄にPet Friendlyとあるホテルを選ぶ

ロンドンから車で1時間半!
広大な敷地内にある歴史あるチューダー朝ホテル

さて、今回、今年1月に我が家に迎え入れた柴犬クッキーを連れて初めての国内旅行を楽しんできました。

今回選んだホテルは前出のラグジュアリーエスケイプで見つけたロンドンから南西方向に車で1時間半ほどの場所にあるこちらのホテル

The Elvetham Hotel(https://www.elvethamhotel.co.uk/

エルヴェサムホテルの歴史はさかのぼる事西暦800年代。アングロ・サクソン時代に既に現在の建物の元となる物が存在していたとの事です。
チューダー朝時代には、当時のエルヴェサム邸の持ち主であったシーモア一族は当時のイギリス国王ヘンリー8世の寵愛を受け度々国王夫妻がエルヴェサム邸に宿泊する事もあったそうです。また、エルヴェサム邸の持ち主であったシーモア家の一族であるレディ・ジェーン・シーモアはその後ヘンリー8世と婚約した事によってシーモア一族の地位を確固たるものにしました。
エルヴェサム邸の王室とのつながりはその後、後世も続いていくのですが、ご興味のある方はぜひこちらのホテルのHPにあるエルヴェサムの歴史を読んで頂ければと思います。

広大すぎてホテルの全体が見れない
王室とのゆかりが深い歴史あるホテルエルヴェサム

ドックランの必要のない広いガーデンが魅力

さて、王室との深いつながりもあるこちらのホテル。そんな歴史あるホテルに犬連れで宿泊する事が出来るなんて驚きですよね。

本館は歴史を感じさせる美しいチューダー朝の造りとなっていて、あちらこちらにヘンリー8世やゆかりの人々、エリザベス一世の肖像画が飾られています
美しいステンドグラスが目を引きます

今回泊まったホテルの寝室は本館ではなく、別館ではあったもののトイレをさせる時などにはすぐに外に出られるという点で非常に便利でした。

こちらが別館外観
すぐにお庭にワンちゃんを連れ出せるようになっている

ただし、このホテルの唯一残念だったのがベットルーム。
本館のインテリアの重厚感と比べると別館はかなりカジュアルな雰囲気でした。

本館の重厚さに比べると一気にカジュアルな雰囲気のベットルーム

ホテル内は、レストランだけは犬連れ不可でしたが、それ以外のラウンジやテラス、お庭などは自由に犬連れOK。

こちらのラウンジはワンちゃん連れOK
壁にはゆかりのあるエリザベス一世の肖像画が飾られている
お庭を眺めながらお酒を楽しむ事が出来るラウンジ
ラウンジ内でお酒を楽しむ間、愛犬は足元で一緒にくつろぐ事が出来ます

何よりもドックランの必要がないくらい広大なガーデンはそれだけで散歩のしがいのある場所でした。

ホテルのすぐそばにある農場には放し飼いの牛たちの群れが・・・

また、敷地内には野生のウサギがいて早朝のお散歩時にはあっという間に走り去っていく野うさぎ達の可愛い姿を見る事が出来ます。

早朝や夜になるとホテルの敷地内に現れる野うさぎ達

また、朝のお散歩にはホテルから繋がっているフットパスを歩く事も出来ます。
お散歩途中に野生の鹿と出くわしたり、イギリスのカントリーサイドを思い切り楽しむ事が出来ました。

草むらに隠れて野生の鹿がこちらを観ているのがお分かりになりますでしょうか?

カントリーホテルでの食事の向上

20年前、イギリスのカントリーサイドのホテルで頂く食事は、正直4つ星ホテル程度でも残念な物が多かったのですが、数年前から一気に美味しいお食事も頂けるホテルが増えて来ました。
基本、イギリスのカントリーサイドにあるマナーハウスやカントリーハウスなどのホテルは周辺にレストランなど何もなく、食事はホテル内のレストランで取らざる得ない状況である事が多いです。よって、食事の質がどのような感じかもホテル選びの際に重要なポイントとなってきます。

今回宿泊したエルヴェサムホテルもロンドンの3つ星レストランとまではいきませんが、お値段と比較してまあまあ満足出来るお食事を味わう事が出来ました。

お庭を一望出来る明るくて開放的なダイニングルーム
こちらはワンちゃん不可
イギリス旅行の楽しみの一つがブレックファースト
こちらのホテルではビュッフェスタイルで朝食を楽しむ事が出来ました

イギリス在住で犬を飼われている方はぜひ愛犬との旅行を兼ねて、ヘンリー8世ゆかりのこちらのホテルに泊まってみて下さい。また、犬がいないという方でも十分楽しむ事が出来る今回のホテル。ぜひ泊まってみてゆっくりとした休日を過ごして欲しいです。


March / 佐藤 昌子

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在英歴20年、2014年より英国式おもてなし教室「Atelier Curious March」を主宰。テーブルコーディネート、インテリア、カラーコーディネー...

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