イギリスカントリーウォークへ行こう(2)カントリーパブの宿泊施設

前編『イギリスカントリーウォークへ行こう(1)イギリスの物語が生まれる風景』はこちらからどうぞ

宿探しにもこだわる”カントリーウォーク”

イギリス人はカントリーウォークが好きだ、
長距離ともなると、どこかに泊まりながら歩く人も少なくない。

パブと宿泊施設が一緒になっている所はイギリス国内に多数ある。場所によって様々なので注意が必要。設備が古かったり、インテリアが好みではなかったり、今までに失敗もある、
カントリーウォークがメインだから、どんなところでも大丈夫と思えればいいが、私は歩いた後のご褒美の乾杯ビールと食事、清潔な部屋、快適な睡眠ができるベッドにはこだわりたい。
ホームページでは素敵な写真がずらりと並んでいたのに、現実にドアを開けてびっくり!ということも経験があるだけに毎回慎重になってしまう。

宿探しは主人の役割になっているが、探すのにかなり時間をかけているようだ。
リサーチ好きなので適役である。
小さな村・ビショップ・ストーン(Bishop Stone)にある ヘレン ブラウニングズ ロイヤルオー
ク(Helen Browning’s Royal Oak) に決定した。
https://helenbrowningsorganic.co.uk/

Helen Browning's Royal Oakの外観
Helen Browning’s Royal Oak

農場やパブが一体となった『Helen Browning’s Royal Oak』

ヘレン・ブラウニングの家族はウィルトシャーのイーストブルック農場で 67 年以上農業を営んでおり、1986 年から有機農業を続けている。理念は、最高品質の作物と動物を育て、景観と土壌を改善し、自然のためのスペースも作りながら全てが調和するように運営をしている。
そんな食材へのこだわりもある農場、パブ、宿泊施設が一体になったのが『Helen Browning’s Royal Oak』である。

「Helen Browning's Royal Oak」のパブ
カラフルなパブ

農場も経営しているだけあり、店内の中は家畜モチーフの絵やインテリア雑貨が並んでいた。
和むインテリアである。
街中にあるカッコ良いパブではなく優しく心地よいナチュラルな雰囲気が心地よい。

動物に囲まれて過ごすホテルライフ

動物の写真や絵が飾られたパブの壁
パブの中に動物がいっぱい

パブの中でチェックインを済ませ、いよいよ離れに移動し部屋へ案内された。
スタッフもとても親切に対応してくださり第一印象は高得点。
部屋はとても広々している。
さすがカントリーサイドにあるパブホテルである。
壁一面の牛も出迎えてくれた。圧巻である。

牛の絵が壁全面に描かれたホテルの部屋
牛が出迎えてくれた部屋

普通のホテル同様、水やコーヒー、紅茶などの提供サービスもある。木箱に入って可愛い。紅茶の国イギリスらしく、たくさんの種類のティーバッグが置かれていた。

部屋に用意されている紅茶のセット
部屋で自由に飲める紅茶など

正直バー”Honesty Bar”も用意されたコミュニティルーム

一階には宿泊者が自由に使えるコミュニティールームがある。
寝泊まりする部屋にはリビングルームがないので、自由に皆が使って良いスペースである。
ボードゲームや本もあり、お酒類やソフトドリンク、簡単なスナック菓子もお金を払えば飲食できる。
知らない人同士がここで出会ってコミュニケーションをすることも珍しくない。

アルコールなどのドリンク類も用意されたホテル内の共有施設、コミュニティルーム
コミュニティールームは憩いの場
チップは0ポンドと記載された正直バーのプレート
正直バー”Honesty Bar”と書かれた看板
チェックアウトの時に申請して支払う

ガーデンで楽しむビールとサンデーロースト

この日は天気が良かったのでパブのガーデンで食事をすることにした。
まずは爽やかな田舎の美味しい空気を深呼吸。
長距離を歩いた後のビールは美味い。

ガーデンのテーブルに並ぶ地ビールのグラス
炭酸入りの飲みやすいラガービールと味わいの深いコクのある地ビール

この日は日曜日。
イギリスで日曜日といえばサンデーロースト。
パブでは昼間に食べる人が多いため、夕方は売り切れと言うことも経験していたので、電話でローストビーフを取り置きしてもらった。
サンデーローストの中でも人気はやっぱりローストビーフだ。
ここのローストビーフは厚切りの肉で食べ応えがあった。
とても柔らかくペロリとこの量を食べられた。
濃厚なグレイビー(ソース)もかなり衝撃の美味しさで、自分のいつも作るグレイビーとは違う美味しさで勉強になった。

サンデーローストビーフ

デザートはスティッキー・トフィー・プディング(Sticky toffee pudding, ice cream)
刻んだデーツで作った濃いスポンジケーキに甘いトフィーソースをかけた、イギリスの伝統的なデザートである。バニラ アイスクリームやカスタードを添えて提供される。
今回はアイスクリーム添えられて出てきた。

白いお皿に盛られたデザートのスティッキー・トフィー・プディングのアイスクリーム添え
スティッキー・トフィー・プディングのアイスクリーム添え

美味しいものを開放感あふれる屋外で食べることができた。
その夜は長距離を歩いたという心地よい疲れも手伝ってぐっすり眠ることができた。

「イングリッシュブレックファースト」でスタートするカントリーウォークの朝

翌朝も朝から食欲全開だ。
ビショップ・ストーンのリンゴを使ったアップルジュースや、シリアル、フルーツ、トーストなどが並び、自由に食べられるスタイルになっていた。
私たちの頼んだ部屋の料金にはホットフードも含まれていたので、イングリッシュブレックファーストを頼んだ。

目玉焼きやベーコンがならぶイングリッシュブレックファストのプレート
イングリッシュブレックファースト

*イギリス料理「イングリッシュブレックファースト」はこちらのコラムをご覧ください。

この農場や地域でとれた食材を使っているとのことで期待度も高まる。
ソーセージがジューシーで肉の旨みもしっかり味わえて気に入った。
ベーコンは塩気が強すぎず肉厚で美味しい。
マッシュルームの風味が豊かで口の中に広がる。
ただ、定番である焼きトマトが見当たらなかった。
忘れたのかな?と思いながらも、そこまでトマトファンではないのでそのまま静かに食べ切った。
通常ベークドビーンズはその店によって添えてある場合と添えていない場合がある。

グッドホテルガイドの2022年・インオブザイヤー(パブが経営するホテル部門)に選ばれたそうだ。(HPより)
気軽にドリンクを飲みに立ち寄ったり、泊まりで宿泊と食事を楽しむこともできる。
さてお腹も満たして出発だ。
引き続きリッジウェイを歩いて行こう。

白い馬にのって木々に囲まれた田舎道を進む風景
イギリスのカントリーサイドの風景
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エリオットゆかり

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イギリス在住料理研究家 イギリス人の夫、23歳の日本在住の長男(現在ロンドン在住)、21歳の長女の4人家族。 2000年にイギリスに移住 食をメインにイギリ...

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