大変な年明けに響く、チャールズ国王のクリスマスメッセージ
2024年の日本は、お正月早々大変なことになってしまいました。被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、UK WALKERをご覧の皆様と周りの方々のご無事をお祈りしております。
国王からの2023クリスマスメッセージ
さて、2023年のクリスマスも恒例の国王クリスマスメッセージがありました。
数年前、エリザベス女王の時代から私も毎年SNSやYouTubeなどで取り上げていましたが(UK WALKERでの昨年のコラムはこちら)、今回は視聴しただけでどこにも書いていませんでした。
ところが今年元日の能登半島地震、そして翌日の航空機の大事故を経て、チャールズ国王がクリスマスにおっしゃっていたお言葉を思い起こし、考えさせられましたのでシェアいたします。
![クリスマスメッセージを語るチャールズ国王](https://ukwalker.jp/wp-content/uploads/2024/01/01-1024x576.png)
※使用させていただいたお写真は、全て『The Royal Family YouTube channel』からお借りしています。
キーメッセージは2つの聖書の言葉
結論から申しますと、今回のキーメッセージは、
”Love your neighbours as yourself” 自分自身と同じように他人を愛しなさい、
”Do to others as you would have them do to you” 自分がしてほしいように相手にもしなさい、
この2つの聖書の言葉です。
ご覧のとおりどちらも同じような意味ですが、チャールズ国王はこれらを引用し、他人に対する思いやり、そして他人に”serve”する人々を称えておられます。
“serve”という動詞
この”serve”という動詞、日本語だと状況によって言い方が変わりますよね。例えばレストランで”serve”するのは給仕する、つまり食事や飲み物を出すことですが、”serve the community”だとコミュニティのために尽くす、奉仕する、といった意味になります。”serve the country”は後者と同様、国のために(公職で)仕える、です。
(ちなみに英国皇太子 ”Prince of Wales” の徽章にあるモットー 「Ich Dien」、元はドイツ語で ”I serve” という意味です)
自分より弱い人、弱っている人を思いやり尽力する人々を称賛するメッセージは昨今の世界情勢を念頭におっしゃっていましたが、私個人としては日本で大きな天災と事故が起こってしまったことで、被害にあった人を直接助ける立場の人々に思いを馳せ心の中で感謝し、また直接救助には関われない自分は何ができるのか(まずは寄附でしょうか)……などと、チャールズ国王のクリスマスのお言葉があらためて響いたのでした。
“HM The King”から”The King”へ
さて、以下はクリスマスメッセージの構成の振り返りです。今年はもういいかなと思っていましたが、やはりやらないと落ち着きません(笑)
オープニング、昨年チャールズ国王になられて初回のクリスマスメッセージは”HM The King”と「陛下」にあたる”HM”(His Majesty) がついていましたが、今年は以前のスタイルで”The King”とだけ。エリザベス女王の時代は長年”The Queen”でした。このいさぎよさが好きです。
![](https://ukwalker.jp/wp-content/uploads/2024/01/2-1024x576.png)
冒頭の国歌演奏は衛兵の音楽隊がバッキンガム宮殿のバルコニーで演奏します。ロイヤルファミリーがお立ちになるお馴染みのバルコニーではなく、裏側のほう。
国王がお話しなさっているのは、冒頭に掲載した写真のとおり、いつものバルコニーのすぐ内側のお部屋のようです。
![](https://ukwalker.jp/wp-content/uploads/2024/01/3-1024x576.png)
内容にご興味おありの方は、BBCの日本語記事内の動画についている日本語字幕がわかりやすいと思います。こちらをどうぞ。
昨今の世界情勢をふまえた締めのお言葉
締めのお言葉は今年もハッピークリスマスやメリークリスマスではなく、”I wish you a Christmas of peace on earth and good will to all, today and always” 「世界に平和と人々に善意のあるクリスマスが、今日もこれからもずっとありますように」でした。
エンディングのクリスマスキャロルは、ベクスリー音楽学校の小学生の合唱団が、イギリスの伝統的な歌 “While shepherds watched their flocks” を歌いました。様々な民族の子供たちを映しているのも、昨今の王室の姿勢の象徴ですね。
![](https://ukwalker.jp/wp-content/uploads/2024/01/4-1024x576.png)
That’s all for today. Peace on earth, indeed.
《ライター高島まきの告知情報》
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