映画『天空の城ラピュタ』の景色に浸る、イギリス”ウェールズ地方”
スタジオジブリの公式サイトでは、天空の城ラピュタの舞台として”大いに参考にした場所”として「イギリスのウェールズ地方」が掲載されています。
そこで今回は、映画「天空の城ラピュタ」のモデルになったと言われるウェールズ地方の6か所をご紹介します。
ブレナヴォン産業用地「ビッグ・ピット国立石炭博物館」
ウェールズ南東部に位置する、イギリスの世界遺産である「ブレナヴォン産業用地」は、18世紀後半に設立された製鉄所の溶鉱炉跡や、石炭を採掘した後にできるボタ山、労働者の住居跡が廃墟となって残る場所です。
観光名所として、ビッグピット国立石炭博物館、ブレナヴォン製鉄所、世界遺産センター、ブレナヴォン保存鉄道があり、どれも車で数分の距離にあります。
映画の冒頭で、空からゆっくりと降りてくる光を見つけたパズーは慌てて駆け寄り、舞い降りてくるシータを受け止めるシーン。このモデルはビッグ・ピット国立石炭博物館といわれています。
まさにこのシーン!「親方!空から女の子が!」
ブレナヴォン産業用地「ブレナヴォン製鉄所」
パズーの故郷スラッグ渓谷の鉱山のモデルの地といわれている場所、ブレナヴォン製鉄所です。
スラッグ渓谷の鉱山は、かつては貴金属を大量に産出した優良鉱山でしたが、産業革命による機械化の影響を受け、掘りつくされてしまいました。それにより、付いた名前がスラッグ(鉱山の残りカス)。
「ぼくはパズー。この小屋でひとり暮らしをしてるんだ」
スラッグ渓谷のはずれ、古い溶鉱炉を改造した小屋に住むパズー。 このブレナヴォン製鉄所製鉄所の溶鉱炉跡は、まさかパズーの家。。。?
「パズーがスラッグ渓谷の夜明けにトランペットを吹く」シーン。なぜパズーはトランペットを吹くかその理由をご存知でしょうか。
それは、パズーは鉱山で働く、機械工だからです。炭鉱や工場の騒音の中、金管楽器で美しい音色を奏でるブラスバンドは、労働者達に広く好まれていました。
現在でもイギリスでは、かつての工業地帯にブラスバンドの伝統が根付いていることが多いのです。
あのシーンと同じ構図で写真が撮れる
シータとパズーがぶら下がっていた木造線路から落ちてしまい、飛行石が光り出してシータを浮遊させゆっくりと地下に下りていく場面。
その飛行石の力を見た後にドーラが言った台詞のシーン。
「すごい!欲しい!」
実は、宮崎駿監督は自作の中で一番思い入れの深いキャラクターにドーラを挙げています。
キャラクターモデルは宮崎監督の母親とのこと。
飛行石を狙ってシータを追い回す軍隊やドーラ一家から逃れ、過去の採石場の地下深くに入っていくパズーとシータ。
このブレナヴォン製鉄所には、『天空の城ラピュタ』のシーンを思い出す場所がたくさんあります。
ぜひ、シーンと同じ構図を探してみましょう!
バーマス橋
1867年に開通した木造の単線鉄道橋、バーマス橋。
長さは699m。ウェールズで最も長い木材高架橋で、イギリスで現役の最も古い時代の橋でもあります。
「パズー、仕事さぼってデぃートか?」
パズーとシータがスラッグ渓谷を走る機関車に乗ってドーラ一家の乗ったオートモービルから逃げているシーンで登場する、木造トラスで組まれた橋梁や線路。
このバーマス橋に似ていると思いませんか?
バーマス橋は、線路と歩行者道路が一体となっており、パズーたちのように手を伸ばせば届くような距離(もちろん届きはしないが)を列車が走っていきます。
コンウィ城
旅のプロ300人が選んだ「ヨーロッパの美しい村 30選」にイギリスの中から唯一選ばれた、ウェールズの村Conwy(コンウィ)に建つ城。
コンウィ城は、13世紀イングランド王エドワード1世により建てられました。
イギリスにある城塞の中でも保存状態がよく、コンウィの町が城壁で囲まれている姿を見ることができます。
「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁」として、世界遺産に登録されています。
「困ったときのおまじない」
シータがムスカ大佐によって閉じ込められていたお城のモデルと言われている場所のひとつです。
このお城であの呪文が唱えられたのでしょうか。
「リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」
ラピュタ語で「我を助けよ、光よよみがえれ」という意味。シータは幼少期、この呪文を「困ったときのおまじない」として祖母から教わっていました。
シータの復活の呪文で、永い眠りから目覚めたロボット兵が要塞破壊し、シータが屋上に逃げるシーンで登場する塔。
そして、あの名シーン
「最後のチャンスだすりぬけながらかっさらえ!」
『天空の城ラピュタ』ファンならば、言わずと知れた名シーン!
軍からのビーム攻撃を受けながらも必死にシータを守りぬいた、ロボット兵。
そして、パズーがシータを見事に空中でキャッチして抱きしめる決死の救出劇!
カーナーヴォン城
カーナーヴォン城は1283年にウェールズを征服したイングランド王エドワード1世によって建設されました。
チャールズ皇太子のイングランド王家の王太子を示す称号「プリンス・オブ・ウェールズ」叙位式典を行った場所としても知られる由緒正しいお城です。
「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁」として、世界遺産に登録されています。
飛行石の力を発動
ラピュタ王国が滅びた際に、王族であるシータの先祖が1個の涙滴型をした飛行石を持って地上に降りた。
これは青色の飛行石の結晶にラピュタ王家の紋章が刻まれたペンダントとしてしつらえられたもので、王家の末裔の証となった。
シータの呪文によってロボット兵がよみがえり、目から光線を発射して要塞を破壊するシーン。
「ロボットは!?ここへ来る気か!?凄い!!
そうか、その光だ、聖なる光でロボットの封印が解けたのだ!!」
ラピュタを指し示す光
ロボット兵に追われたシータが屋上に逃げると、飛行石が空目掛けて一筋の閃光を放ちます。
ラピュタの封印が解かれ、離れ離れになったラピュタ城を指し示す「聖なる光」。
復活の呪文は、地上に降り立ったラピュタ人がいつかラピュタへ帰るための呪文だったのです。
「あの光が指すほうにラピュタがあるのだ」
ポウィス城
ポウィス城は13世紀にウェールズの王子により要塞として建てられました。
歴代の所有者によって改築が重ねられ、18世紀から19世紀に現在の優美な宮殿風の姿となっています。
名言をぜひここで叫んでみては
ポウィス城は、ラピュタ城とその庭園のモデルといわれている城です。『天空の城ラピュタ』のラストで唱えられる呪文「バルス」。
そして、バルス超え!?人気の、ムスカの名言をぜひここで叫んでみてはいかがでしょうか。
「見ろ、人がゴミのようだ」
「あぁぁ、目がぁ、目がぁ~~~あああああ~~~~!」
いかがでしたか。イギリス観光では、なかなかウェールズまで足を運ぶ機会は少ないかもしれませんが、『天空の城ラピュタ』ファンの方には楽しんでいただけると思います。
スタジオジブリは「ここがモデル」です、とは断言しておらず、宮崎駿監督がロケハンで訪れた場所が「イギリスのウェールズ地方」と公表しています。
宮崎駿監督が一体どこでインスピレーションを得たのか、是非とも実際に訪れ、探してみてはいかがでしょうか。
【Amazon】広告
天空の城ラピュタ [DVD]
DVD+ジブリがいっぱいCOLLECTION オリジナル アクセサリートレイ
¥4,116(2021/9/4時点)
最新HDマスターを使用したデジタルリマスター版DVD! !
『天空の城ラピュタ』
スタジオジブリ サマー・キャンペーン
ジブリがいっぱいCOLLECTION オリジナル アクセサリートレイをプレゼント!