ロンドンから日帰りで行く海辺の街(Kent編)
イングランドの庭と呼ばれるケント州。
ロンドンに隣接している州で、ロンドン中心部から車でも電車でも1時間半ほど南下して行くと、可愛らしい海辺の街が点在しています。
ヴィクトリア時代には上流階級の別荘地として人気のあったケントの海辺の街。
いつしか飛行機の需要によってイギリス人には海外旅行が人気となり、長い間、ケント州を含むイギリスの南東部の
海辺の街は静かなものでした。
ここ数年、不動産価格が高騰したロンドンからの移住者の増加に伴い、若い世代がカフェや雑貨屋、ギャラリーなどをオープン。21世紀のケントの海辺の街は100年前とは違った形でにぎわい始めています。
石浜が多いイギリスでは希少な広い美しい砂浜を持つ海岸がケントにはいくつかあり、夏にはイギリス各地からファ
ミリーが多く訪れ一層のにぎわいが見られます。
ウィスタブル(Whitstable)
世界遺産で有名なカンタベリー大聖堂のある中世の街カンタベリーから約8 キロ離れた街、「ウィスタブル」(Whitstable)
ネイティブオイスター
この静かな港町を有名にしているものは英国王室御用達のネイティブ オイスター。
「The world’s mine oyster」 (世界は自分の思い通りになる!)シェイスクピアの劇、「ウィンザーの陽気な女房たち(The Merry Wives of Windsor)の劇中の台詞です。
イギリスでは一般的にRの付く季節(9月から4月)が牡蠣の食べごろと言われています。
ウィスタブルで生産されている牡蠣の種類も豊富にありますが、その中でネイティブオイスターは希少なものだそうです。
ネイティブオイスターの貝殻の形は平たくて、それを口にすればクリーミーな舌触りの後に海の旨味が口に広がる味。この味を是非とも口にしてみたい、と海外から牡蠣好きがネイティブオイスターを求めて訪れているそうです。
ウィスタブルでは牡蠣以外でも新鮮な魚介類が豊富です。
シーフードが少々お高いと言われるロンドンのレストランよりもお手軽なお値段でいただけます。
ハイストリート
グルメはもちろんですが、イギリスで最も魅力的なハイストリートに選ばれたというウィスタブルのハイストリート。
イギリスの街のハイストリートの多くは大手のチェーンが目立つように並んでいることが多いのですが、こちらは個人経営の魅力的なセレクトショップや雑貨屋、レコード屋などが並んでいるのが目立ちます。
シーフードレストラン
ハイストリートから港に向かって歩いて行くと、可愛らしい外観の昔ながらのシーフードレストランがあります。
「ウィラーズ・オイスターバー(Wheelers OysterBar)」。創業1856年の老舗の人気のシーフードレストランです。素敵な色合いのレストランの前でウィスタブルに来た人々が足を止めていきます。
Wheelers Oyster Bar
8 High St, Whitstable CT5 1BQ
http://www.wheelersoysterbar.com
イギリス流の海の家
港の方に行けば、イギリス流の海の家、ビーチ ハットを改装したクラフト系のお店やお土産屋、新鮮な牡蠣やシーフードの屋台が並んでいます。
こちらの屋台では牡蠣は一つから注文できるので、ちょっとお試しに気軽にいただくことができます。
港の周辺にはたくさんのシーフードレストランがあり、「ウィスタブル オイスター カンパニー(Whitstable Oyster Company)」 「クラブ アンド ウィンクル(Crab & Winkle)」 「ザ・ロブスター・シャック(The Lobster Shack)」などは人気の店なので予約をお勧めします。
ウィスタブルの中心地から少し離れている場所のガストロパブ「ザ、スポーツマン(The sportsman)。
一見、小綺麗な一軒家のパブに見えるのですが、ミシェランの一つ星を何年も所持する実力のあるお店で、なんと数ヶ月前からの予約待ちという大人気のガストロパブです。
The Sportsman
Feversham Road, Seasalter, Whitstable, kent
CT54BP
http://thesportsmanseasalter.co.uk/index.php
ウィスタブルの地ビール
牡蠣といえばワインやシャンパンを一緒にいただくイメージですが、ヴィクトリア時代の人たちは牡蠣と一緒に鉄分の多いスタウトビールと呼ばれる黒ビールを飲むのが滋養に良いとされていたそうです。
ウィスタブルの地ビール、「スタウトビール(Stout Beer)」。その他に通常のエールビールもありますが、「ルビィエール (Ruby Ale)」 という地ビールなどは女性に好まれるフルーティな味わいです。多くの地元のレストランやパブに置いていますので、ぜひお試しを!
マーゲート(Margate)
ケント州の海辺の街でトレンディの代名詞 「マーゲート(Margate)」
カフェ、レストラン、ヴィンテージやアンティークショップ、おしゃれな雑貨屋は海岸通りから少し入った、オールドタウンにいたるところにあります。
ロンドンで最もヒップな東ロンドンの「ショーディッチ(Shoreditch)」をもじって、「ショーディッチ オン ザ シー (Shoreditch on The Sea)」と呼ばれています。
ドリームランド
海岸通りでひときわ存在感のある建物。この数年話題の遊園地 「ドリームランド(Dreamland)」の入り口です。
開園は100年ほど前のヴィクトリア時代という歴史ある遊園地ですが、数年前に大改装を行った際に元々持っていたレトロな味わいを強調したスタイリッシュな遊園地に生まれ変わりました。
歴史的建造物として指定されている100年前からの木造のジェットコースター。
カラフルでノスタルジックなアトラクション。
その他にも、ローラーディスコ、有名アーティストがライブを行う会場、キャンピングカーを改装したフード屋台、眺めの良いルーフトップのバーなど、遊園地のところどころの色合いがとてもキッチュで実にSNS映えする遊園地。
この場所にとても似合うヴィンテージファッションに身を包んだ若者が楽しそうに闊歩している姿が見られます。
Dreamland Margate
49-51, Marine Terrace, Margate CT9 1XJ
https://www.dreamland.co.uk/visit
ターナー コンテンポラリー
ドリームランドを出ると、海岸はすぐ目の前。
その海岸でひときわ目を引くギャラリー、「ターナー コンテンポラリー(Turner Contemporary)」
イギリスの風景画の巨匠、ウィリアムターナーの住居跡に建てられたギャラリーは現代美術の栄冠、ターナー賞の最終候補の作品の展示の場所に選ばれたり、話題のギャラリーです。
館内は現代芸術作品と海が眺められる大きな窓のある素敵な空間です。
館内のカフェで海や海岸通を眺めながらのコーヒータイムもオススメです。
Turner Contemporary
Rendezvous,Margate,Kent
CT9 1HG
https://turnercontemporary.org
ブロードステアーズ(Broadstairs)
人々が集うカラフルでにぎやかな海辺の町も素敵だけれども、絶景の自然の力をいただけるような海岸線を歩いてみたいという方にオススメしたいのは、「ブロードステアーズ(Broadstairs)」。
海岸から登った、丘の上の街には英国を代表する作家、チャールズ ディケンズが夏を過ごしていた別荘があり、現在その住居はディケンズ博物館として残されています。このエリアはとても広い砂浜を持つ海岸がいくつも続いていて、それぞれ違う個性を見せています。海岸で遊ぶだけではなく、風光明媚な景色を楽しみながらサイクリングやウォーキングをしている人々を見かけることができます。
まるで白い柱のような崖岩 「ボタニーベイ(BotanyBay)」。干潮時には、この白い崖岩が砂浜にそびえ立つダイナミックな光景を見せてくれます。
キングスゲートベイ(Kingsgate Bay)
しばらく歩くと 「キングスゲートベイ(Kingsgate Bay)」に到着します。砂浜を見下ろす崖の上には、長い歴史あるかつてお城だった建物(現在は高級マンション)。砂浜の向こうには美しい白亜の崖がそびえています。
ジョス ベイ(Joss Bay)
アクティブに楽しみたい方は、キングスゲートベイに隣接している海岸 「ジョス ベイ(Joss Bay)」。
干潮時にサーフィンを楽しむこともできます。この海岸にあるサーフィンやSUPのスクールで一日コースに参加することもできます。ロンドンから日帰りでウォータースポーツにチャレンジしたいという方にもオススメな場所です。
Joss Bay Surf School
N Foreland Hill, Broadstairs CT10 3PG
https://www.jossbay.co.uk