写真で巡るイギリスの旅
~ロンドンから日帰りで巡る南イングランド~
ブライトン ノスタルジーの港町
ロンドン・ヴィクトリア駅からブライトン駅まで50分強、車でA23に乗り約1時間30分でこの港町に着く。
広告やファッションの撮影で何度も訪れた町で、何処か懐かく優しい街並みや海岸は何処にモデルを立たせても絵になる写真が撮れる。
リゾート地の色彩が鮮やかで、丸い石が波打ち際まで続く海岸は、そこかしこが撮影スポットにかわる。海に突き出たブライトン・ピア、朝焼けから夕日が落ちるまで刻々と変わる色彩の変化を見ているだけで飽きることはない。
夕日に染まるブライトンを走り回り、納得するビーチエリアの撮影が可能となった。
ブライトンの海に突き出たシンボルのブライントン・ピアはヴィクトリア時代1898年建造
長さ537mピア(桟橋)に遊園地がある
ISO 160 | 絞りF8 | 焦点距離35mm
夕方になるとパレス・ピアのネオンが点灯するノスタルジックな建物
ISO 800 | 絞りF5.6 | 焦点距離80mm
夕日がブライトンの浜辺を染めていくと誰もが落日の瞬間に見せられていく
遠くに浮かぶ朽ち果てたウエスト・ピアも美しい
ISO 800 | 絞りF4 | 焦点距離28mm
セブン・シスターズ 青い海峡と白い壁
ロンドンで見かけたポストカード、青い海と白亜の壁と民家のコントラストの鮮やかな風景を見た瞬間、この風景セブン・シスターズを撮影したくなった。
ロンドンからイースト・サセックスの街、イーストボーンまで列車で1時間30分。そこからバスに乗り換え20分で、白亜の絶景に出会えるセブン・シスターズ・カントリーパークのビジターセンターに到着する。カックミア川に沿って歩くこと1時間、目の前に広がるポストカードの風景が見え始めた時には感動を隠せなかった。霧に包まれていた周りの風景も徐々に晴れ上がっていき、セブン・シスターズの全景が目の前に。天気の神様に感謝しながら、まずはポストカードと同じ位置に立って撮り始めた。
この日は、陽が傾くまで撮影場所を変えてセブン・シスターズをファインダーに収めつづけた。
バス停より歩いて海岸方向にコーストガードコテージへ
崖の上を歩く人が見えますか?かなりタフなウオーキングコースです
ISO 160 | 絞りF8 | 焦点距離60mm
7つの丘が見えるシーフォード・へッドまで50分ほど歩く
機材を持って歩くのはとってもタフなコース
1億2千年前は海の底とは思えない風景が広がる
ISO 160 | 絞りF11 | 焦点距離35mm
テンターデン ワインとお城と鉄道
テンターデンはケント州の古い街で、ロンドンのセント・パンクラス駅から鉄道でアシュフォードまで行き、アシュフォードからバスに乗り換えた。ロンドンから2時間弱の旅となる。
テンターデンには主要な鉄道駅はないが、イギリス保存鉄道(Heritage railway)のミニ機関車、ケント&イーストサセックス・レイルウエィの始発駅がある。ビンテージの機関車がケント州の景色の中を走り、湖に浮かぶ壮大なボデイアム城まで約1時間で走っている。
テンターデンの周りは英国でも珍しいワインの産地で、この地域の土壌は白ワインに適しており、街ではフランスワインにも負けないワインの産地と自負している。始めて訪れたワイン蒸留所では赤、白のテイスティングも出来、確かに他の産地にも負けない、まろやかでとても美味しいワインを楽しめた。二度目のテンターデン訪問は、秋の葡萄の収穫時に会わせて『Biddenden Vineyards』という小さな蒸留所を訪れた。朝早く村の人々が集まり和気あいあいと葡萄を積む作業を取材でき、ワイナリー巡りの旅がイギリスでも楽しめた。
テンターデンよりケント&イースト・サセックス鉄道約50分、森と泉に囲まれたボディアム城
1385年、イングランド王エドワード3世・リチャード2世に仕えた騎士エドワード・ダリングリッジに築かれた中世城塞である
ISO 160 | 絞りF11 | 焦点距離20mm
ケント州独特の田園風景が広がっている
とんがり帽子を被ったような三角錐の貯蔵庫や、羊の群れなどまるで絵画の様である
ケント州にはワイナリーが116箇所ある
ISO 160 | 絞りF8 | 焦点距離100mm
秋のブドウ収穫に合わせてビデンデン・ヴィンヤードワイナリーを訪れた
村の人々が集まり雨模様の中でも楽しそう。
ISO 160 | 絞りF8 | 焦点距離24mm
ケント州最古1969年創業のビデンデン・ヴィンヤードワイナリー
左からスパーリングワイン・ロゼ・白ワイン ラベルは手作業で貼っている。
ISO 160 | 絞りF8 | 焦点距離100mm
ライ 丘の上にある港町
ロンドン・セント・パンクラス駅から高速鉄動に乗りアシュフォード・インターナショナル駅で乗り換え、ライ駅まで約1時間30分の鉄道の旅。
ライの街は、到着した駅から丘の上に広がっている。石畳の坂道を迷いながら路地を上っていくと、古い通りにある11世紀に建てられた風情のある『マーメイド・イン(Mermaid Inn)』にたどり着いた。このホテルは、海に囲まれていた時代に海賊たちの巣窟になっていて、併設するパブに入ると梁や天井が低く当時の雰囲気が伝わってくる。此処で一杯飲みながら昔の時代を想像するのも旅の楽しみだ。
坂道を上りきるとセント・メアリー教会があり、教会正面入り口の上の方に英国で最も古い1561年に作られた時計がある。屋上からの眺めは圧巻で、ライの街並みが茶色に統一され遙か彼方は海だったこと実感出来る。日帰りではもったいない街で、時間が許せば是非一泊してみたい大人の街であった。
石畳の道に面して立つ蔦の絡まるマーメイド・イン
13世紀重要な港町として栄えた
18世紀の大航海時代には密輸業者が暗躍し彼らの巣窟になった
現在はレストラン・ホテルになっている
ISO 160 | 絞りF8 | 焦点距離100mm
セント・メアリー教会の時計台から眺めるライの街はオレンジ色の屋根が連なり、湾に注ぐローザ川、平原の中の高台にあるので海に囲まれていたことが分かる
ISO 160 | 絞りF11 | 焦点距離20mm
ライから1.5km離れた場所から見たライの街
時計台がはっきり見える
海までは4kmあり平原の向こうに見える
ISO 160 | 絞りF8 | 焦点距離200mm
ハートフィールド村 「くまのプーさん」の故郷
英国の観光地を訪れると必ずティディベア専門店があり、英国の人々は「くま」が好きだと感じる。ロンドン・ヴィクトリア駅からイースト・グリンステッド駅まで54分。そこからバスに乗り換え30分ほどでハートフィールド村に到着する。
「くまのプーさん」は作家アラン・アレキサンダー・ミルンが、息子クリストファー・ロビン・ミルンのために、このハートフィールド村で書いた童話である。「くまのプーさん」の舞台となったのは、アシュダウンの森。この森の入り口にあるハートフィールド村は5~6軒の家があり、教会と村の中心に「プー・コナー」の店が在るだけの歩くと5分ほどで通り過ぎてしまう小さな村である。
店で村の地図をもらって「くまのプーさん」由来の「プー・ブリッジ」を目指して歩くことにした。道路沿いに歩きだすとすぐに「プー・ブリッジ」の標識があり、その標識に従って牧場や民家の脇をのんびり歩くことしばらくで、「プー・ブリッジ」と青い文字で書かれた標識に行きついた。橋の横には小さな文字で「ウエルカム・プーブリッジ」と案内板が立てられている。
「プー・ブリッジ」から草むらを15分ほど歩くと高台にある大きな岩が見つかった。岩の上にはミルン親子のプレートが置かれている。
プー・コナーはハートフィールド村を通る一本道ハイ・ストリートに面している
17世紀の建物の中はプーショップでプーのグッズが溢れている
ISO160 | 絞りF8 | 焦点距離24mm
フツトパスの柵はまたげる様になっている
サインボードに行き先が書いてあるので迷うことはない
ISO160 | 絞りF11 | 焦点距離24mm
クリストファー少年とプーたちが棒投げをして遊んだ「プー・スティックス・ブリッジ」は木立の中にある
子どもたちも川に小枝を投げて遊んでいる。
ISO160 | 絞りF8 | 焦点距離24mm
アシュダウンの森にある「ミルントシェパードのメモリアル・プレート」
誰かが花束を置いている
見晴らしが良い場所で黄色の花を付けるハリエリシダが生い茂っている
ISO160 | 絞りF8 | 焦点距離24mm
使用機材
- ボディ:Canon EOS 5D Mark II
- レンズ:Canon EF 24-105mm f/4L IS
- Canon EF70-200mm f/2.8L USM