シェイクスピアの時代にタイムスリップ!
「グローブ座」見学ツアー
「オペラ座の怪人」や「ライオンキング」「レ・ミゼラブル」などのロングラン公演から、’16年から上演が始まった「ハリー・ポッターと呪いの子」、’21年開演予定の「アナと雪の女王」などの新作まで、話題の舞台が目白押しのロンドン。
ミュージカル劇場が集結するウエストエンド地区をはじめ、ロンドン市内には歴史的な劇場が数多く点在しています。
中でも世界的に知られているのが、イギリスを代表する劇作家シェイクスピアにゆかりのある「グローブ座」です。
グローブ座の歴史
「オペラ座の怪人」や「ライオンキング」「レ・ミゼラブル」などのロングラン公演から、’16年から上演が始まった「ハリー・ポッターと呪いの子」、’21年開演予定の「アナと雪の女王」などの新作まで、話題の舞台が目白押しのロンドン。
ミュージカル劇場が集結するウエストエンド地区をはじめ、ロンドン市内には歴史的な劇場が数多く点在しています。
中でも世界的に知られているのが、イギリスを代表する劇作家シェイクスピアにゆかりのある「グローブ座」です。
グローブ座があるのは、テムズ川の南岸に広がるサザーク(Southwark)というエリア。
1599年にシェイクスピアが在籍していた劇団「国王一座」によって建てられた初代の建物は、1613年に火事で焼失。同じ場所に二代目のグローブ座が建てられましたが、1642年に廃業となりました。 現在のグローブ座は、もともと劇場があった場所から230メートルほど離れたところに、大勢の方の経済支援を得て、1997年に再建されたものです。
劇場前の広場には、再建の際に寄付をした支援者の名前が刻まれています。世界的な著名人の名も多く、日本人では黒澤明さんの名前も。
劇場内のガイドツアー
シェイクスピア作品の公演も行われていますが、劇場内を見学できるガイドツアーも常時催行されています。
建築に興味がある方はもちろん、英語が分からなくて演劇を観るのは難しいけれど、歴史的な劇場の世界観だけでも味わいたい!という方にもおすすめ。
公式サイトのカレンダーから簡単に予約することができます(ロックダウン期間は開催なし)。
劇場内を見学
入口前の広場で、グローブ座の歴史や建物の説明を受けたら、早速劇場内へと入っていきます。
この日ガイドツアーの担当をしてくれたスタッフさんは、普段はグローブ座での公演に俳優として出演されている方なのだとか。ジョークを交えながら表現豊かに話してくださり、歴史がスッと頭に入ってくるようでした。
ステージ
グローブ座は円形の劇場となっていて、屋根があるのは舞台部分と座席部分のみ。この写真を撮っている場所は土間の立見席のため、屋根はありません。
ステージからは近く、臨場感たっぷりで観劇できますが、昔と同じく、雨が降っても公演が中止になることはないので、雨が降り始めたら濡れながら観劇するという他ではない体験をすることに。
後方客の視界を遮ることになるため傘は御法度。レインコートを持っておくと安心です。
桟敷席からの景色
こちらは、桟敷席から見たステージ。土間での立見席に比べ、桟敷席のチケットは倍以上の価格だったのだとか。
屋根があり天候に左右される心配はありませんが、座る位置によっては、ステージ全体が見渡せないことも。立見席と比べて、開放感も全く異なる印象です。
ちなみにグローブ座の収容人数は、なんと3000人。立見席がどれほど混雑するかが伺えますよね。桟敷席での優雅な観劇は、人の波に揉まれ、時に雨に打たれながら、土間席で演劇を楽しんでいた方たちの憧れだったのかもしれません。
・ステージの上へ
ガイドツアーでは、ステージの上に上がらせてもらうこともでき、日頃は見ることのできない“演者から見た劇場の景色”を楽しむことができます。
シェイクスピアが活躍していた16〜17世紀の俳優さんたちも、同じような景色を見ていたのでしょうか。土間席にひしめき合う、小銭を握りしめてステージを見上げる観客。お気に入りのドレスに身を包んで、桟敷席に腰を下ろしている紳士に貴婦人……。
当時の客席を埋め尽くしていた人々を想像しながらステージに立てば、当時とほぼ同じ作りでこの劇場が残されていることが、本当に尊く感じられます。
客席ばかりに目が行ってしまいますが、上を見上げるのも忘れずに。初代グローブ座のものを模したという、美しい天井画が広がっています。
舞台右手(下手)には、ギリシャ神話に登場する音楽と詩歌文芸の神アポロン。舞台左手(上手)には、商業や学術の神メルクリウスが。
天井中心部に描かれている、輝く太陽は「Heavens Trap」という舞台仕掛けとなっており、ここから神を降臨させたり、俳優を空高く浮遊させたりする演出が行えるようになっているそう。太陽の周りには十二星座が描かれています。
コスチュームの展示
ステージ上では、シェイクスピアの公演で使用される衣装の展示も。
こちらは、シェイクスピアの四大悲劇の一つ「オセロ(Othello)」のコスチューム。
黒人将軍のオセロは、オセロに恨みを持つ部下イアーゴの悪巧みによって、妻デズデモーナの浮気を疑い始める。やがてオセロは嫉妬で狂い始め、物語は衝撃の展開に……。老若男女に愛されているボードゲーム「オセロ」の名前の由来になったのもこの作品なのだとか。
こちらは、受賞歴もある作家エラ・ヒックソンと、監督ナタリー・アブラハミによって描かれた新劇「Swive Elizabeth」で着用された衣装です。
スカートにはエリザベス女王の顔が大きくあしらわれており、遠くの座席からでもインパクとがありそう。
劇作家ジョン・フレッチャーとの合作「二人の貴公子(The Two Noble Kinsmen)」。
ジェフリー・チョーサー作「カンタベリー物語」の中の「騎士の話」が原作で、親友でもありいとこでもあるパラモンとアーサイトが、エミーリア王女に恋に落ち、エミーリア王女を巡って決闘をする恋愛悲喜劇。
唯一独身でイングランドを統治した女王「エリザベス1世」を題材に、男性社会の圧力の中で力を持ち道を切り開いていくエリザベス1世の生き様を描いたストーリー。
シェイクスピア土産も充実
場内にはグッズショップもあり、名台詞が書かれたトートバッグやマグカップ、「ロミオとジュリエット」「夏の夜の夢」など、シェイクスピアの名作をイメージしてデザインされたグッズが販売されています。
ガイドブックは5ポンドで販売されており、初代、二代目のグローブ座の歴史から、現在のグローブ座の作りや装飾まで、様々な情報が網羅されています。
グッズはオンラインでも販売されており、イギリス国外への発送も可能とのこと。シェイクスピアファンの方は、日本からでもグッズを購入できます。
グローブ座公式ショップ:https://shop.shakespearesglobe.com/
オンラインで劇場内を見学
なかなかロンドンまで足を運べないという方に朗報。グローブ座の公式ホームページでは、劇場内を360度見学できるバーチャルツアーが公開されています。
実際の臨場感には敵わないものの、無料でアクセスすることができ、細かなところまでゆっくりと見学することができるので、ぜひグローブ座に興味を持たれた方はアクセスしてみてくださいね。
グローブ座バーチャルツアー:https://www.shakespearesglobe.com/discover/about-us/virtual-tour/