あっさり美味しいイギリスのポテサラ

プレートに盛り付けたポテトサラダとハム、セルバチコにプチトマトとライ麦ブレッド
イギリスのポテトサラダ

イギリスと日本のポテトサラダ

私がイギリスに来て、最初からかなり気に入っているお料理の一つがポテトサラダ。ポテトサラダは、日本にもあるが全く別物である。
日本のポテトサラダは、男爵いものようにでんぷん質の多いじゃがいもを粉ふきいもにして適度に潰して人参やきゅうり、コーン、ハム、ツナ、刻んだ茹でたまごなど好みで加えてマヨネーズで和えるボリューム満点。主役にも負けない人気を誇るサラダだと思っている。一方イギリスのポテトサラダは、シンプルに具はポテトのみである。
シンプルなサラダだからこそ、こだわりのある調味料や調理方法がある。

テーブルんぶ並べられたポテトサラダの材料
イギリスポテトサラダのメインの食材

じゃがいもで決まる美味しさ

イギリスの主食がじゃがいも。その種類の多さには驚かされる。このサラダに使うじゃがいもは、新じゃがやBabyポテトと呼ばれるあっさりした小さめのもの使う。日本では目が細かく煮崩れしにくく、ほんのり甘みを感じるメークインが向いている。調理法は皮ごとまず茹で、柔らかくなったら手を使って皮をむくと言う方法。このお料理で使うじゃがいもの美味しさを最大限に引き出せる。

茹でてから、手で皮をむいたじゃがいも
茹でてから皮を剥くじゃがいもに美味しさあり

ポイントはマイルドなマヨネーズ

普段はやはり日本のマヨネーズが手放せない私だが、ポテトサラダはヘルマン(Hellmann’s)社のものに限ると思っている。日本のマヨネーズよりまろやかで手作りのマヨネーズを思い出させる味わいである。もちろん時間があればマヨネーズを手作りすれば、より美味しくできることは間違いない。最近はカロリーオフのものも出回っているが、このサラダに関してはぜひ躊躇せず普通のマヨネーズを使って欲しいと思う。

瓶に入ったヘルマン社のリアルマヨネーズ
ヘルマン(Hellmann’s)社のマヨネーズ

フルーティーで透明感のある白ワインビネガー

白ワインをベースに作られたのが白ワインビネガー。 フルーティーな酸味とさわやかな香りが特徴だ。そして何よりお料理の色を生かせる透明感がこのポテトサラダには不可欠である。マイルドなマヨネーズ風味に少し酸味を加えることで味をスッキリさせてくれる。レモン汁でも良いが、やはり白ワインビネガーのほうがこのポテトサラダには向いている。

うまみエッセンス・エシャロット

ほんのり甘みを感じる柔らかくねっとりした食感のじゃがいも、まろやかなコクと甘みのマヨネーズ。ここで一つ必要なのが味にアクセントをつけるエシャロット。馴染みの少ない野菜ではあるが、これを加えるとお料理がぐんとエレガントで大人の味になる。このポテトサラダもエシャロットが入ることによって飽きのこない洗練された美味しさに仕上がる。

仕上げの魔法チャイブ

いろいろなお料理に使える万能ハーブである。細かく刻むととても綺麗な切り口でお料理の美しさを際立たせてくれる上、味も上品にまとめてくれる。ポテトサラダの白いだけの垢抜けない見た目を一気に華やかに仕上げてくれる。
イギリスには細めのネギでスプリングオニオンと呼ばれるものもあるが、これは代用せずにチャイブを使って欲しい。日本では極細のあさつきや万能ネギで代用するのが良いだろう。ハーブとしても育てやすいのでプランターでも育ててみることをお勧めする。

こだわりの塩

塩と一口に言っても個性があり、作り手の人々の想いに共感したもの、生産地にこだわったものなど、それぞれのこだわりの塩を使うと、より満足感が高まる。このポテトサラダのように材料は少ないが一つ一つの食材の持ち味を大切に生かして作るお料理には必須である。

材料が出揃ったところで、この少ない材料で最高に美味しいイギリスのポテトサラダを再現しよう。

下準備を終えたポテトサラダの材料
ここまでできれば9割完了

ポテトサラダレシピ

材料 4人分

  • 新じゃが、ベイビーポテト、メークイン: 500g
  • エシャロット 皮を剥いて細かく刻んで: 40g
  • チャイブまたは極細のあさつきまたは万能ネギ: 細かく刻んで15g
  • 白ワインビネガー: 大さじ1
  • マヨネーズ(まろやかなマヨネーズが好ましい): 70g
  • 塩: 小さじ1/4

作り方

  1. 中ぐらいの鍋にたっぷりの水を張り、洗ったじゃがいもを皮ごと入れて水から強火で沸騰させ、沸騰したら火を弱めるが定期的に泡が出ているぐらいの火加減で、約20分茹でる。中まで火が通ったら火を止めざるに空けて冷ます。
    *竹串を刺して火の通りを確認する。茹で時間はじゃがいもの種類や大きさにもよるので様子をみながら調節する。
  2. 1の粗熱がとれたら手で皮をむき、約1cm~1.5cmの角切りにする。
    *むきにくい時は小さなナイフを使ってもよい。
ボウルにいれ準備した材料
最後ボウルに入れて混ぜるだけ
  1. ボウルに全ての材料を入れて大きめのスプーンで混ぜ、味を見て必要であれば追加で塩(分量外)を加えて味を整え完成。

ポイント

エシャロットやチャイブはかなり細かく切ること。

ボウルに盛り付けたポテトサラダ
さわやかな色合いを生かして個性あるサラダボウルに盛り付けた

イギリス流おしゃれで美味しい食べ方

プレートに盛り付けたポテトサラダとハム、セルバチコにプチトマトとライ麦ブレッド
カジュアルおしゃれなワンプレートランチ

ポテトサラダは普通のスーパーやデリカテッセンなどで売っている。カジュアルなランチなどの付け合わせに良い。この日はハムをメインにポテトサラダ、ライ麦ブレッド、セルバチコ(ワイルドロケット)、プチトマトと一緒にヘルシープレートに仕上げてみた。このポテトサラダはどんなお料理にも良く合うのでぜひ食卓に登場させて新しい味を楽しんでいただきたい。

ライ麦ブレッドに載せて食べるポテトサラダやハム
見た目も味のバランスもよい

エリオットゆかり

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イギリス在住料理研究家 イギリス人の夫、23歳の日本在住の長男(現在ロンドン在住)、21歳の長女の4人家族。 2000年にイギリスに移住 食をメインにイギリ...

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