イギリス映画談 ~二人の子持ちになっても元気な『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』~

2025年4月11日公開

©2024 UNIVERSAL STUDIOS, STUDIOCANAL AND MIRAMAX

ロンドンで暮らす30代の独身女性ブリジット・ジョーンズが小説世界で誕生したのは1996年、30年近く前になる。いつの間にか10歳のウィリアムと6歳のメイベルと暮らしているブリジットが、映像世界で9年ぶりに帰ってきた。

小説の主人公として登場したブリジット

パジャマでくつろぐブリジット・ジョーンズ(レネー・ゼルウィガー)
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ブリジットの書く日記という形で、彼女の生活を世に送り出したのはイギリスの女性作家ヘレン・フィールディング。1958年生まれというから、ブリジットを誕生させたときは38歳になっていただろうか?オックスフォード大学のセント・アンズ・カレッジ卒業後、BBCに入社し、テレビ業界でキャリアをスタートさせている。ブリジットが出版社から転職してテレビ業界で働いたことを思い出させる。

ブリジットとは逆にヘレンはテレビからいくつかの全国紙に活躍の場を移し、1990~1999年はサンデー・タイムズ、テレグラフなどの新聞にジャーナリスト、あるいはコラムニストとしての記事を発表するようなっていく。その中でインディペンデント紙から、彼女自身のロンドンでの独身生活について書くことを依頼される。名前を出して自分自身のことを書くことに抵抗のあった彼女は、多少誇張された、皮肉でコミカルな想像上のキャラクターを創作して書くことを提案し、受け入れられた。
ブリジットという匿名で書くことで、30代の独身女性について正直に話すことができたこのコラムは、すぐに人気を博すようになる。出版社は「ブリジット・ジョーンズの日記」を本にするように依頼してきた。1996年発売のハードカバー本に続き、1997年に出版されたペーパーバック本はすぐにベストセラーのトップになり世界的にベストセラーになった。

映画の世界に飛び込んだブリジット

本の出版から5年、2001年に「ブリジット・ジョーンズの日記」の映画が作られた。ベストセラーの原作だから当然と言えば当然だが。

長男ビリーの小学校の教室で担任のウォーラカー先生(キウェテル・イジョフォー)と
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20年ほど前、職場の女性とこの映画の話をしていた時、コリン・ファースが話題になった。彼女にはそれ以前にコリン体験があり、彼がテレビドラマで演じた「高慢と偏見」が如何に素晴らしかったかを話した。調べてみると、イギリスで作られたもので、日本で放映されたという記録はなかったが、彼女はビデオ店で借りてみたらしい。確かにこのドラマはかなりの評判だったようで、Wikipediaで”高慢と偏見 テレビドラマ”と検索すれば情報が出てくる。それによれば、1995年にイギリスで製作された作品で、1話55分で全6回がBBCで放映されたらしい。最終回はイギリスでの視聴率が40%を超えたとある。「ブリジット・ジョーンズの日記」を書いたヘレン・フィールディングもこのドラマを見ていた。

女性に焦点を置いて書かれたジェーン・オースティンの原作「高慢と偏見」以上に、このドラマでは男性ダーシー(単にミスター・ダーシー)についても様々な描写がされたらしい。このダーシーを演じたのがコリン・ファースだった。フィールディングはこのドラマを見ていて、ブリジットの相手男性の名前をマーク・ダーシーとし、よく似た男性として描写したらしい。この時点で、マーク・ダーシー役はコリン・ファースに決まったと言える。

ブリジットと彼女の想像の中に現れるマーク・ダーシー
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その後のブリジット

映画の好評で、2作目の小説「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12カ月」が同じ題名で映画化されたのは2004年(日本での公開は2005年)。1作目でマーク・ダーシーと付き合い始めたブリジットだが、なかなか順調にいかず、ハラハラドキドキが続くことに。
3作目の「ブリジット・ジョーンズの日記ダメな私の最後のモテ期」が公開されたのは10年以上後の2016年だ。出版社に勤めていた時の上司で憧れてもいたダニエルが航空機事故で亡くなり、その葬儀に参列すると、かつての恋人マーク・ダーシーが妻と共に参列していた。

ブリジットのかつての職場の上司で今もモテ男のダニエル・クリーヴァ―(ヒュー・グラント)
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5年間も恋人のいなかったブリジットは、友人の”最初に出会った男と寝ること”との助言に沿って、野外ロックフェスで出会ったジャックと関係を持つ。更にある機会にマークと会い、離婚調停中だという彼とも関係する。その後ブリジットは妊娠に気づく。父親はどっちか?どちらの子であっても受け入れるというマークを無意識に選び、出産する。1年後、マークとブリジットはかわいい男の子ウィリアムと一緒に結婚式を挙げた。

ブリジットと昔からの仲間、右からミランダ、シャザ、ブリジット、トム、ジュード
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最初から最新迄のブリジットを演じたレネー

2/3作目の間の11年、3/4作目の間の9年の間にブリジットの生活は大きく変わっている。振幅の幅は3作目が一番だろうが、今回も負けてはいない。前作から9年、その間に最愛の夫マークはスーダンでの人道支援活動中に命を落とし、ブリジットは二人の子供と暮らす中年女性になっている。

2人の子供ビリーとメイベルとベッドで跳びはねるブリジット
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もう恋もできない年になってしまったかと思いきや・・・。まあ、人間20歳以上になればそれ以上は変わらないとは大学の先生が教えてくれましたが。
最初の作品から25年近くブリジットを演じてきたのは、アメリカ人女優レネー・ゼルウィガーだ。ドイツ系のスイス人とノルウェー人の母の元に生まれる。1993年映画にデビュー、1996年の「ザ・エージェント」でトム・クルーズと共演し注目された。その後、今までにアカデミー賞を2回受賞(2003年「コールドマウンテン」で助演賞、2019年「ジュディ 虹の彼方に」で主演賞)している通り、演技もしっかりしている女優だ。

歌い踊るブリジット
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2001年の第1作「ブリジット・ジョーンズの日記」に主演するために、彼女は体重を13㎏増やし、イギリス英語をマスターして、ブリジットを演じ切った。そのかいあって、世界中でレネーのブリジットは愛された。女性の本音で生きるブリジットが多くの女性の共感を呼んだ。

今回は製作陣の一人としても活躍するレネー、これからもブリジットをよろしく!

『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』公式サイトhttps://bridget-jones-movie.jp/

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