ジャム作りの季節がやってきた!
ジャム作りの季節になりました!
ロンドンにいたころにも幸い野原にはブラックベリーが沢山咲いていて、それを摘んでは冷凍しケーキやデザートに使っていました。イギリス中、都会の中心以外はどこにでも見られるのがブラックベリーの茂みです。
今は田舎に暮らしていますので、家から少し歩くだけでブラックベリー摘みが可能です。ブラックベリーには恐ろしく尖った棘がたくさんあります。その上、ブラックベリーの茂みのそばには、イラクサが生えていて、触ると一日中ピリピリ。急いで摘んで、手や足にひっかき傷ができてしまうのも毎年この時期です。
マイケルマス(9月29日/Michaelmas<ミカエル祭>)以降は、”天使がブラックベリーに唾をかけるので食べてはいけない”という言い伝えがあるのですが、ブラックベリーは古くなると見た目は黒く輝いていても、中は腐敗していることが多いので、この言い伝えは理に適っていると思います。
先日は、娘たちのガーデンで採れたプラムがどっさり届きました。早速プラムジャムを作りました。
今年は少し出遅れてしまいましたが、近くの野原にはクラブアップルも実をつけています。イギリスでは通常果実が入っているものをジャム、またはプリザーヴと言います。そして果実が入っていないものをジェリーと言います。
煮て柔らかくしたクラブアップルをジェリーバッグに入れて一晩置き、アップルから落ちる汁の最後の一滴まで使います。
少し青く、少し黄色のクラブアップルが、ジェリーにすれば、ほらッ!こんなにきれいな色になります。(赤いクラブアップルもある。)
ジャムが保存食として作られ始めたのは石器時代だと言われます。古代ギリシャ人は蜂蜜を使って保存食を作りました。また世界で一番古いジャムのレシピは西暦300年代にローマ人によって書かれました。このように甘味を使った保存食は実に長い歴史を持っています。人は食料が絶えてしまうことに不安を感じ、”いつも保存できるものを用意しておきたい”気持ちは今も昔も変わりません。
第二次世界大戦時のこと。イギリス政府は、ジャム作りのために全国の婦人会に保存食を作るために1,400ポンドを支給しました。作られたジャムは1,600トンにも及んだとか。
アメリカでは通常ジャムのことをジェリーと言い、ジェリー(日本ではゼリー)のことをjello(正確にはjelloはJell-Oというブランド名)と言います。
初めてアメリカに行った時のこと。「ピーナッツバターとジェリーのサンドウィッチはいかが?」と言われて戸惑いました。頭の中に描いたのはピーナッツバターの上に、あのプルンプルンのゼリーを載せた、何とも奇妙なサンドウィッチです。それは単にピーナッツバターとジャムのサンドウィッチだったことを知ったのはずいぶん後のことでした。
スーパーマーケットに行けば、多くの種類のジャムやジェリーが並んでいます。でも何と言ってもお砂糖と果物だけで出来たホームメイドのものが味も、そして健康にも良い気がします。