観光の合間に一杯!?イギリスのパブ完全ガイド

イギリスのパブについて
イギリスの一つの文化を象徴する存在がパブである。地元の人々が集い、会話やスポーツ観戦、音楽を楽しむ場として親しまれている。
旅行者も自然とその雰囲気に溶け込み、現地の人々との交流を楽しめるのが魅力だ。温かな空間と豊富なビール、伝統料理が、忘れがたい体験をもたらしてくれる。
パブの基本的な雰囲気
パブは誰でも気軽に立ち寄れる場所である。カジュアルな服装で構わず、特別な準備は必要ない。
内装には木製のテーブルや暖炉、古風な絵画やポスターが飾られ、落ち着いた雰囲気を醸し出している。最近はモダンでスタイリッシュなパブも多い。地元の人々が集まり、会話を楽しみながらビールを飲んでいる様子がよく見られる。

飲み物の選び方
パブの主役はやはりビールである。特に「エール」や「ラガー」といったイギリスならではの種類が豊富だ。エールは室温程度で提供され、まろやかでコクのある味わいが特徴。対してラガーは冷たく、炭酸が効いたすっきりとした飲み口で、日本のビールに近い。
また、リンゴを原料としたアルコール飲料「サイダー」も人気があり、爽やかな味わいが楽しめる。ビールが苦手な人には、ワインやカクテル、ソフトドリンクといった選択肢もある。
なお、ビールやサイダーを注文する際には「パイント(pint)」または「ハーフパイント(half pint)」というサイズを選ぶことができる。
パイントは約568ml、ハーフパイントはその半分の約284mlである。
最近では、ノンアルコールの「ギネスゼロ」も注目されており、本物のギネスに近い味わいで、飲めない人でもパブの雰囲気を満喫できる。
注文と支払い
基本的にカウンターで注文し、その場で支払うスタイルが一般的である。飲み物を受け取った後は、空いている席で自由にくつろげばよい。料理はその後運ばれてくる。
QRコードを利用してスマートフォンから注文・決済を行うシステムを導入しているパブも増えている。また、ガストロパブなどではテーブルサービスが行われており、食後にまとめて会計する形式もある。
チップはサービスが良かったと感じた場合には心づけとして渡すと喜ばれる。サービス料が既に料金に含まれていることもあるため、請求書の内容を確認することも忘れずに。
イギリス伝統の料理を楽しむ
パブで提供される料理はボリュームがあり、満足感が得られる。とくに「フィッシュ&チップス」は外せない定番メニューである。カリッと揚がった白身魚とチップスと呼ばれるポテトフライはビールとの相性が抜群であり、イギリスらしさを存分に味わえる。多くのパブで安定した品質が保たれており、どこで食べても一定の満足感が得られるのも魅力である。

また、「サンデーロースト」も人気のメニューのひとつである。ローストビーフのほか、ローストチキン、ローストポーク、ラムなど、好みに応じた肉の種類が選べるのが特徴である。ローストポテト、季節の野菜、たっぷりのグレイビーソースとともに一皿に盛り付けられるこの料理は、日曜日の定番である(日曜日以外は食べることができない)。中でもローストビーフにはヨークシャープディングと呼ばれるシュー皮のようなものが添えられ、伝統的な組み合わせとして親しまれている。

現地の人々との交流を楽しむ
パブは地元の人々と交流を図る社交の場でもある。隣に座った人が気軽に話しかけてくることも珍しくなく、英語が得意でなくとも、サッカーや音楽といった共通の話題を通して会話が成り立つ。
イギリス人はおおむねフレンドリーであり、観光客にも親切に接してくれるため、積極的に会話を楽しんでみる価値がある。
パブの文化を楽しむ
多くのパブでは、スポーツ観戦や音楽イベントなどが開催されていて、これらを楽しむこともパブ文化の一部である。
サッカーやラグビーの試合を観戦しながら、地元のファンと一緒に声援を送ることは、まさにその土地ならではの体験である。
また、ライブミュージックが楽しめるパブでは、地元アーティストによる演奏が行われることも多い。さらに「クイズナイト」などの参加型イベントも人気があり、こうしたイベントを通じてパブの活気を直に感じることができる。

観光の合間に立ち寄るパブでは、ドリンクだけでも十分に楽しめる。食事をするほどではないが、少し小腹を満たしたいときには、カウンターでクリスプス(ポテトチップス)やスナック菓子、ナッツ類などが販売されていることも多く、軽いおつまみとして気軽に楽しめる。イギリスらしいパブの雰囲気に浸りながら、旅のひとときをゆったりと過ごしてみてほしい。