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毛布の中の豚「ピッグス イン ブランケッツ(pigs in blankets)」

クリスマスデコレーションと一緒にプレートに盛られたピッグス イン ブランケッツ
ピッグス イン ブランケッツ

なぜクリスマスに毛布の中の豚が食べられるのか?

英国のクリスマスディナーの伝統的な一品となった毛布の中の豚という不思議なネーミングの料理の最初の記録は1957年に遡る。のちにセレブリティーシェフと呼ばれるシェフの先駆けであるデリア・スミスが、1990 年代にクリスマスのレシピ本に掲載したことがきっかけで、この料理がクリスマスに作られスーパーで既製品が売られるようになったようだ。

市販のピッグス イン ブランケッツ
左:大きめのサイズ(商品名は違うがこれもピッグ ス イン ブランケッツ)

毛布=ベーコン、豚=ソーセージ

イギリスには面白い名前の料理が存在するが、これもその一つだろう。縞模様のベーコンが毛布、チポラータソーセージが豚である。チポラータソーセージというのは粗挽きの豚肉、スパイスやハーブと一緒に塩とコショウで味付けした生ソーセージである。
このお料理は簡単に言えばソーセージのベーコン巻きだ。
日本人にとっては弁当のレシピ本に出てきそうな馴染みのある料理である。

ピッグス イン ブランケッツの位置付け

サイズ違いのピッグス イン ブランケッツ

英国ではクリスマスに七面鳥、スタッフィングという詰め物、ローストしたジャガイモや野菜、クランベリーソース、グレービー(肉汁ソース)と一緒にこの印象的な名前のピッグス イン ブランケッツが伝統的に食べられている。
もちろん家庭によっては七面鳥ではなく、他の肉でお祝いする場合もある。
このピッグス イン ブランケッツは1年を通じて購入できるが、この時期は売り場が拡大している。大きさもまちまちで、小さいものから長いものもありサイズが選べるが、私は小さなサイズの方が相応しいような気がする。
主役はターキーなのであくまでもメイン料理に添える脇役だからだ。
子どもたちをはじめ大人の中にも主役のターキーより好きだという人も少なくない。

市販のピッグス イン ブランケッツの作り方

ピッグス イン ブランケッツを耐熱皿に並べて軽くオリーブオイルを刷毛で塗り、200℃(コンベンションオーブン、ファンオーブンの場合は180℃)に予熱したオーブンに入れて約20分~25分焼いて完成する。

イギリスでは市販品が溢れているので手作りする必要はないが、読者の皆様にイギリスの冬の風物詩の料理を自宅で再現できるようにレシピにした。
ローストした肉に添えるのがイギリススタイルだが、オードブルとしても人気がある。ケチャップなどを添えておつまみとしてもおすすめする。
ビールやワイン、サイダーというリンゴのお酒によく合い、見た目も華やかなので年末年始の人が集まるホームパーティーや持ち寄りにもぴったりである。

*サイダーについては、以前のコラム『イギリスパブで人気のアップルサイダーとフードペアリング』をご覧ください。

自家製ピッグス イン ブランケッツレシピ

材料 10個~11個分

【A】

┏豚ひき肉 200g
┃*脂が程よくあるひき肉の方がジューシーに仕上がる。
┃ドライタイム 少なめ1つまみ
┃ナツメグ 2つまみ
┃オールスパイス(オプショナル)2つまみ
┃塩 3つまみ
┃白コショウ 2つまみ
┃パン粉 大さじ1と1/2
┗水 大さじ1と1/2

作り方

*オーブンを200℃に予熱する。(コンベンションオーブン、ファンオーブンの場合は180℃)

  1. ボウルにAを入れて手で粘り気が出るまで混ぜる。
  2. 1を約20gずつ、約4㎝の長さに手で転がしながら伸ばす。
  1. 半分に切ったベーコンで2を巻き、巻き終わりを下にして耐熱皿に並べ、刷毛でオリーブオイルを表面に塗る。
  1. オーブンに入れて約20分~25分焼いて完成。
オーブンへ入れる前
焼き上がり

*オーブンの強さによって多少調理時間が違うことがある。調理時間は様子を見ながら調節する。焼きすぎると硬くなるので表面に濃い焦げ色がついていなくても25分以内でオーブンから取り出す。

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