マーマレードフェスティバルはマーマレード好きの天国だった
この回では、2016年から2019年までのマーマレードフェスティバルの様子を取り混ぜて紹介します。
マーマレードフェスティバルは、例年3月中旬の土日2日間の開催です。
もしこのフェスティバルへ、ダルメインまでいらっしゃるのでしたら、初日の土曜日をお勧めします。
なんといっても、このフェスティバルで一番重要なのは、ホームメイド(アマチュア)部門の授賞式です。
土曜日の朝、ダルメインの館の入り口に、髪にオレンジ色やレモン色のリボンをつけた子供たちが並び、「マーマレードの歌」を合唱します。かわいらしい子供たちの歌声、それを合図にフェスティバルがスタート。
ホームメイド(アマチュア)部門の各カテゴリーのゴールドと、ダブルゴールドの受賞者が発表されます。
ホームメイド(アマチュア)部門のカテゴリーとは「セヴィルオレンジのマーマレード」「初めて作ったマーマレード」「男の人が作ったマーマレード」「自分の庭でとれた食材が入ったマーマレード」「子供が作るマーマレード」「インターナショナル(海外から応募するマーマレード)」など、その他いくつかあり、そのカテゴリーごとにゴールドが決まります。
私は2013年からホームメイド(アマチュア)部門に出品して、2015年に「Any Citrus」(柑橘部門)のカテゴリーで、ゴールドを受賞するのですが、その時はまさか自分がゴールドを受賞するとは思っていませんでした。
ダルメインのホームページで自分の名前を見つけてびっくり仰天。正直、同姓同名の人ではないかと認定証がダルメインから送られてくるまで、半信半疑でした。
2016年もゴールドを受賞できるとは思いもせず、フェスティバルに参加して初めて2年連続のゴールドの受賞がわかったのでした。
受賞式では、もうドキドキしながらゴールドの認定証をいただきました。
ゴールドの中でも特に優れたものがダブルゴールドとなり、その受賞者のレシピを元に、イギリスのマーマレードメーカー「Thursday Cottage」がマーマレードを作り、ダルメインとロンドンのフォートナム&メイソンで販売します。
周りの人々もたくさんの拍手をして、栄誉を称える表彰式は、とてもアットホームな感じで心が温かくなります。
館の中いっぱいのマーマレード
館の中の各部屋には、世界中から送られたホームメイド(アマチュア)部門のマーマレードが飾られています。
マーマレードは、カテゴリーごとに置かれています。出品した場合、ご自身のマーマレードは、そのカテゴリーの場所に行けば必ずあるはずです。自分が作ったマーマレードですから、ビンも簡単に探し出せると思いますよね。
ところが実際には見つけるのはとても大変。以前、私も自分のマーマレードを探したのですが、見つけるのがとても大変でした。
マーマレードのテイスティングはエキサイティング
次はいよいよマーマレードのテイスティング。
バーン(Barn)という、以前は納屋だった建物へ行きましょう。
ここでは、アーティザン(プロ)部門で受賞したマーマレードのテイスティングが思う存分!できます。
私も毎年「すべてのマーマレードの味をみよう」と深く決意するのですが、ぎっしりと並んだマーマレードに圧倒されて、志半ばで挫折の繰り返し。マーマレードだけのテイスティングなので、口の中が甘くなり、だんだん嫌になるのですね。
その年のゴールドのマーマレードのいくつかは、販売もしていますから、レアなマーマレードを購入できるチャンス。人気があるマーマレードは試食のビンの減りも早いです。それをチェックするのもおいしいマーマレードを見分ける一つの方法?
販売数が少なく、初日で売り切れてしまうマーマレードも続出しますから、要注意です。これは!と思ったお気に入りのマーマレードは、早めに購入する事をお勧めします。
「このマーマレードがおいしい!」会場の中では、そんな情報も飛び交っています。
マーマレードは、作り手の個性によって、その味わいが異なり、面白いものです。同じ種類の柑橘を使っても、出来上がりは、それぞれ微妙に異なります。好みは人それぞれなので、このフェスティバルで、自分好みのマーマレードを見つける楽しさもあります。
イギリスのマーマレードは手ごろな値段で、お土産にいいのですが、ビンも大きく、重いのが難点。しかしゴールドを受賞したマーマレードはおいしいので、私も重さを気にしながら、いつもたくさん買ってしまいます。
お客様とお話をしながら、自分が作ったマーマレードをお勧めするのは、とても楽しいです。どんな味わいのマーマレードがお好みなのかを考えながら、マーマレードを選びます。
ダルメインでは、イギリスや他の国の方がお客様なので、なかなか日本語で説明するようにはいきません。しかし、試食して「おいしいよ」「大事にとっておいてクリスマスに食べるよ」とおっしゃっていただくと、ダルメインに行き販売してよかったなと思うのです。
SNSで知り合っていた海外の方とお会いしたりして、ここダルメインにいると、なんだかマーマレードを通じて世界の人と繋がっている感じでした。
本当にマーマレードは、人を繋げる力も持っているのではないかと思います。
フェスティバルは、マーマレード好きにとって天国です。
今後、フェスティバルでのテイスティングの仕方も変わるかもしれませんが、これはなくならないで欲しいと願っています。