キューカンバー・ウォーター
英国の夏の飲み物といえば何といっても「キュウリ」が欠かせません。街中のお洒落なデリやカフェに入ると必ずといって良いほど「キューカンバー・ウォーター」が置かれています。
大抵が薄くスライスされたキュウリ、そしてミント、もしくはレモンがお決まりです。
なぜ、これほどまでに「きゅうり」が好まれるかというと、以前のコラムにも書かせていただきましたが、英国ではその昔、キュウリは大変貴重で食べられる人は上流階級のほんの一部でしたからから、キュウリは富の象徴であり、また、瑞々しいキュウリは水分が多くローカロリーでヘルシー、水分補給にもぴったりと考えられます。
キュウリを飲み物に入れて美味しいの??と思われるかもしれませんが、英国のきゅうりは日本のものより太く大振りで水っぽいのであまり癖がありません。
日本のキュウリはお味がしっかりしているので、日本で作ると「瓜みたいですね」と言われることも多く、少し癖を感じられるかもしれません。
ピムスの歴史
さて、「キュウリ」が欠かせない夏の飲み物として「ピムス」というリキュールがあります。
「ピムス」は1840年にロンドンでオイスターバーを営んでいたジェームス・ピム氏がジンをベースにした柑橘系のオリジナルカクテルを作ったのが始まりといわれています。このカクテルは「ピムスNo.1」と呼ばれ当時のロンドンで人気を集めました。
ピムスはNo.1~No.6まであり、ベースとなるアルコールが異なるそうですが、現在のロンドンではNo.1しか販売されていないようで、私も他のナンバーは目にしたことがありません。
ピムスのアルコール度数は25度程度。炭酸系の飲料で割って飲まれるのが一般的です。ジンジャーエールで割ったり、フルーツは何でもあるものを入れてOK!なのですが、何をおいても「キュウリ」は必ずと言ってよいほど入ります。
英国では初夏が「イングリッシュストロベリー」の季節ですから苺もよく使われますが、日本の夏は苺を手に入れるのは難しいですよね。是非、オレンジやレモン、すいか、パイナップル、ブルーベリーなど手に入るフルーツで楽しんでください。
英国の夏のイベントでは定番の飲み物で、子供たちの通う小学校の夏のチャリティーバザーでもせっせと「ピムス」を作る父兄の姿が。日本の学校ではアルコールが出ることは無いと思いますが、英国では子供たちのイベントで親たちがビールやワイン、シャンパン等を楽しみながら、ということは一般的です。
さて、ピムスは日本でも手に入りますから、今日はちょっぴりお洒落な紅茶を使った「ピムスのティーソーダカクテル」のレシピをご紹介いたします。是非この夏はキュウリとフルーツたっぷりのドリンクで暑い夏を乗り切ってくださいね♪
“ピムスのティーソーダカクテル”レシピ
- 水出しのティーソーダを作っておく。500ml炭酸水のペットボトルにアールグレイのティーバッグを1個入れて一晩冷蔵庫に入れておく。
- グラスにスライスしたキュウリ、レモン、ミント、その他ベリー(冷凍でも)、スイカ、ザクロの身など、お好みのフルーツ、氷を入れておく。
- そこへピムス(40ml)、好みでガムシロップ(大1)を入れ、最後にティーソーダを注いで出来上がり。
※シロップを手作りする時は水と砂糖を1:1の割合で鍋に入れ軽く沸騰させたら出来上がり。
《ライター~牟田彩乃~ お知らせ》
■日本橋三越英国展「PRIMROSE」出展します。
Part2: 9月6日(水)~11日(月)
■新宿クリナップキッチンタウンにて英国菓子「アップルダッピー」イベントレッスン
10/19(木) 11時~
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