そもそも手土産は必要?それとも不要?
流行語大賞にもノミネートされた「ヌン活」つまりアフタヌーンティーを愉しむ活動。
ホテルでのアフタヌーンティーも人気ですが、お家アフタヌーンティーパーティのおもてなしも増えています。その理由のひとつがホテルの時間制限。あまりの人気ぶりに、アフタヌーンティーに「2時間制」などの縛りを設けるところも増えてきているのです。
コロナ禍に人気となったテイクアウトアフタヌーンティーを素敵にセッティングして、美味しい紅茶を用意すれば、時間を気にすることなく心ゆくまでアフタヌーンティーを味わうことができる…というわけで、お家女子会としても広まっています。
そこで気になるのが、お家でのティーパーティに招待された時の手土産。
手土産の文化って日本ならでは…?それともイギリスにもあるのでしょうか?
イギリスでアフタヌーンティーに招かれた際には、基本的に手土産不要です。なぜなら「だって、お招きを受けたら、招き返すのが礼儀でしょ?」
なるほど……。とはいえ、自宅でのおもてなしには準備が大変。お道具も必要そうだし、返礼として招き返すことができない事情もあるかもしれません。しかも日本には、お招きを受けたらお持たせを持っていく、という習慣があり、そもそも手ぶらで行くのは気が引ける…というかたも多いのではないでしょうか。
そんなときは、気の利いた手土産をセレクトしたいですよね。
知っておきたい手土産のマナー
そこで、英国流のパーティマナーを参考に、まずは避けたい手土産を挙げてみたいと思います。
まずは、生菓子。日本では昔から、生ケーキを手土産にお持ちすることが結構多いのですが、これがNGアイテムです。
ティーパーティに招待しているわけですから、それこそお迎えする側は沢山のお菓子を用意しているもの。そこに生菓子を持っていくということは「あなたがセレクトするお菓子って、どうも私には口に合わなくて……」なんていうマイナスの意味に取られることもあるのです。
また、お菓子を手土産にする場合には、たいてい自分が食べたいものをお持ちしますよね。そうすると、マダムは準備していたものを取りやめて、いただいたお菓子を優先することだってあります。…となると、何日も前から考えていたメニュー構成まで変えなければならない、ということにもなりかねません。
そして、パーティ当日の冷蔵庫は食材や飲み物でパンパン!という状況も、頭に入れておいてください。
どうしても召し上がっていただきたいお菓子がある場合には、日持ちのするものを選び、「ご家族と一緒に召し上がってください」という言葉を添えればスマートです。
次に花束。これも日本では定番の手土産ですが、生菓子と同じで避けたいギフト。
マダムは、パーティのテーマやカラーコーディネートに合わせて、お花を用意しています。テイストに合わないこともありますし、もしそれが花束だった場合は、急いで花瓶を用意して飾らなければなりません。ゲストをお迎えするいちばん忙しい時間に、マダムの手を煩わせてしまうことになります。
本当に親しい間柄で、好みや趣味をよく把握しているという場合は、あらかじめ申し出てご相談のうえで、アレンジメントを持参します。
そんなときにも気をつけたいのが、お花のセレクト。
お花には花言葉はじめ様々な意味があり、それを深読みするタイプのかたもいらっしゃるのです。普段、あまり気にならないかたは、自分の感性だけでセレクトするよりも、フラワーショップのかたにアドバイスをいただきながら、一緒に決めていくといいかもしれません。
食器や雑貨なども、人それぞれ好みが違うもの。相当お相手の好みを把握している…という場合でない限り避けたほうが無難です。
定番のプレミアムギフトは?
「いったい何を持っていったらいいの…?」
悩みはじめたら答えが出ないのが手土産のセレクト。迷い沼にハマったときのおすすめはチョコレートです。
日本ではチョコレートといえば、バレンタインデーを思い浮かべますが、欧米のパーティでの手土産の定番は、なんといってもチョコレートギフト。デパートのギフト用チョコ売り場を眺めてみると、なぜこんなにたくさん?と驚くほどのアイテムがあります。
常温で持ち歩くこともできて、生菓子のように冷蔵庫の場所を占領することもなく、日持ちもするチョコは大活躍です。
最近では、こだわりのカカオを使ったチョコや、第4のチョコと呼ばれるルビーチョコレートなど、トレンドも華やか。美しい箱の中に宝石のように並べられたボンボンは、一年中喜ばれるプレミアムギフトです。
ただし、パーティ当日、テーブルにはチョコレートの山ができていた…、なんていうこともありますので、名前を書いたメッセージカードを入れるのをお忘れなく。
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