イングリッシュ・ブレックファーストとは
私の好きなイギリスの味の一つ、イングリッシュ・ブレックファースト。特別なものが入っている訳ではないのですが、この絶妙な組み合わせの虜になりました。B&Bやホテルの朝食、カジュアルなカフェなど、イギリス滞在中の朝には必ず出会えるお味です。
バラエティー豊かなソーセージ
お肉がぎゅっと詰まったソーセージ。日本のパリッとした食感とは違って噛むとジューシーにゆっくりお肉のうまみが広がります。私がイギリスに来たばかりの頃は、シンプルにハーブやりんご入りのフレーバーだけでした。当時、りんごが入っているソーセージはとても新鮮に映りました。考えてみればソーセージは豚肉を使っているので、豚肉とりんごの組み合わせは言わずと知れたベストコンビです。ほのかに甘さを感じるりんごの爽やかな味わいが、豚肉に絶妙にマッチしていました。
最近はイギリスの食文化の進化と共に様々なフレーバーを味わうことができるようになりました。
キャラメライズした玉ねぎ入り、ドライアプリコットの入ったもの、チョリソ味のソーセージなど、フレーバーがありすぎて逆に迷います。ソーセージはオーブンでグリルする時もありますが、私は手軽に作れるフライパンで焼くことが多いです。太さがあるので、ある程度中火で焼いた後は弱火でじっくり中まで火を通しながら焼いていきます。
味わいや食感で選べるベーコン
ベーコンはバックベーコンとラッシャーベーコンと呼ばれる2種類、共にスモークしたものとしていないものに分かれていて合計4種類あります。カリカリに仕上げるなら断然ストリーキーベーコン。脂身と肉が交互に層になっているので、じっくり焼くとカリッとおせんべいのようになります。
見た目は日本のベーコンに似ています。バックベーコンは脂身が上部についているので、かりっとはしにくいですが肉厚で食べ応えがあります。
スモークしたものとしていないものではかなり味わいが違います。スモークしていない方は豚の塩漬けのようなお味です。スモークしているほうがベーコンらしいですが、スモークしていないベーコンはとてもイギリスらしいイングリッシュ・ブレックファーストの味とも言えます。私はいつも朝食にストリーキーベーコンのスモークしたものを使います。最近は健康に気を配るヘルシーコンシャスな方も増えたので、亜硝酸塩を含まない無添加のものが市場に出回リ始めました。初めて食べてみましたが、言われなければ普通のベーコンと変わりません。割高ではありますが最近はそうした選択技も増えています。
美味しさを引き立てる優秀食材マッシュルーム
マッシュルームも種類が豊富で手頃な値段で売られています。大ぶりの白いクローズド・マッシュルーム、茶色いブラウン・マッシュルーム、巨大なポートベロー・マッシュルーム、小ぶりのボタン・マッシュルーム、そして最近はえのき、エリンギ、しめじ、舞茸、オイスター・マッシュルームという、アジアで食べるキノコ類も「エキゾチック・マッシュルームミックス」といった名前で(スーパーによってネーミングは違いますが)売られるようになりました。大抵このイングリッシ・ュブレックファーストは、クローズド・マッシュルームが丸ごとまたはスライスして炒めたものが出てきます。
こだわりのシェフのお店では、ポートベロ・マッシュルームのスライスが添えられていたことがありました。
私が家で作る時は、サラダ油やオリーブオイルを熱したフライパンの中でコロコロ転がしながら炒めます。
風味豊かなマッシュルームは、他の食材の味の邪魔をせずに美味しさをさらに引き立ててくれる存在です。味に深みがあり弾力のあるマッシュルームは、ソーセージやベーコンと一緒に食べるとまろやかにお口の中に旨味が広がります。
イングリッシュ・ブレックファーストにかかせない 黄身が勝負のフライドエッグ
イングリッシュ・ブレックファーストのフライドエッグ(目玉焼き)はサニーサイドアップ。卵の片面だけを焼く方法です。蓋やアルミ箔をかぶせてしまうと、白く膜が張ってしまってせっかくの半熟の黄身の美しさが見えないので、弱めの火加減で時間をかけて焼いていきます。
今までのホテルやレストランで食べたイングリッシュ・ブレックファーストは、大抵サニーサイドアップでした。カントリーサイドのB&Bだと生みたてのたまごで作ってくださるので、とっても黄身が濃厚で美味しいと感じました。とろ~り半熟の黄身をプレートの中の食材に絡めて朝食を食べると、今日も1日頑張ろうという元気な気持ちが生まれます。
オーブンでジューシーに焼き上げる焼きトマト
焼きトマトも忘れてはいけません。実はこの焼きトマトがあるからこそ最後まで飽きずに美味しく、このイングリッシュ・ブレックファーストのすべてが食べられると言ってもいいと私は思っています。
焼くと甘みが増してとてもジューシーで美味しいトマト。真っ赤な色合いにも食欲をそそられます。フライパンで焼いていた時期もありますが、耐熱トレイの上に半分に切ったトマトを並べてオリーブオイルと塩を振って焼いた方が格段に美味しいと思ったので、最近はこの作り方で作っています。
200℃で時間はトマトの大きさやオーブンによりますが、全体に火が通り表面に軽く焦げ目が付くぐらいで良いでしょう。
朝食をボリュームアップさせるベークドビーンズ
最後はベークドビーンズです。
これはお店で食べると付いている時と付いていない時があります。ホテルのようなちょっと高級な場所では付いていないことが多く、カジュアルなカフェのような場所には付いていることが多いように思います。私はやっぱりこのほのかに甘いビーンズはお肉にも合うし、ボリュームアップで満足感があるので家で作るときは必ず添えます。缶詰を温めるだけのときもありますが、自分でも作れます。
『イギリス料理 ジャケットポテト』のコラムで作り方は書いています。参考にしてみてくださいね。
⇒ベークドビーンズ作り方
イギリスを代表する調味料
イングリッシュ・ブレックファーストに欠かせないブラウンソースと呼ばれるHPソースとコルマンズのイングリッシュ・マスタード。
イギリス皇室御用達の証「ロイヤルワラント」が付いています。
ブラウンソースの代表といえばHPソース。トンカツソースにも色が少し似ていて味は酸味がありお肉類によく合います。イングリッシュ・ブレックファーストには欠かせない大事なイギリスの味です。ソーセージにはマイルドな辛味のコルマンズのイングリッシュ・マスタードがよく合います。日本のマスタードと味わいは似ていますが、辛さがマイルドで食べやすいのが特徴です。
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終わりに
イギリスに来たら一度は食べるであろうイングリッシュ・ブレックファースト。
ワンプレートの中にイギリスの美味しいがいっぱい詰まっています。コロナで国境が越えられない時期なのでイギリスに来たことがある方が懐かしいお味をご自宅で、そして実際に食べたことがない方はおうちで、まずはイギリスを味わってみてはいかがでしょうか。