
コロネーションチキンとは
英国料理のなかでも、ひときわユニークな存在感を放つのが「コロネーションチキン(Coronation Chicken)」である。名前を知らなくても、一口食べれば印象に残る味わいである。まろやかなマヨネーズとスパイシーなカレー粉、そしてほんのり甘いドライフルーツ――まさに英国らしい、伝統と創意が融合した一品である。
女王の戴冠とともに誕生した料理
コロネーションチキンは、1953年、エリザベス2世の戴冠式を祝う宴のために考案された料理である。当時、ロンドンの有名料理学校「ル・コルドン・ブルー」のシェフがレシピを開発した。冷めても美味しく、大勢の来賓にふるまいやすいよう工夫されたこの料理は、たちまち国民的人気を得た。
以来、コロネーションチキンは王室イベントに限らず、家庭料理やパーティーメニュー、ピクニックの定番として、イギリス各地で親しまれている。
食べ方のバリエーション
そのままプレートに盛り付けていただくのはもちろん、サンドイッチの具材やサラダのトッピングとしても非常に優秀である。また、ジャケットポテト(ベイクドポテト)の上に乗せて食べることもできる。冷やしても美味しく、作り置きもできるため、初夏から夏にかけての食卓にぴったりである。
コロネーションチキンレシピ
コロネーションチキン(2人分)
材料:
- 鶏胸肉 200g
- 玉ねぎ(みじん切り) 100g
- レーズン 30g(ひたひたの水で戻す)
- アーモンドスライス 大さじ1と1/2(乾煎り)
- サラダ油 大さじ1
- 白ワインまたは酒 80ml
A:
- カレー粉 大さじ1/2
- トマトケチャップ 大さじ1
B:
- マヨネーズ 大さじ3
- 塩 小さじ1/4
- 粗挽き黒胡椒 適量
- シナモン 少々
- 生クリーム(オプショナル) 大さじ2
作り方:
- 鍋に湯を沸かし、酒または白ワイン少々(分量外)を加えて鶏胸肉を茹でる。火が通ったら火を止め、そのまま湯の中で冷まし、手で食べやすい大きさに割く。
- フライパンでアーモンドスライスを乾煎りしておく。レーズンは水気を切る。
- フライパンに油を熱し、玉ねぎを炒める。透き通ってきたらレーズンを加える。
- 3に白ワインまたは酒を加えて沸騰させ、Aを加えてなじませたら、1の鶏肉も加える。
- 4にBを加え、全体がよく絡んだら火を止める。
- 器に盛り、レタス(分量外)などを飾り乾煎りしたアーモンドをトッピングして完成。
美味しく作るためのポイント:
- 冷やしても美味しく、前日に作っておくと味がなじむ。
グラフィック社
¥2,530
(2025/05/01 17:28:46時点 Amazon調べ-詳細)