ガズボーン・エステート(GUSBOURNE ESTATE)
ケント州のワイナリー紹介第二回目は、英国プレミアムワインの最高峰」の名で知られているガズボーン・エステートのご紹介です。
ガズボーン・エステートは、世界のベスト・ヴィンヤード 2024(The World’s Best Vineyards 2024)でTOP50にランクインしたワイナリーでもあります。
日本のみなさまの中でも”このワイナリーの名前を聞いたことあるなぁ”といった方もいらっしゃるのでは?
はい、そうなんです。この数年徐々にですがベリー&ブラザーズ (https://bbr.co.jp/)のオンラインショップをはじめ、新宿髙島屋など日本でも英国のワインを取り扱うお店が増え、手に取りやすくなっています。
偶然にも私が持っている”Blanc de Blancs 2018”ヴィンテージを見つけて嬉しくなりました
ガズボーンのワイン、その歴史や背景
ケント州アップルドア(Appledore)のなだらかな丘陵地帯にあるブドウ畑を持つこちらのワイナリー、1410年のはるか昔にこの地域の貴族であったドゥ・グースボーン家( de Goosebourne)が所有していた農園に、南アフリカとイギリスの整形外科医として20年以上のキャリアを持ちつつ、1992年にイギリスに移住したアンドリュー ウィーバー氏(Andrew Weeber)によって 2004年にガズボーン・エステートが作られました。
ファースト・ヴィンテージのワイン(Brut Reserve 2006&Blanc de Blancs 2006)のリリースは、2010年と新しい創業のワイナリーでありますが、当初より「イギリスに最高級のスパークリングワインを」との志を胸に抱え、チーフ ヴィンヤード マネージャー兼 COO のジョン ポラード氏(Jon Pollard)と共に、最高級のワインを作る事ができるようにと様々な試みを行い続けてきました。
英国で開催されるインターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)では「最優秀英国生産者(English Wine Producer of the Year)」に史上最多の3度輝くなどの実績、そして現在も引き継ぎ数多くの受賞を受け続け、毎年最高級のワインが生まれています。
またオーガニック堆肥の利用や、殺虫剤や除草剤の使用を近年 75% 削減したりと、持続可能な農業土壌と栽培システム持続可能な慣行に関する厳格なガイドラインを満たすブドウ園にて、ワインを作る取り組みのSWGB(Sustainable Wines of Great Britain)認定創設メンバーでもあるワイナリーです。
ブドウ畑の横に併設されている最新のワイン醸造設備や一歩足を踏み入れるとそのスタイリッシュなデザインに圧倒されるブティック兼テイスティングルームの「ザ・ネスト」、美しく手入れされたブドウ畑の景観そして、私自身も数回こちらのワイナリーに訪れていますが、スタッフのホスピタリティ及びワイナリーのクオリティを毎回楽しませていただいております。
ガズボーン・エステートへの行き方は?
ロンドンのキングスクロス(King’s Cross)駅から電車でアシュフォード・インターナショナル(Ashford International)駅まで最短約40分。そこからタクシー利用で約17分と、1時間弱で到着できます。
アシュフォード・インターナショナル駅からバスの乗り継ぎでも行くことは可能ですが、そうするとプラス1時間ほどかかってしまいますのでタクシー利用をお勧めします。
またタクシーは事前予約することをお勧めします。
参考までに、2024年に利用した時はアシュフォード・インターナショナル駅からワイナリーまでは26ポンドでした。ガズボーン・エステートではタクシー会社の”ETM Cars”社との間に契約レートがあるとの事です。訪問予定の方は info@etmcars.co.uk まで問い合わせてみてはいかがでしょうか。
また、車の場合、ロンドン南東部にお住まいであれば1時間弱、北部などにお住まいですと2時間弱といったところでしょうか?
前回ご紹介しました『イギリス最大のワイナリー”Chapel Down”』https://ukwalker.jp/gourmet/11091/
からも車で16?18分と近いので一日あれば両方のワイナリーを楽しむことができます。
駆け足であればこの近辺のワイナリーを3軒くらいまとめて回ることも可能ですが、お時間が許すのであれば是非ともこちらのワイナリーで提供されているティスティングやツアーも体験していただきたいものです。
ガズボーン・エステート(GUSBOURNE ESTATE)
Kenardington Rd.
Appledore Ashford
KENT, TN26 2BE
ガズボーン・エステートではどのようなワインを生産?
ケント~ウエストサセックス州にある16のブドウ畑からの自社生産ブドウのみを使用し、スティルワイン及びスパークリングワインを生産しています。
どのワインも「ヴィンテージ」ワインとして生産されているのもこのワイナリーの特徴の一つで、この原稿を書いている2025年3月末時点で、スパークリングは 2014~2020年、スティルワインは 2020~2023年もののワインがリリースされています。
※販売されているワインは、https://www.gusbourne.com/wines から確認できます。
スパークリングワインはベストセラーである”Brut Reserve”を始め(現在は2021年ヴィンテージ)Roséそして”The Champagne & Sparkling Wine World Championships (CSWWC)” にてナショナルチャンピオンに輝いたブラン・ド・ブラン(”Blanc de Blancs”2019年ヴィンテージ)や、こちらも数々の賞を受賞した ブラン・ド・ノワール(”Blanc de Noirs”現在は2020年ヴィンテージ)を始め、コルク熟成、アグラフ瓶詰めの”Extra Brut Agrafe”や、長期の澱熟成、レイト・デゴルジュ(late-disgorged)、単一ブドウ畑からのスパークリングなどリミテッドエディション版のワインも数多く揃っています。
スティルワインも条件が整った年に、シャルドネ、ピノ・ムニエ、ピノ・ノワール、ロゼなどこちらも単一ブドウ畑の物も含め多くのワインが生産されています。
そして「北緯51°2’49″、東経0°47’51″」にあるガズボーンのブドウ畑にて、主にブルゴーニュのクローンの高品質のブドウの木の果実から作られた、ガズボーンの最高級ワイン(Prestige Sparkling Wine)、”フィフティ・ワン・ディグリーズ・ノース(Fifty One Degrees North)”は数十年にわたる思考、作業、専門知識の集大成の集大成となる特別なワインとなります。ワイン畑の位置をそのままワインの名前とした「北緯51度/Fifty One Degrees North」は、まさに特別な日の為の、プレステージなイギリス土産としてもお勧めの一品です。
ツアー&ティスティングに参加してみよう
ガズボーン・エステートでは数々のティスティング&ツアーが提供されています。
2025年3月現在、基本火曜日を除く毎日(クリスマス休暇や特別休暇を除く)開いているワイナリーではありますが、曜日によって開催されているツアーなどは異なりますので「予約カレンダー」https://www.gusbourne.com/tours をチェックしてみてくださいね。
時間がある方はランチ込みのツアーや夏の時期などにはピクニックツアーなどはいかがでしょうか?
時間がそこまで無いという方にお勧めなのは、好みに応じたティスティングです。
スティルフライト、スパークリングフライトそしてフィフティ・ワン・ディグリーズ・ノースを含むリミティッド版ワインを試飲できるリミティッド版テイスティングフライトなど予算や好みに合わせて選ぶ事ができます。
ブラン・ド・ブラン好きの自分には嬉しい
「長期澱熟成とコルク熟成」限定ワインの飲み比べ
種類は限られますが、ワイン一杯からもオーダーできますので沢山飲めない方にもご安心いただけます。
私自身、数年に渡ってガズボーンのヴィンテージワインを楽しんでいますが、接客、品質ともに安心してご案内出来る、日本からあるいはイギリスに引っ越して間のもない方々で「イギリスのワイナリーに行ってみたい」と希望されるお客様にも安心してお勧めするワイナリーの一つです。
日本でイギリスワインの試飲会イベントを行っている私ですが、いつか機会があればガズボーン・エステートのワイン試飲会を行ってみたいと夢見ております。
ワイナリー以外でもイギリスの多くのレストランやバー等にてガズボーンのワインは提供されていますので、皆様もメニューで見かけたら是非とも試してみてください。