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ケント州のワイナリー を訪れよう”イギリス最大のワイナリー”編《Discovering English Wine》

イギリスのヴィンヤードはこの5年ほどでなんとその栽培面積を74%アップさせています。
そんな中でも”Garden of England(イングランドの庭園)”と呼ばれるケント州は、イギリス&ウェールズにあるヴィンヤード総合面積の25%以上がある、ヴィンヤード面積ランキングトップの州(1033ヘクタール)*です。
*2023年集計データより

ケント州には50以上のヴィンヤードがあり、その中には有名なシャンパンハウス”Taittinger(テタンジェ)”のブドウ畑、”Domaine Evremond”もあります。
(こちらのワイナリーの一般への公開及びClassic Cuvéeスパークリングワインの公リリースは2025年3月を予定しています。どんなワインなのか?ワクワクしますね。:https://www.domaineevremond.com/

ケント州のワイナリー巡りはどちらがおススメ?
日帰り or 宿泊?

地図でもお分かりの通りケント州はイングランドの南東部にあり、北西はグレーター・ロンドンと隣接しており、首都ロンドンからも電車や車でも気軽に訪れる事ができる位置にあります。

私自身も今まで何度かケント州のワイナリーを訪れていますが、その経験からお勧めのスタイルをいくつかシェアさせていただきますね。

》電車で最寄り駅まで+タクシー

例:Ashford International 駅 Headcorn駅 Rye駅など

【日帰り/一泊】
ロンドンから最寄り駅まで電車で向かい、そこからワイナリーまでタクシーで行くスタイル。田舎はUberサービス圏外が多いので、タクシーは事前に予約しておくと安心です。

タクシーで10~15分の距離に何軒かのワイナリーがあったりしますので、上手に予定を組めば日帰りでも3軒くらいで試飲を楽しむことも可能ですよ!

駅によってはタクシーが捕まりやすいところもありますが、基本予約されることをお勧めします

》ワイン専門ツアー&ガイドを利用する

【日帰り】
ワインやワイナリーの話を日本語で教えてもらいながら楽しみたい!という方にお勧めなのが日本語ワイナリーツアーです。行きたいワイナリーはもちろん、お勧めのワイナリーなど、そして近くの観光地訪問まで、様々な希望に合わせ相談にのってもらいながらの訪問ができるので、日本からの旅行者さんはもちろん、イギリス在住の皆様にも大人気のサービスです。

<日本語でのプライベート&グループツアー>
Sussex Vino:代表 ロバートソン・マユミ
https://www.sussexvino.co.uk/ 

<英語でのツアー>
Wine Tours of Kent: https://winetoursofkent.co.uk/

》自家用車で回る

【日帰り】
この場合、運転手さんはあまり飲めませんが、我が家も一軒のみ行きたいときや、逆に近くの観光名所を回るついでにワイナリーに行く時には車で行くことも多いです。
*お城やナショナルトラストの名所など、ケント州には沢山の魅力的な観光地が多いのが嬉しいですね。

こんな素敵なお庭にも車があれば気軽に立ち寄れますよね

【一泊+タクシー】
我が家はこのパターンも多いです。
宿泊地まで車で出向き、ワイナリーまではタクシーを利用して2日で3?4軒廻ることも。
行きや帰りに観光地に立ち寄ることもできます。

【どこに泊まる?】
どこに宿泊するかは「どのくらいワインを楽しみたいか?」「どんなスタイルを楽しみたいか」によりけりですが、ワイナリー近くの宿泊施設はホテルから民泊まで様々なタイプの施設があります。ワイナリーに宿泊施設もあるところも最近は増えているのでうまく利用するのもお勧めです。

電車+徒歩での観光を入れながらの場合、Ryeの街がお勧めです。
またの機会にお勧め宿泊地域の記事もアップしますね。

B&B、コテージやホテルなど宿泊選びも楽しみの一つです!

8軒のケント州ワイナリーでつくる”Wine Garden of England”

数多くのワイナリーでワインが作られているケントですが、その中の8軒のワイナリーが集まって「ケント州」のワイナリー&ワインツアーリズムの支援を行っている”Wine Garden of England”ワイン・ガーデン オブ イングランドのグループ(https://www.winegardenofengland.co.uk/)が存在します。この8軒にてケント州の約80%のワインを生産しているとのこと!
※以前ご紹介の『イングリッシュワインとは?&その現状《Discovering English Wine》』でご紹介した”Domaine Evremond”もメンバーに入ったので9軒になりますが、この記事を書いている現在では公にはオープンしていないので8軒でご紹介します。

Wine Garden of England提供の小冊子

Wine Garden of England メンバー

Squerryes Winery
Yotes Court Vineyard
Balfour Winery
Biddenden Vineyard
Chapel Down
Gusbourne
Westwell Wine Estate
Simpsons Wine Estate
Domaine Evremond (公開は2025年予定)

イギリス最大のワイナリー”Chapel Down”

今回はこちらのメンバーからイギリス最大のワイナリー”Chapel Down”(チャペル・ダウンワイナリー)をご紹介します。

“Chapel Down”ワイナリーご紹介

イギリス南東部ケント州のTenterdenを拠点とするイギリス最大のワイン生産者。会社の設立は2002年、ブドウ栽培面積は950エーカーを超えます。ブドウ園(提携葡萄園も含む)はケント州だけでなく、サセックス、エセックス州などにも広がっています。

“Chapel Down”(チャペル・ダウン)ワイナリー

Chapel Down Winery
Small Hythe
Tenterden
Kent TN30 7NG

T: 01580 766111
E: retail@chapeldown.com

Opening Times:10am-5pm

スーパーにもイングリッシュワインが並ぶ事が多くなった今日このごろですが、チャペル・ダウンは「大手9スーパーには必ず置いてあるワインの一つ」といっても良いほどポピュラーなワインを提供するワイナリーの一つです。イングリッシュワインをあまり知らない人でも「チャペル・ダウン」のワインボトルはみた事がある、知っていると言う方も多いかと思います。

お手ごろな価格の『Chapel Down』ワインシリーズ

こちらのワイナリーではスパークリングワインはもちろん、スティルワインの生産にも力を入れています。そしてウォッカ等のスピリッツも生産しています。

「イギリス最大」の生産規模を持つこちらのワイナリーでは、他のイングリッシュワイナリーと比べて、コストが低めのワインを見つける事ができるのもポイントの一つといっても良いかもしれません。
セールの時にはスティルワインで”10ポンド前半から?”といった、気軽なお値段で購入できるワインが多いのも特徴の一つです。
スパークリングワインも何種類か作られていますが、その中でもフレッシュな花のアロマとパイナップル、グレープフルーツ、トロピカルフルーツの香りを楽しめる、バッカス種とシャルドネ種から作られたスパークリングワイン「A Touch of Sparkle」はセール時には£14~18と、消費者にとっては嬉しい価格で楽しむ事ができます。

スーパーの陳列棚 
セールの際はお得感が増します

プレミアムワイン・コレクションシリーズ『KIT’S COTY』

また、こちらのワイナリーでは『Chapel Down』ワインシリーズとは別に、ケント州のノース・ダウンズにある水はけのよい、南向きのチョーク質の土壌を持つ”Kit’s Coty( キッツ・コティ)ヴィンヤード”から造られるプレミアムワイン・コレクションシリーズ『KIT’S COTY』ブランドも展開しています。
こちらのシリーズのワインもロンドン市内では”Fortnum & Mason”をはじめとした高級デパートやプレミアムクラスを扱うワイン店などで購入する事ができますので、是非お手にとってみてください。

KIT’S COTYシリーズのワイン
注:現在売られているボトルのラベルは新しいデザインになっています

“Chapel Down”のショップ&ツアー

ワイナリーには”Chapel Down”そして”KIT’S COTYシリーズのワインが売られています。数年前になりますが私が平日のお客さんが少ない時間帯に訪れた時には、どのワインを買おうか迷っていたら試飲をさせていただきながら選ぶ事ができました。

小さなワイナリーは週末しか開いていないところも多いですが、「チャペル・ダウン」はクリスマス等の特別休暇を除いて平日も含め、毎日オープンしてくれているのも嬉しいですね。

レストラン 「The Swan」ではランチ及びディナーが提供されています。
オープニング時間はワイナリーと異なりますのでチェックしてから訪れてみてくださいね。
人気のレストランですので予約は早めにされたほうが無難かと思います。

レストランの中にあるバーコーナーではコルクの形をした椅子がありました
なんとコルク椅子は売り物としてお店に置いてありました。

ショップの方ではグラスワインを頼むことができます。

グラスワイン
表示価格は2022年撮影時の価格です (現在は恐らく値上がりしているかと)

私たちも2022年に訪れた時にはグラスワインをオーダーして施設内にある小さなハーブガーデンも散策してみました。

この日は晴天で美しいバラを見ながらガーデンで頂くロゼのスパークリングワインは格別でした

またワイナリーではベーシックなガイドツアーから、Sissinghurst Castle Garden 入園、Sissinghurst Castle B&B宿泊、レストランでのランチ付きのプライベートワイナリーツアーまで 、季節ごとにも様々なイベントやツアーも行われていますので、是非ホームページでチェックしてみてくださいね!

ヴィンヤードにある異なるブドウの説明を受けながらの試飲

ロンドンからのアクセス

電車で:
色々な行き方があるかと思いますが
London St Pancras International駅からAshford駅乗り換えでRye駅へ
(1時間弱)+Rye駅からタクシーで18~20分ほど

車で:2時間ほど

宿泊するなら?

Tenterden: 車で6分ほどの距離のTenterdenの街には数軒の宿初施設があります。
近くにはビール醸造所や蒸気機関車に乗れる(日付は限られていますが)Kent & East Sussex Railwayなども。

Rye: 車で17?20分ほどの距離にある美しいライの街もお勧めです。

いかがでしたでしょうか?
次回も引き続きケント州のワイナリーをご紹介していきます。

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