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プラウマンズランチ「Ploughman’s Lunch」

テーブルのお皿に並ぶプラウマンズランチ
ワンプレートに盛り付けられたカラフルな農夫のランチ プラウマンズランチ

プラウマンズランチの由来

英語でPloughは土壌を耕起する農具。Ploughmanは農夫。今日は農夫のランチを紹介しよう。
イギリスの伝統的なランチであり、特にパブで提供されることが多いメニューである。この食事はシンプルでありながら満足感がある料理だと言える。

プラウマンズランチはその名の通り、かつては農夫が昼食に食べる質素で栄養価の高い食事として考えられた。農作業中の昼食は、さっと食べるものでなければならない。畑では加熱せずに食べられる主食のパンとハムやチーズなどの冷たいおかずと、それを美味しく食べるためのチャツネやピクルスを組み合わせで満足感のある元気の出る昼食が完成だ。

メインのハムやチーズのお供にぴったりの
(左から)ブランストンピクルス、ピカリリー、小玉ねぎのピクルス

イギリスパブ飯文化の象徴

プラウマンズランチそのものは14世紀ごろからあったという記述があるが、パブで提供されるようになったのは1950年代半ばごろで、1960年代にチーズのプロモーションとしてこのランチをパブで食べることを推奨したのがパブ=プラウマンズランチを定着させたのである。
確かにプラウマンズランチにはチーズが数種類プレートに乗せられて出てくる。

プラウマンズランチを作ろう

さて、具体的にどんな食材が出てくるのだろうか?パブによってかなり出てくるものが違うが、一般的な食材を紹介していこう。プレートに盛り付けられている時もあれば、木製のボードの時もある。盛り付け次第で印象も変わるので、食べるシーンによってイマジネーションを膨らませてオリジナルのプレートを作っていただきたい。

チーズは一般的にはチェダー・チーズやスティルトンやレッド・レスターなどのイギリス産チーズが使われる。違う風味と食感のチーズがうまい組み合わせで出てくる。

パンはファームハウスブレッドと呼ばれる、伝統的なスプリットトップの白パンで、表面はしっかりしているが、中は柔らかい食感で人気の高いパンである。パンに塗るためのバターが添えられている。

長細いファームハウスブレッド
外はしっかりしているが中はふわっと柔らかい

ピクルスは「ピクルド・オニオン」という小さな小玉ねぎをピクルスにしたのや「ブランストン・ピクルス(Branston Pickle)」をはじめ、野菜のピクルスが添えられている。

サラダはトマトやレタス、キュウリ、セロリなどの至ってシンプルで簡単なサラダが付け合わせとして提供される。切り方は決して繊細ではならない。あくまで農夫のランチは大胆に切るべし。

ハムはこのランチのメインとも言える食材である。イギリスはハムの種類も豊富だがこのランチに限ってはしっかりした厚切りのものが添えられる傾向がある。

フルーツは私が今までパブで食べた農夫のランチではりんごが圧倒的に多い。薄く切ってある場合もあれば、ダイナミックに丸ごと添えられていることも。イギリスのりんごが小ぶりだからこそなせる技、日本のリンゴは大きいのでやはり切って盛り付けるのが良いだろう。種無し皮も食べられるブドウも添えられていることもある。

現在でも、パブやカフェで提供されており、その素朴で伝統的なスタイルが多くの人々に愛されている。空気の美味しいカントリーサイドのパブに行く機会があれば、外に座ってこの農夫のランチを食べていただきたい。日本でも簡単に再現できるので暑い日のランチにはもってこいだろう。

今日の私のプラウマンズランチ

今日食べた私のプラウマンズランチ

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