イケメンが電車の中で食べたポリッジ
ある日私がロンドンの地下鉄に乗っていると、いまどきのちょっとベネディクトカンバーバッチ風のイケメン男性がリュックサックを背負って乗ってきた。
空いている席に座って、おもむろにリュックから何かを取り出している。なんだろう?
ちょっとずうずうしくも興味深々で見てみないふりで様子を観察。すると、タッパーとスプーンを取り出す。電車の中でサンドイッチをほお張る姿は何度も見たことがあったが、タッパーとスプーン。一体何を食べるのか?イケメンのお兄さんは食べる準備が整うとスプーンでタッパーの中の物をすくう。
そう、タッパーの中身はポリッジである。
ポリッジの食べ方
オーツ麦を水やミルクで煮て作る。例えるとお粥のような料理である。
イギリスではポリッジだが海外ではオートミールとも呼ばれてたりもする。
ゴールデンシロップや蜂蜜やメープルシロップ、砂糖など好みで甘みをつけて食べるのが主流だが塩をかけて塩味ポリッジを好む人もいる。塩味にするとなんだか、おかゆを思い出し、思わず梅干がほしくなる私である。
ポリッジが人気の理由
この見ただけでは何の変哲もない地味なポリッジ、なぜ人気なのか?
オーツ麦は栄養素が高く特に女性に不足しがちな食物繊維、鉄分、カルシウムが多く含まれる。そして加熱したポリッジは栄養の吸収も良く時間をかけてエネルギーに変わるということでスポーツ選手も食べているそうだ。
私のポリッジとの出会い
私がこのポリッジを始めて食べたのは、まだ結婚前に義理の母が朝食に作ってくれたもの。その時はあまりの地味さに食べるのを躊躇したほど。でもその当時の初々しい私は、義理母に気に入られたいという一心で、笑顔でいただきますと食べ始めた。一口食べてみる。予想以上に柔らかな麦の味を感じる素朴な美味しさ。体が自然に目を覚ましていくのを感じ、その後私の中では一目置いている朝食なのだ。
この義理母ももちろんポリッジが大好きであった。晩年まで家で家庭教師をしたり、私とバトルする元気もあり、ポリッジのパワーを実証してくれた思い出もある。
イケメンも86歳おばあちゃんもスポーツ選手も好んで食べるこのポリッジ。特に寒い冬は人気の朝食だ。
ポリッジの作り方
ポリッジの作り方は特に難しいことはなく、購入したポリッジのパッケージの作り方にしたがって作れば大抵失敗することはない。私が工夫していることは、前日から鍋にポリッジと牛乳を入れて1晩冷蔵庫でふやかして朝、調理するということ。
牛乳がより馴染んでとても美味しい。牛乳の代わりに水でも良い。その日の気分で作っている。
ポリッジ40gに対して牛乳(または水)200mlを鍋に入れて一晩おいて、強火で沸騰寸前まで温めて火を弱めてコトコトと木べらで混ぜながら5分程度煮ると焦げ付かずに美味しくできる。私はイギリスのゴールデンシロップをかけて食べるのが好きだが、手に入らない場合は蜂蜜やメープルシロップや砂糖でも美味しく召し上がっていただける。もちろん塩味で食べてみるのもよし。まだまだ寒い時期にぜひ元気の源として試してみてほしい。
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