イギリス小説と聞いて、何を最初にイメージされますか?
シェークスピアの「ロミオとジュリエット」や、アーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」、アガサクリスティーの「オリエント急行殺人事件」など、いろんな種類の小説で枚挙にいとまがありませんね。
日本と結びつきが強いヨーロッパの国“イギリス”、日本文学にもっとも影響を与えたのがイギリス文学ではないでしょうか(と、勝手に考えております)。
少し堅苦しいお話しからスタートしてしまいましたが、今日はその中で『不思議の国のアリス(Alice’s Adventures in Wonderland)』にスポットをあててお話しさせていただこうと思います。
※記事内で使用している『不思議の国のアリス』のチェスセット写真は、記事後半でご紹介するオンラインストアで販売のチェスセットです。
日本でもよく知られたイギリス小説『不思議の国のアリス』
ものがたり~あらすじと登場人物(キャラクター)~
『不思議の国のアリス』書名は特に有名で、聞いたことがないという方はほとんどいらっしゃらないないかと思います。でも、実際に読んだことのある方はいかがでしょうか?
かくいう私も、大まかな内容は知っていましたが、これまでの人生の中でじっくりと本を開いて読む機会がありませんでした・・・、多くのみなさまにとって多かれ少なかれ私と同じような思いの方が多いのではないでしょうか。
もちろんご存知の方が多いとは思いますが、簡単にあらすじを振り返らせていただきましょう。
ある日、川辺でお姉さんと一緒に過ごす主人公の少女アリス。お姉さんは本を読むことで一生懸命。退屈するアリスは、そのうち不思議の国へ迷い込んでしまいます。ここから様々な不思議な物語が繰り広げられます。最後に、またお姉さんのひざに頭をのせて目覚めるまでの夢の物語りです。
夢は、服を着た白いウサギが言葉を話しながら目の前を通りかかるところから始まりました。
アリスはウサギを追いかけて、ウサギ穴を落下してしまいます。
その穴の下では魔訶不思議な世界が繰り広げられるのです(夢なので当然ですが)。
扉を抜けるために小瓶を飲んで小さくなったり、大きくなったり。また、ケーキを食べて小さくなることや、不思議の国を行き来するために、キノコを食べて体の大きさを変えることができるようにもなります。
その間、不思議の国の様々な場所で、多くの生き物と出会います。
最初に出会った白いウサギ、キノコの上の横柄な態度のイモムシ、小さな家に住む公爵夫人と常にコショウを振っている料理人、夫人が抱えるブタだった赤ん坊や自由に姿を出したり消したりできるニヤニヤ笑いのチェシャ猫。
また、お茶会で出会った帽子屋と三月ウサギに、いつもメソメソした”にせ”ウミガメと、ウミガメへ案内するグリフォン(鷲の翼とライオンの体を持つ伝説上の生き物)。
物語の終盤は、常に処刑を叫ぶハートの女王様(クイーン)と王様(キング)に、女王のタルトを盗んだ容疑のハートのジャックが裁判にかけられ、アリスも証人として裁判に出廷することに。王や女王、取り巻きの兵隊さんたちもみんなトランプです。
最後に、裁判の証言台でアリスが「ただのトランプの束のくせに!」と叫んだときに、トランプ(たち)がいっせいに宙に舞い上がり、アリスの上にとびかかってきたところで夢が覚めるのでした。
著作の背景
ルイス・キャロル(ペンネームで、実際は数学者のチャールズ・ラトウィッジ・ドドソン)が、親交のあったリデル家のこどもたち(そのうちの一人がアリス)のために聞かせた話しまとめ、1865年に刊行した児童小説です。*ウィキペディアより抜粋
1865年といえば、日本では慶応元年で明治維新(1868年)の3年前にあたり、尊王攘夷や倒幕運動で、まだまだお侍さんが刀を振りかざしていた時代です。この時代に児童小説として世界にいきわたるような文学は、残念ながら日本にはなく、当時のイギリスの近代文化と力に感動するばかりです。
映画の題材にも、不思議の国のアリス
一番有名ですぐに出てくるのは、やはり題材そのもの、ディズニーのアニメーション映画『ふしぎの国のアリス』(1951年)ですね。
また、実写版は数多く映画化されていて、一番古いものは1903年の映画。その後、何作か重ねられ新しいものではジョニーデップ主演の『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(2016年)を押さえておきたいところです。
1951年のディズニーアニメーション『ふしぎの国のアリス』
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2010年のジョニー・デップ主演映画『アリス・イン・ワンダーランド』
当作でのアリスは、19歳に成長した女性に。
ジョニー・デップは、帽子屋のマッドハッター役で出演。
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『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』
第1作目に続くジョニー・デップ主演2016年の映画
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また、不思議の国のアリスの影響を受けたとされる映画やドラマに、アメリカのSFドラマ『スタートレック』や、キアヌ・リーヴスが主演した『マトリックス』があります。『マトリックス』では、主人公のネオが仮想現実の世界から、現実の世界へ導くのが白ウサギでした。
怖い?パロディーも多い、不思議の国のアリス
児童文学書として世界でも名高い不思議の国のアリス。でも、ストーリーは正直言ってハチャメチャですよね。もちろん、少女アリスの夢の世界を小説にした想定で、また作者のルイス・キャロルさんが思いついた即興の話しをまとめた小説と言われていることが、そのあたりのハチャメチャさのいわれかもしれません。
「不思議の国のアリス」でググってみると、やはり「不思議の国のアリス 怖い」や、「不思議の国のアリス 狂気」、「不思議の国のアリス 怖い絵」なんかのネガティブなキーワードが、検索候補としてあがってきます。そこはそれ、子供むけに1800年代後半にイギリスでつづられた物語です。当時のこどもたちに向けたルイス・キャロルさんのメッセージが込められた物語だと思います。
ウサギの穴の中に入り込み、その世界で過ごしていくために、自分の体の大きさを変えてその世界に対応する。最後には理不尽なトランプの女王の裁判で、体の大きさを合わせることなくいつもの体の大きさに戻って、自分の意見を通して夢の世界から現実へ戻ってくる。
単にハチャメチャなストーリーかもしれませんが、その中で千差万別、ひとそれぞれに様々なメッセージをくみ取れるのが、この物語だと思います。
また、よく目にするちょっと怖そう・・って感じる、アリスの挿絵。最初に、この不思議の国のアリスに挿絵を提供した画家のジョン・テニエルさんの少女アリスの絵が、やはり怖さを醸し出しているのかもしれませんね。
「UK Walkerオンラインストア」で不思議の国のアリスグッズを!
不思議の国のアリスのチェスセット
「UK Walkerオンラインストア」カーブーツセールで、今回不思議の国のアリスに関連した商品2点をご案内させていただくこととなりました。
まずは、UK Walkerをご覧になっていただいている方が、イギリスにお住まいになっていた時に購入された不思議の国のアリス、鏡の国のアリスをモチーフにしたチェスセットです。
鏡の国のアリスがチェスのルールに沿って物語を紡いでいることは有名ですね。
こちらのセットは2001年ころに現地イギリスで購入されているので、かれこれ20年ほど経過した未使用のセットです。イギリス在住の思い出、美しい街とルイス・キャロルゆかりの地ということで、この不思議の国のアリスのチェスセットにひとめぼれしてご購入されたそうです。帰国後にチェスを学ぼうと思われたそうですが、結局は一度も使う機会がなく、今回のカーブーツセールでの販売となりました。
やはりすでに20年経過しているので、箱や中の干渉用スポンジには経年の劣化がみられますが、大切なチェスの駒やチェスボードはきれいな状態です。
同封の説明書にも記載されているように駒はスタジオ・アン・カールトン社(Studio Anne Carlton)の熟練のアーティストさんによるハンドメイドの作品です。
不思議の国のアリスファンの方は、ぜひご覧になってください。
チェスセットの構成
クイーン: アリス
キング: 赤の王と白の王
ビショップ: 帽子屋のハッタ
ナイト: 白の騎士
ルーク: トゥイードルダムとトゥイードルディー
ポーン: 三月ウサギのヘイヤ
詳細は、UK Walkerオンラインストアで
オックスフォード アリスショップのショッピングバッグ
作者のルイス・キャロル(本名:チャールズ・ラトウィッジ・ドドソン)さんが所属されていた、オックスフォード大学クライストチャーチ校の近くに、『鏡の国のアリス』でも描かれていたアリスショップがあります。
こちらでご案内するショッピングバッグも、UK Walkerをご覧の女性が以前イギリスへ旅行された際に購入されて未使用のものを提供いただきました。
よろしければ、こちらもご覧になってくださいね。
詳細は、UK Walkerオンラインストアで