早いもので、エリザベス女王がなくなられてから丸1年が経ちました(9月8日)。
前日にX(旧ツイッター)でエディンバラ城のアカウントが、「明日はチャールズ国王ご即位1周年を記念して祝砲を放ちます」と言っていて、ああ、女王さま1周忌よりも新国王1周年なのね、とあらためて思いました。
(キリスト教の方に「1周忌」という言葉は違うかもしれませんが、便宜上そう記します)
女王逝去と同時に新国王即位
昨年、エリザベス女王がお亡くなりになった直後から、英国王室初め様々な団体が公式に”Long live the King!(国王陛下万歳)」とコメントを出しており、「ついさっきお亡くなりになったばっかりなのに、ちょっと待ってよ」と思いながらも、君主は切れ目なく続くとはこういうことなのだな、と納得したりしていました。この時に「すぐに新国王をお祝い」という空気には慣れたつもりでしたが、1年経ってまたそれを目の当たりにして、ちょっとギョっとしたわけです 。
1周忌当日
そんな前日でしたが、当日になってみたらネットはどこも女王さま追悼一色。まずはロイヤルファミリーの公式アカウントから、チャールズ国王からのメッセージが書面と音声で発表されました。
音声はこちら
https://twitter.com/RoyalFamily/status/1699917957462212919
メッセージの内容は、エリザベス女王の長年にわたる偉業を深い愛情と共に偲び、同時にこの1年の国王夫妻への支援に感謝するものでした。
メッセージにつけられたこの写真。エリザベス女王のお写真なら、そのものを見たことがなくても大体「あの時期の、あれね」とわかるのですが、このお顔つきは全く見覚えがなく、お若い頃のものだから私が知らないだけだろうと思っていました。ところが、この写真はなんと今回が初公開。女王さま42歳の時のお姿で今まで一度も公に出していなかったものを、チャールズ国王がこの日のために選ばれたそうです。
近い将来にエリザベス女王記念碑が?
イギリス内閣からは、エリザベス女王を記念する碑や活動を策定する「メモリアル委員会」を設立した、との発表もありました。生誕100年にあたる2026年の発表を目指して、どういうものをどこに作るのか、またどのような活動をするのかをこれから検討するそうです。いずれどこかに女王さまの銅像などが建てられるのでしょうか。
単語”anniversary”は慶事にも弔事にも使う言葉
ところで、英語では命日、つまり死者の周年もanniversaryアニバーサリーと言いますね。この単語、日本語では「記念日」と訳され、結婚記念日など慶事の印象が強いので、命日についてもanniversaryが使われると知った時は驚きました。
語源辞書を見ると、おおもとの中世ラテン語の意味は「毎年戻ってくる」(anniの部分が「年」、versの部分が「戻る」)で、特に命日や聖人の殉教の日などを指したのだそうです。結婚記念日などおめでたい周年の意味でも使うようになったのは、ずっと後のこと。
エリザベス女王の発音
エリザベス女王を偲んで、2020年のクリスマススピーチでの女王さまの発音について以前私が解説した動画リンクを置いておきます。懐かしい女王さまのお姿を見ながら、イギリス英語発音の様々なポイントを是非お聞きになってみてください。