UKWalker

英国発祥の”Dry January” <幸せのメソッド>

ロンドンでは大晦日の12時を過ぎると、テムズ川で花火が打ち上げられ、ビックベンの鐘が鳴り響き、多くの人はBBCのTV画面を見ながら新年を迎えます。日本のゆく年くる年見たいな感じかもしれません。
そして期待と不安でワクワクしながら、家族が健康で1年間過ごせることを多くの人が祈ることでしょう。

ここ数年のコロナパンデミックにより、多くの人のライフスタイルが変化しましたが、英国発祥である、Dry Januaryという活動が世界中で注目を集めています。 Dry Januaryとは直訳すると”乾いた1月”禁酒月間という意味です。

写真提供:PENTIRE

Part 1.”Dry January”で幸福なライフスタイル?

1月に禁酒月間と聞くと、12月に忘年会やクリスマスで、暴飲暴食が続いた人たちが家計の節約、ダイエットという風に考えがちですが、Dry Januaryにはもっと意味深いストーリーが存在します。

ロンドンのバーカウンター (撮影:林)

ことの始まりは、2011年にEmily Robinsonという英国人女性がハーフマラソン大会に出場することで、禁酒を1月に始めたことが切っ掛けです。彼女はお酒を止めたことで、健康だけではなく、生活が大きく向上することに気づき、そして多くの人に知ってもらおうという気持ちになったそうです。

Dry Januaryロゴ

そしてその2年後、2013年に4,000人の人たちが参加した、最初のDry January始まりました。昨年は130,000人が参加し、アメリカでも広く受け入れられ、2023年の今年は10周年記念となります。今では完全に英国の年間行事として定着しています。

英国政府もこの活動に賛同していて、Alcohol Change UKという慈善団体(Alcohol Research UK)がDry Januaryを推進しています。
専用アプリも存在していて、このアプリを使ってこのムーブメントに参加します。アプリのデザインもスタイリッシュで、分かりやすくカレンダー形式になっていて1年間通して使うことが出来ます。(Apple, Androidの端末に対応。下記はアプリイメージ)

Dry Januaryの本当の目的は一か月の禁酒というわけではなく、この経験を生かして年間通してアルコールとの関係性を見直すライフスタイルを構築することです。もちろん健康面だけではなく、体重も減りその代わりにお金が増えますから良い事ばかり。
このアプリを使っている参加者の統計から、下記の様な結果が紹介されています。

  • 70%の人が良い睡眠を得た。
  • 86%の人がお金を節約できた。
  • 65%の人の健康が向上した。

また英国のSussex大学の、Dry January に参加した4,000以上の人を対象とした研究によると、70%以上の人がその年に健康な生活を維持できたという結果が出ています。
アルコールは、肝臓病、高血圧、うつ病、7種類の癌、など60を超える健康に影響があり、長期的にこれらのリスクを軽減することが出来るそうです。

また身体の健康だけではなく、さらに良い結果もその研究から浮かびあがってきました。それは、GSE (General Self-Efficacy)の向上です。日本語では自己効力感と呼び、困難に立ち向かってチャレンジし、現状を打破しようという意欲的な心理の事です。GSEは計測可能で、アルコールを控えることで、ポジティブな感覚になり、良い結果を生み出すそうです。ビジネスの成功や、幸せな生活を送るための方法の一つとも考えられています。

写真提供:PENTIRE

Part 2. ノンアルコールとはどういったもの?

ここまで書くと、お酒を飲むことが、いけないことのように思います。
そうではなく健康や幸せになるために、アルコールの分量をコントロールすることが重要であるということです。
また、コロナを切っ掛けに、皆さんのライフスタイルも大きく変わってきました。特に家でお酒飲むことが多くなり、つい飲みすぎてしまう人も多いのではないでしょうか。
また、お酒を飲むシーンは、私たちのソーシャルライフの、あらゆる場面で遭遇します。
そこで下記の様な人たちの間で、ノンアルコール商品の需要が伸びでいます。

  • 自宅でゆっくり時間をかけて飲みたい人。
  • 健康志向の人。
  • スポーツの後など。
  • 妊娠中の女性。
  • コーラやジュース類以外の飲み物として。(糖分が多い。×)
写真提供:PENTIRE

英国の私の家でもコロナ生活をきっかけとして、下記のビール達は常にストックしています。どちらもノンアルビール。

ここでノンアルコール飲料に関して簡単に説明させていただきます。

日本の酒税法では、アルコール度数1%以上の飲料がお酒と認定されます。そしてそれ以下の0.00%~0.99%がノンアルコール飲料になります。上記のビールは0.05%以下のアルコール成分です。ギネスの缶デザインに”0.0″と記載されているのは、アルコール度0.0%以下という意味です。

余談になりますが、私たちがふだん飲んでいるジュースにも、果物成分から来るエタノールという微量なアルコールが含まれていることをご存じでしょうか。実はノンアルコール飲料よりもジュースのアルコール%が高い場合もあります。またチョコレートやスイーツなども商品化する際に、食用アルコールをわざわざ混ぜます。その理由の多くは、賞味期限を延ばす効果があるからです。

ロンドン市内で、お会いした、ノンアルコールジン製造会社のマネージャーから、商品の説明をしてもらいましたので、その一部をご紹介します。
ノンアルコール飲料には、大きく分けて下記の2種類の製法があるそうです。

  1. 製造工程でアルコールを発生させないように作る方法
  2. 製造後のお酒からアルコールを除去する方法

どちらの製造方法も、従来のお酒を造ってからノンアルコール飲料を商品化していくわけで、科学的に、”お酒風”飲料を作るわけではありません。またノンアルコールの製造方法は、それぞれのメーカーや商品によって違ってきますが、ビール、ワイン、ジンなどを作る従来の製法と全く同じです。
このことは、ノンアルコール商品が市場に増えることで、お酒を造る人たちの職が失われるわけではなく、新しい市場を作ることでさらに産業が活性化していくという事です。

例:PENTIRE ノンアルコールジン https://pentiredrinks.com/

ノンアルコールだけど、ジン本来の心地よい苦みの味わいで満足度も高く、近年呼ばれているオルタナティブアルコール(お酒の代替品)として英国でも人気で、個人的にお勧めの商品です。残念ながらまだ日本ではまだ手に入りませんが、渡英の際は是非試してみてください。

パブや、バーだけではなく、スポーツジムや、ホテルのラウンジで、楽しむ女性が急上昇しています。またビジネスシーンにおいても、紅茶やコーヒーの代わりの飲み物飲としても人気が出ています。これらをオルタナティブアルコールと呼び、5星ホテルや、3星ミュシュランレストランでも、人気のメニューになっています。
英国発祥のムーブメントDry Januaryは、アメリカで爆発的に伸びていて近い将来、日本でも広がっていくと予想されています。そして日本でも英国流の幸せライフスタイルを実現していければ素晴らしいと思います。

近い将来、皆さんの行きつけのバーや自宅で、英国産のオルタナティブアルコールが、簡単に飲める日が来ることを願っています。