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ロンドン郊外暮らし ~秋の散歩~

散歩が益々待ち遠しい季節になりました。
春には新緑とこれから開く花の蕾に期待を膨らませ、秋には毎日変わる木々の葉のグラデーションを楽しみながら30分の散歩が1時間になり、時には2時間がアッと言う間に過ぎていきます。
今日は、ロンドンから少し離れた郊外の街に住む、普段の暮らしのひと時「秋の散歩」
イギリスの秋を楽しみながらの散歩に皆さんをお誘いしたいと思います。

商店街に続く一本道は落ち葉に覆われ、毎日変わる葉の色を楽しみながらの散歩。

商店街に続く一本道は落ち葉に覆われて
毎日変わる葉の色を楽しみながらの散歩

赤い葉を見るとつい日本の目の覚めるような紅葉が懐かしくなったり・・・

散歩道では赤く色づく葉も

木々の葉が緑の芝生を黄金色に染めていきます。
芝生を覆う落ち葉の色もさまざまで、まるで落ち葉のカーペットのようです。

木々の葉は黄金色に染められ、芝生の上はまるで落ち葉のカーペットのように

「私はここよー!」と言わんばかりの出遅れたバラ一輪をみつけました。

壁際に咲く一輪のバラ

秋も深まるとバラはローズヒップに変身します。

変身したローズヒップ、薔薇の果実

ピラカンサ(ピラカンサス)は別名ファイアー・ソーン(firethorn)と呼ばれ、イギリスでは住宅の垣根によく見られます。
正に燃える火のようなピラカンサの実でした。

住宅の壁際のピラカンサとその実

私の好きなシュウメイギクの英名はジャパニーズ・アネモネ、住宅の前庭に植えられたジャパニーズ・アネモネをみかけて思わず写真を一枚。

民家の玄関前に咲くジャパニーズ・アネモネ

いつも会う犬仲間。ウィペットという犬種のエッスィオから12週間前に生まれたマーサ。お産の様子などを聞きながら15分立ち話です。

散歩の途中に出会った犬仲間、生後12週間のマーサ

クラブアップルは日本の姫リンゴですが、イギリスではクラブアップル・ジェリーにします。この場合のジェリーとは、実の入っていないジャムを指します。
散歩の途中、クラブアップルが地面を覆っていました。

地面を覆うクラブアップル

都会でも田舎でも見られるサンザシは、春には白や濃いピンクの花を咲かせます。今はその実が真っ赤に色づいています。

サンザシの実

西暦792年にアングロサクソンの王であり、銀の硬貨を作ったオファがこのあたりの土地を聖オルバンの修道院に贈与し、また狩の際に王が使った家が近くにあったと記録にあります。地元の人が「三つの丘」と呼ぶこの野原を最初に見た時は、てっきりアングロサクソン時代の王、または重要な人達の古墳であると思い込んでいました。ところが実は60~70年前に付近の家を建てる際に掘って出た土をここに運んで積み上げたものと知った時はがっかり。でも、そこには後に西洋トチノキやトネリコの木が植えられ、それが今は大木になっています。
「三つの丘」もすっかり秋に包まれています。

秋色に包まれた三つの丘

同じ一本の木でも、一枚一枚の葉の色が変化する時期が違います。その段階を見るのが楽しみです。
まるで絵に描いたように美しい葉の色のグラデーションを発見。

美しい葉の色のグラデーション

また、ヴァージニア・クリーパーの紅葉は、盛りは過ぎましたが、美しさは当分楽しめそうです。

赤く色づいたヴァージニア・クリーパー

誰が置いたのか鳥の食べ物が木にぶら下がっています。冬になると鳥たちも食べ物がなくなりますので、鳥たちには嬉しいプレゼントです。中の食べ物がなくなるとちゃんと新しい食べ物が入れられます。心優しい人の気持ちに心が温まります。
この付近にはいつも鳥が集まっています。

木にぶら下げられた鳥への贈り物

裏の路地の塀の向こうは個人の庭。梨がおいしそう!
こんなに沢山の梨が!早く採らないと腐ってしまうー!

民家の庭にたわわになっていた梨

と、梨を見ながら上を向いて歩いていると、突然2メートル先に大きなリンゴが落ちてきました!梨を鑑賞せずに、あと数秒早く前を歩いていたら完全に林檎に直撃されていました。
危機一髪で落林檎(?)から逃れました!

危機一髪で落ちてきたリンゴから逃れることが

上を見るとやはり個人の庭の美味しそうな林檎が。

民家の庭に実っていたリンゴ

30分くらい歩き、そろそろ休憩がしたくなりました。このベンチは2002年のエリザベス女王即位50周年のゴールデン・ジュビリーの際に作られたベンチです。

散歩道でみかけたベンチ
2002年6月のエリザベス女王在位50周年記念、ゴールデン・ジュビリーのプレート

今日の散歩はゆっくり歩いて45分。
途中には植林園があるので、明日はそこの秋を見てこようと思います。
パンデミック以来遠出することが少なくなりました。でもそのおかげで、時間に縛られることなく散歩を楽しむ暮らしが身に付きました。その結果知ったことは、日々の楽しみは意外と近くに存在するということです。
木々の葉を一枚一枚鑑賞するということは今まではなかったことです。
時には頭の中の時計の動きを少し遅くすると、色々新しい発見があるものですね。

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