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紅茶の国なのに朝のママ達のお茶習慣「コーヒーモーニング」

チョークで描かれた英国Great Britainマップ

イギリスでの子育て

イギリスに住むと言うことは期待もあったが、3歳の息子と3ヶ月の娘を海外で子育てすると言う不安も同じぐらいあった。
英語もままならない私だったので、子供のお友達やその親とのコミュニケーションは取れるのか?
私らしくないちょっとドキドキなスタートだった。

「子供だから打ち解けるのも早くすぐに慣れるわよ。」と、日本人先輩ママからそう言われたのだが、子供の性格によると思う。息子はかなり人見知りでシャイ。日本に住んでいた時は、主人と接する時は英語だったがそれ以外は日本語環境。聞き取りはなんとなくできても、しゃべるのはなかなか難しく自分の伝えたいことが伝えられないと言うことで、馴染むのに時間がかかった。

そんな息子を見ていると、母として、お友達を作って学校に馴染んで楽しい学校生活を楽しんでほしいと願う日々が続いた。

そうした理由から、学校の親達の集まりには欠かさず参加した。親どうしのコミュニケーションが、子供が小さい時は学校生活に大きく左右すると思ったからだ。集まりに行く時は正直気の進まない時もあった。100%英語の会話に入って交流するのはやはり勇気のいること。集まりに来ているメンバーの中に気遣いができる人がいると、私の拙い英語でも理解しようと会話を引き出してくれたり、そうした優しい方に支えられてなんとか毎回参加できたと感謝している。

朝の井戸端会議「コーヒーモーニング」

母親たちの集まりは大きく分けて2つ。子供を寝かせた後、8時ごろから集まる夜開催されるディナーと気軽に参加できる朝の集まり。ある日、クラスのママ友から「来週の月曜日はコーヒーモーニングするけど来られる?」と聞かれた。「コーヒーモーニング」を訳すと『朝コーヒー?』まずは参加してみよう。「しかし、紅茶の国なのに、コーヒーモーニングなんて変なの。」と、この時点では、コーヒーしか飲めないと思い込んでいた。

着いてみると、「Good morning」とクラスの母親たちが迎えてくれた。そして「Would you like tea or coffe?」と聞かれた。おおお!そうか。朝のママ友お茶タイムを称して「コーヒーモーニング」と呼びコーヒーでも紅茶でもOKだった。

コーヒーモーニングとは

この「コーヒーモーニング」の頻度は各学校やクラスによるが、私の子供たちが通う学校では月1回ぐらいあった。朝、子供を学校に送り届けた後に母親たちがお茶をする。クラスの中で面倒見の良い母親たちが会場となる家を提供。時々カフェでの集まりもある。ホストになった母親は紅茶、コーヒー、ノンカフェインのハーブティーや冷たいソフトドリンクなどの飲み物とスイーツを用意する。スイーツはホストによって様々で、お菓子を作るのが大好きな人の家では手作りの焼き菓子が提供された。中に入った瞬間焼きたてのスイーツの匂いがしてすごく幸せな気持ちになれた。もちろん時間がなくて市販のスイーツで気軽に開催。ということもある。
よく考えれば10人前後のゲストを朝から迎えるという気持ちに頭が下がった。

人に流されず個人の時間を大切にするイギリス人女性

この「コーヒーモーニング」の良いところはとてもリラックスした集まりだ。子供を送った後に適当にバラバラとホストの家に集合。私はいつも早め早めに行動するので、一度ホストより早く家に到着していたこともあった。帰る時間も様々。イギリスの女性はとても自分の時間を大切にする。一瞬顔だけ出して「みんなに会っておきたかった。」と爽やかな風のように5分で仕事に向かう人、今日は午後からお客様が来るのでと言い30分で帰る人、今からジムに行くのとスポーツウエアーに身を包んで話のきりの良いところで帰り支度をする人。時間の切り上げ方がうまいなと思った。朝の集まりだからこそ、有意義に過ごしたいのでだらだら長居することはほとんどない。

話題が尽きない井戸端会議

話の内容は万国共通な学校の話題が中心。クラスでの出来事、学校行事などを始め、休み近くになれば「ホリデーはどこへ行くの?」と、どこかに行かなければならないような無言のプレッシャーを感じたことを記憶している。もちろん美容の話にも花が咲く。海外に暮らすということは簡単ではないが、国籍を問わず波長のあう人というのはいるものだ。
そんな人たちと今でもご縁がつながっていることが今の私の財産にもなっている。
子供が成長しそういう機会もなくなり、何気ない朝の習慣コーヒーモーニングを懐かしく思える今日この頃だ。

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